複雑・ファジー小説
- Re: 不老不死は、眠れない。 ( No.20 )
- 日時: 2016/07/18 21:27
- 名前: 波坂@携帯 (ID: dY22Nade)
俺は気が付いた。
というか、インターホン連打されて気づかない奴はこの世にいないだろ。
「オイコラなに人ん家の前で居座ってやがる」
俺ん家の前に居座るのは昨日散々喰われてけなされて心も体も傷だらけにされたかわいそうな俺に捨て犬みたいな目線を向けてくるヤマンバちゃんだ。自分でかわいそうなとかいう形容詞使うなよ俺。
「だ、だってその……」
はぁ?何が言いたいんだコイツ?
因みに言っておくけど俺に幼女趣味はありまっせぇーん。ついでに言うとどこぞの主人公みたく鈍感でもありまっせぇーん!
「……喋るの久しぶりだったし」
「ん?そういやお前仲間いねぇのか?」
やーい!ぼっちぼっち!(盛大なブーメランである)
「うっ……」
ハイぼっちぼっち!ヨウカーイヨウカーイヨウカーイボッチッチ!
「喋るのが嬉しいとか結構重症だろそれ。
てかなんでお前俺ん家知ってんだ?」
「……あの人に教えて貰った」
ヤマンバちゃんが指を指した先には一人の人影。
雪っつーか青白い肌。煌めく金色の頭髪は長く肩に掛かっている。
全体的に細い体つきで手足も細長くスレンダーな印象がある。
……コイツ見覚えあるぞオイ。
「誰か知ってるのか化け物?」
化け物言うな妖怪。
まぁいい。教えてやろう。
「いいか。あいつは恐らく今年で500歳を迎えるであろうスーパー☆BBAの妖怪『ソプラん』ていう偉く年取った腐れババアで」
と、そこまで言って俺の体が謎の紅い閃光によって爆ぜた。
ぎゃぁぁぁぁぁぁあ!体が!焼けるっ!ほとばしる激痛!耐えがたい苦痛!そして燃え尽きるほどの痛覚!全部痛いで済ませればよかった!
「何しやがるソプラ!」
「貴方ねぇ……今自分が何を言ったか理解しておられて?」
?記憶力のねぇババアだなおい。仕方ねぇ。もう一回「もう一度閃光に身を焦がしてみる?」やろうかと思ったけどやっぱり迷惑だな!うん!
「……お前ら何をやって?」
ああ、ヤマンバちゃんはついて来れてないみたいだな。
「あー、ヤマンバちゃん。コイツの名前はソプラディア・エルネック。気軽にソプラんって呼んでねっ!きゃは☆」
じゅわっと俺の頬が蒸発した。地味に熱いな畜生。
「茨、貴方久しぶりに会ったと思えばソプラんだのきゃは☆だの……十回ほど殺してあげましょうか?」
きゃは☆の発音まで真似しなくていいだろそこ。
「ヤマンバちゃん。コイツはソプラディア・エルネック。前言った西洋妖怪の吸血鬼って奴だ」