複雑・ファジー小説
- Re: 天使の翼 ( No.60 )
- 日時: 2016/03/10 20:57
- 名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)
- 参照: http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=55667603
「光速の...カイ?」
カイさんが何を言っているのか分からない。
カイさんが王都神聖戦の優勝者の光速?確かにカイさんは強い。
だが、そんな人間が私とずっと旅をしてたなんて信じられない。
「信じられないって顔をしてるね。だが、本当さ、僕が第214回王都神聖戦優勝者... ...光速のカイ、嘘ではないよ」
「なら、なんで今まで隠してたんですか?」
「だって僕は王の命令に逆らい逃亡した人間だ。君達にも迷惑は掛けたくなかったんだ」
カイさん... ...私たちの事を思って... ...
「で?感動する話は終わったかい?待ってあげたんだ。死んでもらうぞ!」
ベクトルが私に向かって斬りかかってきたがカイさんが剣でガードする。
「ムファン君!君はゴルランゲスを追うんだ!僕がこいつをどうにかする!」
「はい!」
こいつはカイさんに任せて私はゴルランゲスを追う... ...それがベストだ!
「な!?待て!」
ベクトルが追ってこようとするがカイさんが行く手を阻む。
「君の相手は僕だよ」
「っち... ...」
ここはカイさんに任せた。
その後、城内を探すと螺旋階段の後ろに何かがあるのを発見した。
「螺旋階段の後ろに地下への階段がある!?」
私はゴルランゲスを探すために螺旋階段の後ろにあった地下への階段へ降りた。
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マトーレ王国王城の一階にて二人の男が向かい合っていた。
一人は神の子供たちのリーダー【音速のベクトル】
もう一人は謎の男【光速のカイ】
今、彼らの男の戦いが始まろうとしていた。
(勝負は一瞬、僕が光速で相手に反応させる前に斬れば僕の勝ち、彼が反応できれば彼の勝ち... ...さあ、賽は投げられた。)
カイが腰に漬けている剣に手をあて、右足を左足の後ろに回した。
「ふん!あれが噂の光速か... ...見せてもらおう!その実力を!」
「【光速】!」
その言葉と同時にカイは姿を消し、その場にいなくなったように姿を表さない。
そして、ベクトルが動く!彼は何かの音に気づき、剣で背後を斬った!
「これで終わりだぜ、光速のカイさん!」
だが、背後には何も無い!カイの死体などはそこには無かった!
「な!?どこへ行きやがった!?」
「ここだ... ...」
声はベクトルの左から聞こえてきた。
カイはいつの間にかベクトルの左に回り込んでいた。
「まずは左手【光速剣】」
カイの手にあった剣が動いたかと思ったら既に剣は鞘に収まり、ベクトルの左手が宙を舞っていた。
「な!?いてえええっ!俺の腕がああああああああっ!?」
ベクトルは悲鳴を上げ、膝をつき、斬れた左腕を抑えながら喚いた。
「もう一発だ。【光速】」
カイはまたも姿を消し、次はベクトルの右側に立った。
「呆気ないよ... ...音速が聞いて呆れるよ」
「うぬ!?てめえええっ!」
ベクトルは音速剣を繰り出そうとするが遅い!カイの光速剣の方が早く繰り出されていた。
「うわああああああっ!いてえええよおおおうわああああああっ!」
ベクトルは右手をも失い、地に伏せる。目からは大量の涙を落とし、口は唾液でべとべと、体は自身の血で赤く染まっていた。
「もう一度光速を出してみろ!俺は死ぬがお前も気絶するだろうな!そんな目にあいたいのか!?だったら俺の命を助けろ」
ベクトルは必死に命乞いをするが、それでも上から目線な言葉でカイの怒りが増すだけだった。
「ああ、もう光速は使わない... ...」
「だよな!だって気絶するのは嫌だろ!」
「だが殺すとは言ってないよ」
カイが少しだけ微笑むと同時に刀が氷の刃に変化し、ベクトルの心臓を貫いた。
「氷の刃〈ラム ド グラース〉君は死んだ。これで僕の勝ちさ」
カイはにったりと笑ったあと、その場で膝をつき、呼吸が激しくなった。
「光速は確かに1日に使えるのは三回までだ。だが、二回までなら無事って訳でもない... ...一回目は平気だが、二回目から疲れを感じ、三回目で気絶... ...まだ動けるが... ...ここで一旦休むとしよう... ...」
そう言いながら彼はそこで横になり目を瞑った。
おまけ
Te9さんにカイを描いてもらいました!
Te9さんに感謝感激です!