複雑・ファジー小説

Re: 天使の翼 ( No.48 )
日時: 2016/04/04 14:36
名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)

王都へ向かって村を出てから二ヶ月が過ぎた。
今のところは順調だ、あと一ヶ月もすれば王都に辿り着くだろう。
順調に行けばだが... ...

    一方その頃、王城にて

 マトーレ王国の左大臣ゴルランゲスは酷く怯えていた。アイント・グリーンの予言にである。
 
「古から蔑ろにされてきた種族の男、汝を恨みやがて恐怖のまま汝は死ぬだろう」

この予言を聞いたあと、ゴルランゲスを殺める男らしき者を探すため山賊を雇った。
 そして、二ヶ月後、王都に向かう四人の男女を発見したという。
 それだけなら何も珍しくはないが、男の一人はマントを羽織り、そこからは翼が見える時があったという... ...
 蔑ろにされてきた種族、つまりは「天使族」のことだろう。
 彼らは遥か昔の人天戦争で天使族の犯した罪を何百年も味わってきたのだから、蔑ろにされている種族というの天使族で間違いないだろう。
 そして、他種族排除派のゴルランゲスにとってはそれは恐怖の対象だった。天使族は光魔法によって自分に敵対する者を溶かす。
 ゴルランゲスは真っ先に溶かされるだろう。
 だから恐怖を感じ、逃げようとしているのだ。
 そして彼は暗殺者を雇った。暗殺者の名はピート、暗殺者としては最狂と言われている。
 この暗殺者なら天使族の男を殺せる... ...
 そう思って安心するゴルランゲスだった。
 運命からは逃れなられないと知らずに ... ...