複雑・ファジー小説
- Re: 天使の翼 ( No.7 )
- 日時: 2015/12/05 01:48
- 名前: 猫のスーパーハルサメ (ID: qESkNdgF)
そんな日が続いた中、僕は母に何故僕たちが差別されているのかを聞いた。
今を思えばあんなに読書していたのに何故、歴史の書物を読まなかったのだろうと自分が恥ずかしくなる。
しかし、母は優しくその質問に答えてくれた。
「それはね、大昔天使族は人間族に酷いことをしたの。だから、今、私たちもその大昔の天使族と同じように怖い存在だと思われてるの」
この話を聞いたとき、僕はものすごく馬鹿馬鹿しいと思ってしまった。
大昔と言われるほど前の出来事を未だに引きずっているこの村の住人が7歳の自分よりも子供に見えたのだ。
でも母はそんな住人にも嫌われていようが優しく接していた。
そのことを聞いた翌日、いつものように大木の下で本を読んでいると、いつもの悪童が僕に石を投げてきた。
痛いと言えば嘘になるが、我慢できる程度なので無視していると悪童の1人が僕を挑発してきた。
いつもなら無視できたが今回だけは無視できなかった。何故なら、そいつは母さんのことを侮辱したのだ。「人を食べる怪物」と
その時、僕は怒り狂った。しかし、数の暴力には勝てなかった。ボコボコにされ、大切な本を破かれた。だけど僕は立ち上がり、遂には母さんを怪物といったやつの顔面に一発喰らわせることができた。
しかし、それによって怒った悪童どもにさらにボコボコにされた。
身体中に痣が残るほど殴られ蹴られ、久々に泣きそうになったとき.......不意に悪童の一人が吹き飛ばされていた。
「え?」
僕は困惑した。自分のことを殴った奴がいきなり遠くに吹き飛ばされていたんだ。当たり前だ。
「あんたたち!また、その子をいじめてんの!」
どこからともなく大声が聞こえた。
そこには、青い髪の少女が立っていた。
自分より2〜3歳は年上だろうか?
「げ!?ムファンだ!風魔法で吹き飛ばされるぞ!」
「もう1人飛ばされてるよ!」
「知ってるわ!いいから逃げるぞ!」
悪童どもが散り散りに逃げていく
「もう大丈夫よ。怪我は大丈夫?」
さっきと違い、包み込むような優しい声が聞こえ、その直後、僕は気を失った。