複雑・ファジー小説

Re: 不老不死は、眠れない。 ( No.27 )
日時: 2016/08/25 22:48
名前: 波坂@携帯 (ID: ZTqYxzs4)

まあ、なんだかんだで二週間が経った。
ヤマイバちゃんは相変わらず俺の肉をちぎっては喰いちぎっては喰いを繰り返し、ソプラは俺の血を吸っては飲み吸っては飲みを繰り返していた。
結論「俺のライフはもうゼロよ」
正直、俺の心はズタボロだ。ズタズタに引き裂かれた上でボロボロにされてるんだ。ここ重要。
ソプラ曰く、吸血鬼は人間の血以外も食えない事はないが、生命力的なものを得る為にはやはり人間の血が必要。俺厳密には人間じゃねぇけど?
ヤマイバちゃん曰く、人喰い妖怪だから、人以外を喰っても生命力的なものは満たされないらしい。不死身の俺はいいのかよ。
俺曰く、爆ぜろ貴様ら。

「ああ〜どっかに陰陽師でも居ないかな〜」

俺がふざけて言った台詞に反応したかのように、インターホンが鳴る。
多少面倒臭いと思いつつドアを開ける。
そこに居たのは……………え?

「済みません。白崎というものです。ここに妖怪は居ますか?」

すっと白い髪を伸ばした若い男が俺に尋ねる。いやがっつり居るけども。
コイツ、なんか神主みてぇな服装してやがるし……マジで陰陽師来ちゃったよ。ヤベーよ!

「べ、別に妖怪なんて居ないんだからねっ!」

「気味が悪いです」

……ふっ。ツンデレの良さが分からんとは所詮二流よ。…………俺、何やってんの?

「てか妖怪?なんだそれ?」

ここは安全策としてシラを切っておく。
だって……バレたらヤマイバちゃんとソプラが追っかけ回されて退治されて、俺の部屋に平穏が戻るだけじゃ…………言ってもいいかな。

「実はここには吸」

俺の背中に、一本のボールペンが刺さる。
しまった。ソプラには使い魔がいるから迂闊に言えねぇ……。

「きゅ?」

「き、キュートな女の子がいる!」

タキ〇ード仮面か俺は。俺はロリコンのつもりはないぞ。
……て待て。仮に俺が今現在誰か人間に恋するとしたら……歳が1800年以上も違う奴に恋するとか俺ロリコンじゃねぇか……。

「……あの大丈夫」

チィッ!こうなったらとことん引かせて帰らせてやる!

「いいかぁ!この部屋には見た目小学三年生と金髪の色気のある美女が住んでいて、毎日俺の貪り尽くしてくるんだぜぇ!俺の部屋には俺から出た液体が至るところに染み付いてるぞ!」

「……へ、変態だぁー!」

一応言っておく、嘘は付いていない。
見た目小学生三年生はヤマイバちゃん。金髪の色気のある美女がソプラ。毎晩どころか毎朝も喰われてるよ。体液?血液だ。
寧ろなぜ変態呼ばわりされるのか謎だー(棒)






「白崎、どうだ?」

「ありゃ居ますね。大妖怪の妖気を感じましたよ。天狗や鬼位はいるんじゃないすかね?」

「ほぉ…‥そいつを討ち取りゃ俺達も出世だ」