複雑・ファジー小説

Re: 非日常の日常 ( No.2 )
日時: 2016/03/11 19:11
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

「なにしてんだお前」
 私の行動すべてに驚いているのだろう。約30センチの妖精ぬいぐるみは、一歩私から遠退いた。
「何って、武器に力をチャージしているのですよ」
 淡々と真顔で私はやることをやりながら妖精の問いに答える。
「んでもそんなことしたらお前武器が闇の力に飲まれるんじゃないのか?」
 闇の力とは、簡単に言うと私が敵対している者たちの力だ。
「飲まれませんよ。ちゃんと光に、私の体に害がない形に変えてからチャージしてます。ほら」
 ぬいぐるみを安心させるように少しだけ私の武器、刀を地面から離す。そこには黒の液体がキラキラとした金色に近い液になって武器に吸い込まれているのがわかる。
「ほんとだ。というかさお前」
 私に純粋に疑問をもったのだろう、ぬいぐるみがずいっと私に近づいてくる。
「なんですか?」
「なんでこんな上級テクが出来るのにあんなにも弱いんだ?」
 私の力は雑魚のモンスターでも倒せるか倒せないかぐらいのものしか持ってない。物理で倒せるのなら普通で倒せるのだが、それはまた別の話。
「知らないです。さあ、武器がすべて力を吸いました。早くいきますよ。あの方たちを助けないと」
 私は話をそらした。
「ああ、そうだな」
 ぬいぐるみは私の話に乗ってきた。本当にこいつは単純なので楽だ。