複雑・ファジー小説

Re: 純白のサスペスト ( No.11 )
日時: 2016/05/02 23:25
名前: いんばーす (ID: P/D0CuiW)

一章 純白のサスランス
十一話 空気壁

「やっぱ飛行機は快適だな。ソファもふっかふかだぜ。」
「ここで追っ手に遭遇したらたまったもんじゃないぜ。」
「それフラグじゃないの?」
「怖いこと言うなよー。」

1時間後、飛行機はパナマ運河上空を飛んでいた。
ドオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!
「なんだ!?」席が外側のヤバルはバッと起き上がり外を見た。
「何だこれええええええええええ!???」
「ヤバル!!どうなってる!??」
「飛行機が空中に突き刺さってる…!」
「はあ!?」内側にいるサスランスは外を見ようと起き上がったが…
「いってえ!!!何だこれ!!!」
「どうした?サスランス?」
「俺の頭上になんかあるぞ!」
「何もないぞ?何言ってるんだ?」
「あるって、何かあったんだよ!!」

「何か空気の壁がつくられているようですね。飛行機もその壁を当てて突き刺したのでしょう。」
「誰だお前は?」
「貴方達と同じように日本を目指す能力者ですよ。」
「まだ事実かは分からない。警戒心をゆるませるなよ。」
「ちゃっちゃと敵倒したら信じていただけますかね?」
「『全魔波動』!!!」
「チッ…いねえ…感じられるのはこの三人だけか…」
「お前…どういう能力だ?」
「ああ、あなた達も見えるようにさせてあげましょう。」
ハッ…
「人から何かが出ている…?」
「その人の能力の強さがわかります。能力持ってない人は微量しか出ませんよ。」
「俺は能力者の位置が分かったぜ。」
サスランスは立ち上がろうとしたがーーー
「いって!!また空気の壁にあたった!!!」
「それ壊せないのか?」
「その考えはなかったな。『両腕増強』!」
「ウラァ!!」
ドーン!
空気が破壊された感じがした。
「ナイス、ヤバル!」
もう一度サスランスが立ち上がろうとしたが…
「いって!!また当たった!!!」
「再生成されてる感じですね。常に破壊し続けないと。」
「ウラウラウラウラァ!!!」
ドンドンドン…
「いいぞヤバル!立てたぜ!!!」
「ヤバル、どこにいると睨んてるんだ?」
「運転席さ。きっと敵は近いはずだし見えていないならそこしかねえよ。」
「サスランス!ちょっとそこでストップ。」
「なんだ?」
「ウラァ!!!」
「ぐぼあ!!!何すんだてめえ!!!」
「これで運転席まで空気の壁を破壊しながら飛んでいけるぜ!」
「…運転席は逆ですよ?」
「えっ?嘘?」
「運転席は向こうだ。ったくもう…」

「死ぬとこだった…何しやがる!!」
「いやあごめん。行けそうな気がしてさ」
「あとでぶん殴る!」
「早く敵倒さないと飛行機爆発してもおかしくないですよ…?」
「嘘だろ!?」
「その心配はない。能力者自身も死ぬぞ。」
「もし自分の周りに空気壁を何層も積んでたら防がれるかも知れないですよ?」
「…っ!」
「おいサスランス!早く運転席行くぞ!」
「ちょ…殴り飛ばすなよ!?」
「もうやらんから大丈夫だ!」
「安心できん…」