複雑・ファジー小説

Re: 非日常の日常 ( No.7 )
日時: 2016/01/08 22:11
名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)

「ばーれちゃった、ばーれちゃった」
「・・・・・・道化師か」
「そうですね、とても厄介な相手です」
 道化師とはピエロのような格好をしたもの。悪魔と契約した魔界のもの、元の自我はなく、ただ、自分の快楽のためにいきる道化、外道だ。
「あらあら、そんなに僕を睨み付けないでおくれよ。僕は道化師。相手を騙したり、悪戯するのが好きなんだ」
「知ってます」
 演技かかった言動が少々ムカつく。
「おーや、冷たいねー! そんなに冷たいと彼氏とかできないぞー?」
 “道化師に勝つ方法は”
「? 別にそんなこと無いと思いますが」
 私は首をかしげる。
「!? まさか、いるとでも!?」
 “道化師を騙すこと”
「どうでしょうかね、まぁ、現れてくれてありがとうございました。いきますよ、ぬいぐるみ」
 私は歩き出した。
「!? え、なんで」
 ぬいぐるみが驚いている。それもそうだ。私はなにもしていない。道化師を騙しただけだ。ばれないように。私は説明する。
「道化師を見た時点で道化師がかけたトラップは解除されています。今のうちに行きますよ」
 道化師を騙すことは言わない。言ったら、終わりだ。
「な!? 君、なんでそんなこと知ってるの!?」
 道化師も驚く。面白い。
「魔法少女になっても弱いのだったら知識とかで勝つしかないではないですか。では、さようなら」
 あ、ちなみに道化師を騙すと道化師は消滅する。だから目をそらし、道化師がいたところに目を向けると道化師の姿は何処にもなくなっていた。
「道化師がいなくなった!? おい! 気を付けろ!」
 ぬいぐるみはあわてている。私は落ち着かせるために今私が何をやったのか説明する。
「大丈夫ですよ、道化師は消滅しました。道化師は騙されると消滅するんですよ」
「は!? 聞いたこと無いぞそんなこと!」
「私の情報網なめないでください。行きますよ、もうすぐです」
 私は歩きだす。あと少しで家に帰って寝れると信じて。