複雑・ファジー小説

Re: 天使の翼 ( No.59 )
日時: 2016/03/07 22:47
名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)

「奴はどこに行った!?」
 
 カイさんが私の隣で叫ぶ。
 今、私たちは左大臣ゴルランゲスを捕らえるために追っている。
 何故なら、奴は私の親友にして好... ...親友のメルフィンの母を攫ったのだからだ。
 メルフィンの母リリアは私が幼いころからお世話になった人だ。その恩を返すために私はゴルランゲスを捕まえ、リリアさんを救う!
 
「ムファン君!油断は禁物だよ。やつはほぼ王が政治を支配していて名ばかりだった左大臣の座から自分自身も王に発言出来るほどになった男。狡猾な奴さ... ...」

 カイさんの声が若干震えている。ゴルランゲスを恐れているのだろうか
 カイさんが恐れる程ならとてつもないくらい悪賢いのだろうか。
 いや、そんなの関係ない。ゴルランゲスを捕まえて、リリアさんを救う!それしか今は考えるな!
 そのことを頭の中で考えていると突如、背後から何かの影が現れた。
 いきなり現れた!?何者!?

「俺は【音速】のベクトル、神の子供たちのリーダーさ、まあ、それは置いといて君には死んでもらう」

 神の子供たちのリーダー!?やはりゴルランゲスと関係があったか!
 
「音速剣」

 駄目だ、避けれない... ... 死んだ... ...ごめんメル... ...
 ベクトルから放たれた剣によって一瞬で私の首が跳ねられ... ...ていない!?何があったの?
 腰をついた私の前に立っていたのはカイさんだった。
 カイさんは剣を持ち、ベクトルの剣を防いでいた。
 
「【音速】... ...使ったのは五年ぶりか?... ...この程度で【あの技】を使うわけには行かないからな... ...」
「カイさん... ...?音速なんてつかえたの?」
 
 カイさんは魔法剣士とはいえ音速を扱えたなんて知らなかった... ...

「貴様!?その技をどこで手に入れた!?」
「手に入れたもなにも15年前から持っているよ簡単に言うと君よりも昔に持っているだろうね。君は何年前に手に入れたのかい?」
「っち... ...」

 あの反応を、見る限り、カイさんの方が先に使用していたのだろう。

「そういえばムファン君... ...僕がなぜ【光速】が光速を使えるのは三回までって知っているのか疑問に思わないのかね?」
「... ...え?それはカイさんが博識だから... ...」
「いくら博識でも光速本人がカミングアウトしなければ三回までなんて分かるはずないさ... ...つまり」
「つまり?」

 どういうことなの?

「僕が【光速】... ...【光速のカイ】さ」