複雑・ファジー小説
- Re: 魔法伝説 七人の勇者 ( No.2 )
- 日時: 2016/04/16 23:49
- 名前: 魔夜 (ID: y88BZl/P)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode
いきなりだけど、私とお母さんはある路地裏にいる。
人通りは無くて、建物の影で周りは少し薄暗い。
何故、私達がいるのかというと……。
「明里、今から魔界へ行く為の扉を開けるけど、心の準備はオーケー?」
「うん、オーケー!」
ここにしか無い、魔界へ行くための扉を開く為なの。
今からあたしは迷信だと思われている魔法で溢れる世界へ行く。そう思うと、とてもワクワクする。
「じゃあ、魔界でも頑張って。応援してるから」
お母さんはニコリと笑ってそう言ってくれた。
そして、お母さんは目を瞑って、右腕を突き出すと、呪文を唱える。
「『我らを守る魔界の神よ、願いを聞け。今、魔法の子、雪島明里を魔界へ導く魔の扉を開きたまえ』!」
すると、目の前に紫色の煙が現れ、それが紫色の扉になった。
あたしはドキドキしながらドアノブに手をかけて扉を開ける。中は白い光で溢れていた。
入る前に振り返り、こう言った。
「じゃあ、行ってきます!」
お母さんは笑顔で手を降って
「行ってらっしゃい」
と言ってくれた。
あたしはお母さんの為に一生懸命頑張ろう。その思いを心の中に秘め、前を向いて扉の中に入った。
そこは全てが真っ白だった。周りを見渡しても何もない。
立ったままで、しばらくすると、体がふわりと浮いた感覚がした。その上、強烈な眠気も襲って来た。
あたしはびっくりしたが、その眠気に耐えられずに、そのまま寝てしまった。
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気が付いて目を開けると、寝てしまう直前までいた扉の中の白い世界では無い所に立っていた。
周りを見てみると、高い木が沢山立っていて、あたしの目の前には学校の茶色い校舎の建物があった。
お母さんが扉の向こうに着くときはこんな場所だって言ってたから、ここは夢の世界、魔界。
と、色々考えに浸っていた所に、
「ねえ、君遅れるよ」
誰かに肩を叩かれて我に返った。
お母さんに貰った腕時計を見てみると、八時二十五分。後五分で入学式が始まる。どこかの誰かさんが肩を叩いてくれなきゃいきなり遅れる所だった。お礼を言おうと思って振り返ったけど、その恩人はもう居なかった。
とりあえず心の中でお礼を言いながら、あたしは急いで校舎へ走った。