複雑・ファジー小説
- Re: 純白のサスペスト ( No.13 )
- 日時: 2016/05/13 21:44
- 名前: いんばーす (ID: P/D0CuiW)
一章 純白のサスランス
十三話 墜落寸前
「おお!何故分かったんですか?」
「企業秘密だ。」
影人は嬉しそうに言った。
「うおおおおお!!!」
ヤバルが起き上がった。
「よお。」
「あいつどこいった!!!あいつは!!!」
「その辺に倒れてるだろ。何発かぶん殴っているから。」
「うおおおおおお!!」
「さて...と。どう脱出しますかね。」
「今この飛行機はどういう状態なんだ?」
「まだ空気壁に支えられています。もうじきその空気壁も消え墜落するでしょう。」
「乗客は救出するか?」
「正直負担がかかるだけなので捨てていきたいんですが、飛行機から生還した私たちが真っ先に犯人とみられるかもしれません。最低でも半分くらいは救うべきでしょう。」
「と言ってもなぁ...サスランスもヤバルも俺も救出できるような能力ではないし...」
「そう言えば彼の能力を聞いていませんでしたね。サスランスって人かな?」
「自分がその行動を起こした時の未来が見える。説明難しいなこれは。」
「大体はわかりました。面白い能力ですね。」
「どうにか救出できないものか...」
「おい、CA。緊急パラシュートみたいなものは無いのか。」
いつの間にか起きていたサスランスが尋ねた。
「ないです。あったとしてもドアを開けた瞬間気圧の差で機体がバラバラになります。」
「クソっ!どうにかして脱出できないのか!」
「ここは運河の上ですけど、墜落するまでに陸地にたどり着けますか?」
「まだわかりません...機長は殺されてしまっていますし、私たちCAからは何も言えないです。」
「さすがCAだな。機長が殺されても冷静な対応とはな...」
「この機体は今どう静止しているんだ?」
「多分空気壁の床にめりこんでいると思います。」
「まじいな...」
「...あ」
「どうした?」
「私の魔力弾丸を濃縮して墜落寸前の飛行機に当てれば...」
「飛行機が壊れちまうぞ。」
「そこは調整です。この空気壁にめりこんでいるのと同じようにすれば...」
「やめろ!可能性が低すぎる!!」
「...あなたは打つ手があるんですか?」
「ねえよ。ただお前のほんのわずかの可能性にかけるなら、もっと作戦を練った方がマシだ。」
「納得できませんねえ。」
「は!」
「おや?思い付いたんですか?」
「ああ。極悪非道の作戦が一つ...思い浮かんだ。」