複雑・ファジー小説

Re: 非日常の日常 ( No.6 )
日時: 2016/01/27 08:49
名前: ろろ (ID: rBo/LDwv)

「たぶんここら辺なんですがね。どこでしょうか」
 私が地図を見て、辺りをきょろきょろと見渡す。
「道間違ったか?」
 ぬいぐるみが私が持っている地図を見る。
「うーん、そうかもしれませんね、くっ! この地図ほとんど目印なかったのに進んできたのがこんなところで仇になるとは・・・・・・! こんなことは初めていった大型ネズミランドで地図を持たされずに廻れと言われて廻ったときと同じです!!」
「そのあとどうなったんだ?」
 興味を持ったみたいだ。私は顔を暗くしながら答える。
「迷子になりました」
「お疲れさま」
 ぬいぐるみに同情された! これは少し屈辱!
「まぁ、とにかく少し戻ってみましょう、そしたらなにかわかるかもしれませんし」
「だな」
 私たちは少し道を戻る。そして地図を見ながら歩を進める。そして、気づいたことがあった。
「あれ? おんなじところぐるぐるとしてませんか、私たち」
「いや、まっさかー! そんなわけ無いだろ?」
「とりあえず目印作りますか」
 私は爆弾を取り出す。
「あっ・・・・・・」
 ぬいぐるみは察した。
「えい」
 投げた。壁の一部が壊れる。といっても威力は小さめにしたので壁全部は吹っ飛ばない。本当に目印程度だ。
「ほんとに凄い目印だな」
「さぁ、行きますよ」
 私はなにもなかったようになにも破壊していないようなそんな顔つきで淡々といい、地図を見ながら歩き出した。
「お前本当に怖えぇよ、なんでそんな淡々としてられんだよ、そろそろ感心し出したよ」
 そんなこと言いながらぬいぐるみはついてきた。
 そして、
「あるな」
「ありますね」
 私が爆破した壁が見えた。
「同じことろぐるぐるまわされてたな」
 ため息混じりにぬいぐるみがいう。
「やはり目印をつくって正解でしたね」
「いや、お前が作った目印は少しやりすぎだぞ」
「でも、お陰でわかったしいいじゃないですか」
 私はにこにこしながら刀を出す。
「は? お前なにしようとしてんの?」
「これ、見てください」
 私は刀で自分が爆破したものをさしながら言う。
「少し、修繕してあります」
「あ、そういえばもう少し爆破した箇所が小さくなってるな」
「ということは?」
 私は誘導尋問をする。
「ということは? ・・・・・・あ、」
 ぬいぐるみはわかったようだ。
「そう、敵がこの様子を見ている。ということです。ですよね」
 私はある場所を見る。その視線の先に写った影は演技かかった声でこう言った。
「あーあ、バレちゃった」