複雑・ファジー小説

Re: 純白のサスペスト ( No.8 )
日時: 2016/04/19 23:16
名前: いんばーす (ID: sq.MYJuj)

一章 純白のサスランス
八話 無力

「今から、悪からの刺客となった弟を消し去るのになんの罪悪感もないぜ!!」
「へえ...やってみろ!」
ドンドン、ドンバァン、バァン、
力は一向に互角で、戦況は変わらない。
「ふぅ..ハァ...」
「お前は『遺伝』された側だ。しかし俺は『雷』を受けた『遺伝』させた側だ。能力の値は『雷』を受けた俺の方がたかイィィィイィィイ!!」
バァン、バァン
「クソッ、まずい...押されている...」
「そろそろ止めを刺すとするかぁ!ヤバル!!!!」
「ヤバい、このままじゃ...やられる!!!」
ボロボロの腕でヤバルは自分の体を20mくらい押し上げた。
「ふんッ!!!」
爆破された空港の床の残骸をサバルに向かって投げつけた。
「肉弾戦は諦めたか...しかしそれも無力だぜえええええ!!!」
サバルも自分の足で地面を蹴り跳躍した。
「無力だァァァアァア!!!」
投げつけられた床の残骸を思いっきり蹴り飛ばした瞬間---
「無力な行動など、俺の戦いには存在しねえよ!!!」
横の壁を殴って向きを反転させ、ヤバルはサバルに向かって行った。
「今起こした貴様の行動が無力なんだよォォオォオオオオオオオ!!!」
「お前は『詰み』になったことにまだ気づかないのか?」
サバルの目の前に来る寸前でヤバルは減速し、下へ落ちていく。
「なっ---」
瞬間、上からさっき蹴り飛ばしたのとは別の床がサバルの上に落下する。
「何イィィィイィィイ!!??」
上から降る床にぶち当たって下へと落とされて行く。
「そのまま落としてたまるか!!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンバァン!!
下に落ちてくるサバルを思いっきり上に飛ばし---
落下中の床にぶち当たり砕けた。
「能力が上回っていようが、頭がないと意味が無いんだぜ...?」

「そういえばコイツ、能力の雷とか、遺伝とか関係ありそうな事を言ってたな...まあいい。そろそろアイツらも帰ってくるだろう。
お前の戦う姿、チェックメイトの宣告を受けたのに抗おうとする滑稽な姿だったぜ。」
「おーい。終わったか?」
「ああ。ちと面倒な相手だったがな。」