複雑・ファジー小説
- Re: 天使の翼 ( No.58 )
- 日時: 2016/03/05 23:56
- 名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)
十二話「神の子供たち」
現左大臣ゴルランゲス、彼は今でこそ王の次に偉い地位を手に入れたがそれまでの道のりは決して楽なものではなかった。
彼は下級貴族の四男として生まれた。
幼い頃は外に一切外出せずに勉強をし、いつの日にか上級貴族を越してやると心に秘めていた。
そんな彼がある日、父がきまぐれで彼を外に出し、世界を見せてくれた。
世界は彼が思ってたよりも広く、美しかった。
そして、彼は出会った。聡明でとても美しい王子に... ...
その王子の名はアイファー、第二王子アイファー
ゴルランゲスはアイファーを一目見てあることを悟った。
「この人なら僕を上の存在にしてくれる」と... ...
それ以降、彼は外に出て、アイファーに積極的に自分をアプローチし、遂には従者になることに成功した。
そして、利用するつもりのアイファーにある感情を抱くようになった。
「圧倒的な忠誠心」を
一方、アイファーは最初はゴルランゲスを鬱陶しく感じたが後々、彼の中に宿るハングリー精神に興味を示し、彼を自分の従者として雇うことにした。
ゴルランゲスは従者として完璧な役割を果たし、当時の国王ゲルスィート五世にも誉められるほどの仕事をすることもあった。
そのまま彼は順調に地位が上がると思っていた... ...
しかし、ある事件で彼はまた困難な道に立たされることになる。
アイファー第二王子出奔事件である。
当時、アイファーの一番のお気に入りであったゴルランゲスは酷く窮地に立たされた。
だが彼は持ち前の機転の良さによって、なんとか地位を向上し、左大臣の地位につくことになった。
だが、彼にはそのとき、地位よりも大事なことがあった。
アイファーである。彼にとってアイファーは神と同じくらい尊い存在だった。
その姿は敬虔な宗教家のようであった。
しかし、ある噂が彼を酷く絶望させる。
アイファーが天使族の女と結婚したという話だ。
その話を聞いた時、彼は天使族の女を憎み、他種族を憎み、他種族排除派になった。
そして、アイファーが死んだという話を聞いて彼は更に天使族の女に対する憎しみに囚われた。その醜い姿は自分が嫌っていた汚い貴族と同類の存在になっていると気づかずに... ...
こうして、彼は天使族の女を神の子供ちに命令して、攫い、城の地下に幽閉した。