複雑・ファジー小説
- Re: 天使の翼 ( No.64 )
- 日時: 2016/03/22 13:08
- 名前: 猫のスーパーハルサメ ◆15FVZlz4dc (ID: qESkNdgF)
- 参照:
「ふん!喚け!貴様が不利なことに変わりはない!」
「てめえ!俺は今すぐにでもお前を殺せるんだぞ!」
「ああ、そのかわり、この二人の内、どちらかも道連れになるけど、ね」
この外道... ...そこまでして、地位と名誉が欲しいか!
「メルフィン君... ...」
「カイさん、どうすればいいんだ... ...俺は」
「... ...」
方法は三つある... ...
一つはゴルランゲスが母さんとムファンを殺す暇もなく、瞬殺剣で斬り殺すこと... ...だが、瞬殺剣は人を殺す程のぱあはない。この方法はとても難しい... ...
二つ目はムファンを捨て、母さんを助けること... ..だが、俺にはムファンを捨てられない... ...だって仲間だ... ...友を捨てるなんて... ...
三つ目は母さんを捨て、ムファンを助けること... ...だが、これも駄目だ... ...母さんは今まで俺を育ててくれたし、ここで母さんを捨てれば今までの旅は無駄なものになる... ...
どの方法も駄目... ...どうする... ...くそう... ...
いや、決めろ... ...友を取るか、母を取るか... ...
俺の額には汗がびっしり流れていた。
これはおそらく、人生で一番の決断だろう。
「さあ!選べ!母か友かをな!」
ゴルランゲスの卑怯なやり方には怒りしか湧かない... ...だが、決めた。
俺は... ...
友... ...いや、俺は恋をしているムファンを取る!
「ムファンだ... ...ムファンを救う... ...」
「ふん!いいだろう... ...貴様の母であり憎き天使族はここに死んだ!」
ゴルランゲスが右手で短剣を持ち、母にそれを斬りつけようとする。
俺はそれをただ見ているだけだった... ...
そう「俺」は... ...
カイさんは違った... ...
「【光速】!」
カイさん叫んだと同時に姿を消したと思ったらゴルランゲスの右に立っていた。
「な!?貴様!まさか【光速】か!?」
「その通りさ、僕が光速のカイ... ...そして、喰らえ!【光速剣】!」
カイさんは腰にあった剣を抜いたと思ったらなぜかゴルランゲスの右手が失われていた。
「な!?馬鹿な!?ぐはぁ... ...」
ゴルランゲスは腰をつき、今にも逃げようとする。
逃がすか!
「この野郎!」
俺は真っ先に剣を抜き、ゴルランゲスに瞬殺剣を放つ。
ゴルランゲスは避けきれずに背中に喰らってしまう。
「おのれ!小僧が!くっ... ...暴風〈タンペット〉!」
俺とゴルランゲスの間に激しい風が起こる。
風が止んだ時にはゴルランゲスは姿を消していた。
「逃げたか!」
「いや... ...はぁはぁ... ...この地下は一本道... ...ならば、あの先にいったに違い... ...ないさ... ...」
カイさんが酷く疲れている。
何があったのだろう。
あの光速はそれほど疲れるものなのか?
... ...そういえば光速のカイって... ...?
「カイさん!光速のカイって?」
「ああ... ...前、兵士が言ってた光速ってのは僕のことさ... ...詳しいことはあとで伝えるよ... ...もう三回使ったちゃったからね... ...」
そう言うとカイさんは首を垂れ、起きなくなってしまった。
気絶したのだろう。
だが、申し訳ないがカイさんは後回しだ。
今はゴルランゲスだ!
「ん... ...んん?」
すると、ムファンが芽を覚ました。
「ムファン!無事なのか!」
「メル?ああ!メル!ここはどこなの?」
「地下の二階さ... ...あの先に光速がいる。追いかけよう」
「そう言えば私、ゴルランゲスに捕まって?なにがあったの?」
「ゴルランゲスに捕まって... ...人質になってたのさ、カイさんが救ってくれたけどね」
「そうなの... ...カイさんが気絶してる?つまり光速を三回使ったのね... ...まあ、今はゴルランゲスを殺すことに集中ね!」
ムファンの口振りからカイさんが光速だというのは知ってるのだろう。
まあ、いい。
ゴルランゲスは右手を失った。今は俺達が圧倒的に優勢... ...
殺してやる... ...ゴルランゲス