複雑・ファジー小説
- Re: 名前のない怪物 〈ラジオ始めたってよ。〉 ( No.34 )
- 日時: 2016/05/01 19:34
- 名前: ルビー ◆B.1NPYOoRQ (ID: kkPVc8iM)
合歓さん
更新が遅いながらもなんとか頑張りましたw
ラジオは不定期ですが気長に待っていただけると嬉しいです。質問ありがとうございました。ぜひ使わせていただきます。
更新頑張ります!
——
「失敗作ぅ!? 性転換の薬だなんてpi○i○の中でしか聞いたことないわよ」
「喚くな! ……まさか失敗してしまったとは」
記憶に関する試作品の薬が失敗した、と蛇腹(♀)は言った。その言葉に華南(♂)は驚愕の声を上げる。
そんな彼女(彼)に蛇腹は鬱陶しそうに叫ぶ。だが、彼も薬が失敗したことが未だ信じられないのか、顔は苦虫をつぶしたような表情になっている。
「性別が変わるだけでこんなに違うのか。驚き」
「というよりなんで社長は全然姿変わってないんですか。煙結構吸ってましたよね」
「さっきの煙の臭いは菌やウイルスを媒介して使ったようなものだったでしょ。……それなら既に病という先約がいるからそんな甘ったれた薬効かないんですわ」
「……シャチョーさんまじゴメン」
蛇腹は怪訝な目で夜明を見る。そんな彼(彼女)に夜明はブラックな雰囲気を出し、考えを述べると華南はとても心が痛くなった。
そして同時に早くこの状況を打破しようと考えていた。
「煙はなくなったとはいえ……別室にも結構行っちゃったはずだからシャチョーさん見てきてくれない? 私たちこの薬の特効薬作んないと」
「すみませんね、社長」
「オーケー任せといて。そして頑張れバラ子にカナオ」
そう言って夜明はダッシュした。背後から「バラ子って何!?」という叫びが聞こえたが、敢えて無視をした。まず行くのは訓練場。気が付けば月雲と結廻がいるからだ。
さっき2人がいた部屋とはそう離れていない。走って30秒ほどで辿り着いた。
「月雲ー。結廻ー。生きてるー?」
「あらぁ、社長。聞いてくださいな、月雲ちゃんったら女の子になっちゃったんですよぉ」
「それは君もだろ? 結廻だなんて物○シリーズの神父みたいになっちゃってさ」
2人の姿を見て夜明は表情を変えないながらも絶句した。そして思ったのは「お前らもか」ということだった。案の定、月雲と結廻は性別が逆になっていた。月雲は黒髪ロングヘア—の美少女、結廻は少し髭の生えた黒い衣類を身に纏った神父になっていた。
もちろん声も男性らしいものと女性らしいものに変化している。
その姿は最早……。
「誰だよ」
「いやですわぁ社長。私ですよぉ」
「眼科行ったほうがいいんじゃない夜明」
「めんどくさいことになってきたな」
夜明を小馬鹿にするような口調をする2人。夜明はすべてを放棄したくなった。だが、立場上仕事を放棄するわけにもいかない。
この2人に理解できるかどうかはさておき、事情を説明することにした。説明が終わると月雲は「へー」と対して驚いた表情を見せずに相変わらずのニコニコ笑顔でこう言った。
「トイレとかどっちに入ればいいのかなぁ」
「それは女性用のトイレよぉ、月雲ちゃん。でも私、男性の用の出し方わからないわぁ」
「え、普通にピー抑えて用を足せばいいだけだよ」
「お前ら管理人から苦情来たらマジぶっ殺すからな」
夜明は2人を死んだ目で睨む。
だが、試練はこんな程度では終わらない。それがわかっている夜明は明後日の方向を向いた。