複雑・ファジー小説
- Re: 純白のサスペスト ( No.10 )
- 日時: 2016/04/21 00:05
- 名前: いんばーす (ID: s9PJfNZh)
一章 純白のサスランス
十話 背後
サスランスは、絶望を、生きていて初めて味わった。
動けない状態から死の穴へ突き落とされる---
恐怖以外の何物でもなかった。
「ヒッ…」
彼の臆病スキルが発動し、能力を使う気にもなれなかった。
「クソがっ!!!」
ヤバルはバッと起き上がった。
「やはりヤバル…気絶していたフリだったか。私の方が一枚上手だったようだな…しかし!!!今1秒足らずで私を殺しても、サスランスは助からん!!!!」
「…その必要はない…俺はあのまま気絶したままで良かったということだな。」
「何をぬかしてやがる!サスランスは死んだ!!!なぜ何一つ動揺せずにいられるのだ!!!」
「…」「…」
「バリスさーん!どこに行ったんだ?」
店員が紳士服の男を呼ぶような声が聞こえた。
「貴様は今は生かしておいてやろう…またいつか、私の『奈落』の住民を増やさせてくれることを期待するよ。」
バリスと呼ばれた紳士服の男が振り向いた瞬間、彼にとっての絶望が目の前にあった。
「よおやく、気づいたようだな。」
「何!!サスランスと影人…サスランスは『奈落』に落としたはずだぞ!!!」
「できれば、俺の真の能力をニホンにつくまては見せたくなかった…お前は相当なやつだよ。」
「『次元掌握』の真の能力…だと?」
「バレていないのなら、言う必要はないな…」
「…まさか!!!サスランスをも視界から消したのか!?」
「察しがいいじゃあねーか。ご名答だぜ。」
「あとお前、後ろに対する危険性がないな。ほら、今も…」
「今更避けようとしたって…遅い。」
「ハデにやっちまうか!」
「ああ。」
「オラぁ!」
サスランスとヤバルが拳を突き付けようとした瞬間、
ガバッ。
「「何っ!?」」
「遅いわけではない!!!空間に穴を作成させる事もできるのだ!!!かかったな!!!油断した貴様らの失態だ!!!またどこかて会おう!!!次はまとめて餌食にしてやるわ!!!」
「「後ろに対する警戒心が…全くないな。」」
バリスは、真後ろにたっている影人の存在に今やっときづいた。
「お前のような強力な能力者を…放っておくわけにはいかんな。」
ゴッ。
「ぐぬぬうあああ…うぁが。」
「危なかったな…」
「ああ。やられるところだった。こんな能力者が立て続けに来るようじゃあ、溜まったもんじゃないな。」
「まだあと1時間10分ある。別の店にでも行くか?」
「そうだな。」
「これでまた次の刺客に会ったら泣けるな。」
「それはないと心から願いたい。」
彼らは何事もなくアルゼンチン専門料理店で昼食を済ませ、飛行機に搭乗するのであった。