複雑・ファジー小説

Re: 不老不死は、眠れない。 ( No.6 )
日時: 2016/05/02 00:07
名前: 波坂@携帯 (ID: aBTAkqDJ)

その人と私は、気がつけば共倒れとなっていた。
私には目立った外傷もなく、足に少々ひびが入った程度だろうと思われるが、目の前の人は、そうはいかない様だ。
首は有り得ない方向に曲がり、頭から血を流すこの人は、あたかも糸の切れた操り人形の様に動かない。
だが、それも束の間、

「よっと」

この人は、起き上がると同時に両手で、軽快な音を鳴らしながら曲がっていた首を元の位置に、戻したのだ。いや、嵌めた。と言った方が近い表現だろう。
痛ぇ……。等と呟きながら、首を回して音を鳴らすこの人に、私は絶句するしかない。
教科書に、載せられる程に良くできた、絶句の例を見ながらも、私は救急車をよんだ。
しかしこの人は、それを嫌がったのだろうか、全力疾走で走り出し、吠えるトラックに弾かれた。スーパーボールの様に飛び、壁に激突、骨折れる。そしてそれをトラックが追い掛ける。耳を突き刺す刺激的な音。遅れて聞こえる女性の声。更に遅れてフラッシュの嵐。何が起こったのか、私にはいかんせん、理解できない様だ。
ただ、分かるのは、私は何かの[異形]とであった。その一つの事実だけだった。




どうも伏見茨だ。
早速だが俺はミッションインポッシブルでメニィフードをショッピングアンドバァイ…………要するに外に食料品を買ってくるってことだ。
ああ、本当に憂鬱な気分だ。『伏見茨の憂鬱』みたいな小説が数冊ほど執筆できそうな程に憂鬱な気分だ。書かないけど。
嫌だよぉ〜。外に出たく無いよぉ〜。…………完全にニート思考になって悲しくなったぞおい。
とは言っても仕方が無い。なぜかって?食料が尽きたんだよ!え?餓死しても蘇るだろって?知ってた?餓死って結構辛いんだよ?!
と、まあ俺の複雑な心境は片隅に置いて、さっさと食料をゲッツしてここに帰ってこようと思うんだが……外には相変わらずハエ(報道陣)がたかりまくってるからな……やれやれ、仕方が無い。

ベランダから飛び降りるか。
え?意味ないだろって?いや、意味あるんだよ?まぁ見てれば分かるだろ。
という訳で俺はミニスカイダイビング…………飛び降りる自殺の間違いじゃね?その程度で死なないけど名。とにかくベランダから飛び降りた。
そして俺は華麗なる着地をーーーー披露できず、顔面がアンパ〇マン見たいに広々とした感じになってしまった。顔?ちぎれるよ?人肉だけどな。嘘だよやらないよ。痛いし。
まあいい。いきなりの顔面地面ダイブと俺の某顔をちぎって子供に与えるヒーローの様な顔にドン引きする報道陣達の合間を縫う様に移動する。大丈夫。きっとスーパーにたどり着く頃には顔がいい感じに入れ替わってると思うから。