複雑・ファジー小説

Re: 非日常の日常 ( No.10 )
日時: 2016/01/25 23:17
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

 歩き始めてからすぐに目的地を見つけることができた。
「牢屋・・・・・・ですか、にしても大胆な格好をさせられてますね、脇がきれいです」
 捕らえられている3人は手錠みたいのをつけられ、足枷をつけられて逃げれないようになっていた。そして手錠は頭のほうから吊り下げられているように作ってあるので手が頭の方に持っていかれ、結構なエロい感じなポーズになっていた。
 すると捕らえられている美海さんと心愛さんと姫莉さんのうち一人、リーダー格である心愛さんが反論する。
「やりたくてやってる訳じゃない! 早く助けなさいよ!」
 ぜったいにいわないけどチャイナ服みたいな格好でそのポーズはとても凄いからもう少し見ていたい的なものがある。
「そうだぞ! 早く助けてやれ!」
 それにぬいぐるみものる。主人が無事だと知ったら手のひら返しやがるのは少々ムカつくがそれがあのぬいぐるみなので怒ったってなにも始まらない。
「冗談ですよ、待っててください。今助けます」
 私はとある空間から刀を取り出し、両手に1本づつ刀を構えた。
「少々荒いかもしれませんが、すみません、行きますよ」
 私は駆け出し、牢屋の鉄に向かって走る。それと同時に刀に少しだけ文字が浮かぶ。一応念の為の硬化魔法だ。
「はぁ!!」
 刀を降り下ろす。少し牢屋からバチっという電流が走る。やはりなにかが仕組まれていたらしい。でも私の刀は特別仕様で闇の力みたいのを吸い取ってくれるのでそこら辺は気にしなくて大丈夫なんだけど。
 ガラガラと牢屋が音をたてて崩れていく。
「大丈夫ですか、手錠と足枷取りますよ。はい」
「あー! 助かった、ありがとう! じゃあ私たちはに・・・・・・」
「そんな易々とは逃がさないよ、少女たち」
 心愛の言葉を遮るように忘れもしない女性の声が聞こえた。
「「「!!!!!」」」
 3人が硬直する。私は何となく予測ができていたので驚きもしなかったが。
 金の髪に黒のメッシュが入った紫の目をした女性が楽しそうに私たちを見てる。
 ・・・・・・演技臭いのは考えないでおこう。その女性を見て、3人がわからないように怯えている。情けない。まぁ、3人をさらったのはこの人だし、私たちよりも圧倒的に強かった。もう、勝ち目はないのだろうと思っているのだろう。情けない。
 女性がスッと指を指す、3人に向かって。
「その3人には妖精界の姫の生まれ変わりである人間にしか無いと言われる“ココロの結晶”をもっている。だから、逃がすわけにはいかない。あの結晶があれば膨大な力が出にはいるらしいし? だから、欲しいから、逃がせない」
 だんだんドスが効いていく声は威圧感が凄い。尻込みしてしてしまいそうだ。
 少しの間沈黙が続く。その沈黙を破ったのはチャイナ服みたいな格好をした心愛だった。
「だったら」
「ん?」
 紫の目の女性が反応する。
「だったら、私たちがそのココロの結晶というものを持たなくなれば私たちは晴れて自由の身であなたたちと戦うだけでいいということ?」
「まぁ、そういうことだね」
 私は嫌な予感がした。背筋に冷や汗が流れる。
「だったら、夢」
 笑顔で心愛達が私の方にやって来る。
「お前ら、まさか・・・・・・違うよな、そんな、外道とは思っていたが」
 敵の女の人も察したようだ。信じられないとゆう目をしている。敵にそう思われるとはどうゆうことかと思うけれど、これは、この行為は私だって信じられない。私の仲間がこんなに落ちぶれているとは思わなかった。自分の使命を守らない人だとは思わなかった。心愛がとても優しい声で耳元に囁く。
「私達の身代わりになって」
 逃げる暇もなく、腕を捕まれる。
 そしてすぐに胸の当たりにズズっとなにかが3つ入っていく感覚がした。
「うっ・・・・・・」
 激しい痛みが全身に走り、私は床に崩れ落ちる。
「よしっ! これで私たちは晴れて自由の身だ! やったね!」
「だねっ!」
「そうだな」
「よかったなお前ら!」
 ぬいぐるみはあっち側のやつなのでなにも信じていないからなんとも思わない。外道め。でもさっきまで一緒に行動していたとは思えない。私が苦しい思いしているなかであのやつらは自由になれたのならいいかと思える自分に少し腹が立つが、使命がここで終わるのならいいだろう。
 私も少し荷が下りたのだ。うれしいことだ。
「おい、大丈夫か、夢」
 少しだけ聞き覚えのある声が聞こえる。その声の主は敵の人でもなく、見方のあの外道3人でもなく、ぬいぐるみでもなかった。
「いままで・・・・・・どこ行ってたんですか・・・・・・」
「ちょっと野暮用でな、遅くなった。ごめん、身体中に電流走ってるぞ」
 声の主、髪の毛が淡い水色でロングの少女の姿をした妖精で私のパートナーであるテイルは心配そうに私を見るのだった。