複雑・ファジー小説
- Re: 不老不死は、眠れない。 ( No.24 )
- 日時: 2016/08/19 21:00
- 名前: 波坂@携帯 (ID: ZTqYxzs4)
「初めに言うが、俺の部屋で流血沙汰は無しだ」
あのあと、ソプラは俺の内蔵を撫でるという過剰どころじゃねぇ過激なスキンシップをしてくれた。どうしてそこまで俺の部屋に入りたがるんだ。
仕方が無いので許可してやると、俺を引きずり部屋の中に放り込みやがった。
クソBBAめ……いつかゾンビ戦法で復讐してやる。貴様に不老不死の体の使い方を教えたのが誰か思い出させてやる。……歳が1000歳以上離れてる奴を襲うとか俺クズだ……。
「お前私のこと何だと思ってんだよ」
「道端で見知らぬ奴に壁ドン顎クイからの貪るように襲うロリ」
言っとくけどこれ事実だからな。
「うっ……」
押し黙るヤマンバちゃん。ざまあ見ろ!俺を助けてくれなかった恨みだ!(自業自得)
「あら、私もそれに含まれて?」
「問題!先程俺の体を焼き、頬を蒸発させた上に、壁に投げ付け揚句の果てには内蔵を撫でるなんていう未成年には刺激がリアルな意味で強すぎるスキンシップをしたのはだれーれだ!」
「……誰の事かしら?」
このBBA……許せん。日光降り注ぐ綺麗な海に十字架に銀のワイヤーで固定した上でニンニクを口に捩込みながら沈めてやろうか……。
「……てか吸血鬼ってガチで鏡に映らねぇんだな」
置いてある小さな円盤状の鏡に映ってんのは、俺とヤマンバちゃんだけ。
「迷信かと思っておられて?」
ぶっちゃけ学校行ってねぇから科学とかわかんねぇんだよな俺。
「……てか、なんでお前ら来たんだよ。ヤマンバちゃんは寂しかったとして‥‥バ……ソプラはなんで?」
「ち、違う!別に寂しくなかったぞ!」
ヤマンバちゃんはスルーしてソプラの方に顔を向ける。
ソプラは無駄にカッコつけて、カップで紅茶を飲むかのように、百均で買った安いコップで麦茶を飲んでいる。なんか痛々しいなコイツ。
「今、BBAって言おうとして?
……暇になった。それだけよ」
……お前、またかよ。
ソプラの種族はぶっちゃけよく覚えていないが、確か強い再生力を持っているために寿命で死なないらしい。
つまり、やることが無くなるんだよ。
「……確か、前来たとき俺がふざけて『でかい屋敷建てて富豪にでもなれば?』っつったの丸呑みにして帰ったよな?あれは傑作だったが……やめろ。そのコップはお前の全力投球により凶器と化すんだ」
「……まあ許してあげてよ。
建てたわよ。そこらの富豪よりも大きな屋敷を、ね」
……そういやコイツさっき平然と札束扱ってたもんなぁ。くそ、上流階級のブルジョアめ。こっちはロクに楽しみもねぇ様な『ばいとぐらし!』だっつーのに。ここには夢もちゃんとねぇよ。
しかし、コイツはまた暇人クソニートになった訳だな。やーい!ニートニート!(本日二回目のブーメラン)
「……てかお前死ねない事は無いんだし……なぁ」
と、俺が口にすると、俺の頭に手がスッと伸ばされ、俺の額をデコピンで叩く。
ドゴォォン!とかデコピンの音じゃねぇ……。デコピンで人を吹っ飛ばすとかパネェ。
「……貴方より先に死ぬのは私のプライドが許さなくてよ?」
そういやコイツ、プライドはすげぇ大事に扱ってんだよなぁ。
まあ、吸血鬼みてぇな不老の存在は死ぬ原因の大半は精神的なものだしな。
「大丈夫か?」
ヤマンバちゃんがちっちぇ手を貸してくれる。
一瞬、逆に引っ張って弄ってやろうかと思ったが、ヤマンバちゃんって妖怪だから力強ぇ…………俺、一番年上なのに一番腕力無いの?
「……てか、なんでお前ら一緒に来てんだよ」
「単に、貴方にはずっと索敵用の使い魔を付けてるから居場所なんて一発でわかってよ。
この娘も貴方を探していたから、つい教えてあげちゃったのよ」
「貴様ぁ……使い魔とはどこにいる」
このストーカー野郎め。
「あら、貴方の目の前に飛んでいてよ?
最も、サイズは髪の毛の直径より小さいけど」
……え?マジ?俺が今までやってたこと筒抜け?
「いつも見てた訳じゃないけど、貴方のアンパ〇チには笑わせて貰ったわ」
「アァァァァァァンパァァァァァァァァンチ!」
もう流血沙汰とか知るかぁ!俺の持つ最大攻撃力を持ってして、バイキン〇ンの鉄の円盤を推定20km吹き飛ばす、マッハ2で繰り出されるアンパ〇チを喰らえ!
「きゃああああああああ!」
「「「え?」」」
なんかドアの外から悲鳴が聞こえた。
ドアを開けて、それの正体を一秒で理解した。
「……ソプラ。お前のスキンシップの残骸があるぞ」
俺の部屋は壁際の部屋なので、すぐ横に階段があるがーーーー、階段は血の海になっていて凄く鉄の臭いがキツイ。
……あれ、ソプラのスキンシップのせいだ。めっちゃ血ぃ出たしな。
ソプラを横目でチラッと見ると、軽くため息をついて、一言。
「殺るしか無くてよ」
アホか。ここは年の功とやらを見せてやる。
「埋める場所を決めるのが先だ」
「お前達の考え世紀末過ぎるぞ」