複雑・ファジー小説

Re: 天使の翼 ( No.47 )
日時: 2016/02/16 22:49
名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)

六話「母の居場所」

母は王城にいる... ...
それを聞いたとき俺は耳を疑った。
なぜなら、今の王ゲイルスィート六世は他種族友好派だからだ。
他種族友好派の王が他種族排除派の神の子供たちと仲がいいわけない
... ...「もしかして今の大臣か!?」

そう考えると納得行く。
今の大臣ゴルランゲスは他種族排除派の筆頭最近は王と対立しているとか...
彼が神の子供たちと密通してると考えれば王城に母さんないるのも納得いく。

「そう言うことか...」

つまり、王城に忍び込み、大臣を殺し母さんを救えばいいんだ...
簡単じゃないか...

「グリーン様、ありがとうございました」

「大臣には気を付けろ...奴は中々の策士じゃぞ...」

「はい、分かりました」

俺は話を終えた後、館を出た。
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その後、俺は事情を説明し、王城に忍び込むことを提案したがカイさんに却下された。

「いや、そんなことしなくても王は謁見の許可さえ取れば王城に入ることを許す人だ」

確かにカイさんの言う通りだ。だけどそれじゃ間に合わない。

「いや、出来るだけ早いほうがいい。それに俺は犯罪を犯してでも母さんを救い出したいんだ」

「そこまでいうなら仕方ないな、よし、王城まで向かおう」

俺達が旅の支度をしようとしたときムファンが俺に話し掛けてきた。

「ねえメル、この旅が終わったらしばらく村で休もう。カイさんとユシャンちゃんも招いて一緒にあの村でのんびり暮らそう」

「ああ、本格的に冒険家になるのはしばらく後だ。とにかくここを出たらまっすぐ王都を目指そう」

そう言った後に村を出ようとした時、遠くからなにやら大きな叫び声が聞こえた。

「おーい、メルフィンとやら!話がある!」

アイントか... ...いったいなんだ?
俺はアイントの方へ向かって走り、近くに駆け寄って話しかけた。

「なんですか?なにか大切なことでも?」

そう言ったらアイントは冷静な口調でこう言った。

「お主には死相が見えた。しかし、その死相はお主のではなく誰かお主に近い者の死相じゃ、それはお主の旅の仲間かもしれんし母の日かもしれん。だからこの東にある国のオフダとやらを使うのじゃ」

「オフダ?なんですかそれは」

聞いたことがないな...東の国自体あまり聞かないしな... ...

「東の国の名はヒの国、独自の文が発達しており、独特な剣術もあるというぞ」

ヒの国か...名前だけなら知ってるがそんな国だったとは... ...
アイントは話を続ける。

「その国のオフダと言うのは災厄から身を守ってくれるらしい。だから、お主の大切な人はこれで守るのじゃ」

アイントは鋭い眼差しでいった。

「ええ、ありがたくうけとりますよ。」

俺はアイントからオフダを受け取り、腰に着けた。

(これを使えば母さんを助けられるのか... ...?)

それはまだ確証がないがもしかしたらこのオフダを使って母さんを助ける場面に訪れるかも知れない。
前向きにとらえよう

「では、ありがとうございます。アイント様」

「ああ、頑張るのじゃぞ」

会話を終えた後、俺はムファン達の元に戻り、アイントと話したことを全て伝えた。

「そうなのね...おそオフダを使えばリリアそんを助けられるかもしれないのね...」

ムファンは半信半疑だが、カイさんは完全に信じてるかのようにこういい放つ。

「あのアイント・グリーンの物なら間違いなく僕たちを助けてくれる物だよ。そんなに疑うことはないさ」

「そーう!」

ユシャンは理解してないのではないだろうか... ...
まあ、いっか。

「じゃあ、これから向かうのは王都の王城、命の安全は保証出来ない...それでも行くのか?」

俺は覚悟が出来ているか、彼らに聞く。

「そんなもの!旅に出るときから決めているわ!」

「命の安全なんて冒険家には無いようなものさ」

「私は死なないから大丈夫!」

みんな覚悟している...ユシャンは違うかも知れないが...
まあ、細かいことはいいや。

「じゃあ、みんな!出発だ!」

「おう!」

こうして俺たちは村を出て王都へと向かった。
この先、誰かが死ぬかもしれない。だけど俺は...いや、俺たちは覚悟している。
だから、怖くはないんだ。