複雑・ファジー小説
- 第一章 「世界の旅人さん」 ( No.15 )
- 日時: 2016/04/18 18:16
- 名前: 花月 (ID: WGarmeYs)
最終話 (2)
その時、僕たちは耳を疑った。
シエル「え…? 組織長、今何て…?」
組織長「あぁ。 異世界で、マモノ討伐の依頼が来た。 シエル、エトワール、お前たちがやって来い。 組織長からの命令だ」
僕たちが…? なんで…?
シエル「えっと… どうして、僕とエトワールなんですか?」
組織長「まぁ驚くのも無理はないだろうな。 シエル、お前の成績なら、プロも顔負けレベルだ。 エトワールは修行として、シエルについて行け」
エトワール「え… は、はぁ…」
僕もエトワールも混乱している。 だって、組織長室に呼び出されて、いきなり「異世界に行け」なんて言われたら、誰だってびっくりするよね。
組織長「頼む。 異世界の為なんだ。 命がかかっているんだ。 行ってくれないか?」
教官「俺からも頼む。 シエル、エトワール、異世界の民を救ってくれ!」
シエル「え、 えー…」
エトワール「えっと…」
ずるいよ。教官まで頭を下げられちゃ。
でも、このままじゃ異世界の人たちの命が危ない。
シエル&エトワール「…御意!」
僕たちは引き受けることにした。
組織長「あ、あと、もう1人誰か、頼れる人も連れて行け。 でも、俺や教官はよせよ?」
シエル&エトワール「御意!」
その後、
シエル「ねぇ、あと1人、一緒に行きたい子がいるんだけど…」
エトワール「え? 誰なんですか?」
シエル「えっとね、魔導学院の、ヴォアっていう子!」
エトワール「おー、聞かない名前ですけど、強い方なんですか?」
シエル「うん! ほら、この前のマモノ討伐の時、1人だけ頑張ってた子いたじゃん? その子だよ!」
エトワール「えぇ!? あの方と知り合いだったんですか!?」
シエル「んーとね、昔、会ったことあるんだ!」
エトワール「そうなんですか… なんか、運命感じますね…!」
シエル「運命かぁ…確かにねー」
エトワール「で、その方に頼むんですか?」
シエル「うん!」
エトワール「あ! じゃあ、行くのいつにしますか?」
シエル「そーだなー…じゃあ、明後日の午後、休みだから、そのとき行こっか!」
エトワール「はい!」
シエル「あ! 訓練始まっちゃう! 急ごっ!!」
エトワール「あ、はい!」
こうして僕たちは、異世界のマモノを討伐することに決め、張り切って訓練に参加した。
そして、明後日の午後!
今は魔導学院の昇降口前で、ヴォアを待っている。
緊張するなー…
シエル「あ! ヴォアー!」
エトワール「あ、えっと、こんにちは」
ヴォア「…?」
シエル「あれ!? どうしたの!? その怪我!」
ヴォア「…この前の…引きずられた時の…」
シエル「やっぱり怪我してたの!? なんで言わなかったの!?」
ヴォア「…余計な心配かけたくなかったから…」
シエル「やせ我慢しちゃだめだよ! いつものヴォアみたいに、はっきり言わなきゃ!」
エトワール「い…痛そうです… お気の毒に…」
ヴォアは顔にばんそうこうを貼ってて、両もも包帯を巻いていた。
許さない。 あのいじめっ子たち。
シエル「あ、ヴォア、この子は僕の後輩のエトワール。 礼儀正しくて、いい子なんだ」
エトワール「エトワール・グランです。 よろしくお願いします」
ヴォア「…」
シエル「あのねヴォア、今日は君にお願いがあって…」
ヴォア「…?」
異世界の事を全てヴォアに話して、ちゃんとお願いをした。
すると、
ヴォア「………」
シエル「…ヴォア?」
エトワール「ヴォアさん…?」
ヴォア「学院長に…聞きに行こう…?」
シエル「…!! うん!」
エトワール「…!! はい!」
ヴォアはOKしてくれた。 あとは、学院長さんだ。
僕たちは校内に入った。 もちろん、教官さんの許可をもらって。
他の生徒に見つからないように行くことにした。
見つかったらめんどくさい事になりかねないからだ。
シエル「結構中も広いねー」
エトワール「先輩っ!(小声)」
シエル「ん?」
ヴォア「うるさい」
シエル「あ、ごめん」
なんとか無事に、学院長室にたどり着いた。
ヴォアがドアをノックする。
すると、
学院長「どうぞ」
中から綺麗な声が聞こえた。
学院長さん声綺麗だなー…
ヴォアがドアを開けた。
ヴォア「…失礼します」
シエル「失礼しまーす」
エトワール「し、失礼しますっ」
ヴォアに続いて僕たちも部屋に入った。
豪華な壺とか、とにかくすごい物がたくさん飾られていた。
そこに、大きな机の前で、椅子に座った、ちょっとシワが出た女の人がいた。
学院長「…? あなた達は…確か…」
シエル「少年自衛団の、シエル・クレールです! で、こちらが僕の後輩の…」
エトワール「エ、エトワール・グランです…」
学院長「あら、自衛隊の方達でしたか。 こんな所まで、どうなさったのですか?」
シエル「えっと、かくかくしかじか…」
学院長さんにも、異世界の事を全て話した。
シエル「っていう事なんです」
学院長「そうですか…異世界にまでそんな事が…」
エトワール「あ、あの! お、お願いがあります!」
学院長「?」
珍しくエトワールが言い出した。 ちょっと驚き。
エトワール「そ、その… ヴォアさんも、異世界に連れて行きたいんです! お願いします!!」
エトワールが頭を下げた。
いつもはちょっと弱虫で、焦りがちなエトワールが、学院長さんにお願いをした。
やればできるじゃん。エトワールも。
シエル「僕からも、お願いします!!」
僕も頭を下げた。
すると、ヴォアが学院長さんの机の前に立ち、
ヴォア「お願い…します…!」
頭を下げた。
ちょっと小さな声だけど、命をかけたような、強い響きだった。
学院長「そこまで言われてしまっては…仕方ありませんね」
学院長さんが立ち上がった。
そして、
学院長「シエルさん、エトワールさん、…ヴォア、必ず…必ず生きて帰って来て下さい」
シエル&ヴォアエトワール「…………!!!」
「はい!!」
僕たちははっきりと返事をした。
これで…これで異世界の人たちを助けられる!!
僕は心の底から嬉しかった。
そして、その1週間後…
シエル「二人共ー! 待ってぇーー!!!」
ヴォア「…遅い」
エトワール「あ! 先輩、すみません!!」
今日はいよいよ出発の日!
だけど早速遅刻しちゃった! えへへっ
組織長「シエル、エトワール、お前たちのその知識と技術が、今後のこの村の伝説となるだろう。 くれぐれも、元気でな」
シエル「はい!! ありがとうございます!!」
エトワール「組織長も、お元気で!!」
組織長「あぁ!」
学院長「ヴォア、困った時は、すぐにあの方達に相談するのですよ。 お二人共、とても良い方達です。 素晴らしい仲間を見つけましたね」
ヴォア「…学院長……」
いろんな人から見送りの言葉を貰って、
そして、そろそろその時がやって来た。
エトワール「あ、異空間が大きくなってますよ!」
シエル「あ!本当だ!!」
ヴォア「…もう…そんな時間なんだ……」
僕は、みんなの方に振り返って、笑顔で言った。
「ありがとう! 行ってきます!」
そして僕たちは、異空間へ飛び込んだ。
シエル「…? ここは…?」
エトワール「…森、ですかね?」
ヴォア「森…」
どうやら異世界には行けたようだ。
だけど…
シエル「なんか…やけに木が多くない?」
ヴォア「…そんなもんでしょ」
エトワール「うーん…本当に、異世界なんですかね…?」
森だから、異世界なのかがわからない。
シエル「とりあえず、道はあるみたいだから、進もう!」
エトワール「はい!」
ヴォア「……」
こうして、異世界かどうかわからないこの森を進んでみることにした。
これから、僕たちの長い旅人生活が、始まった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー最終話(2) ENDーーーーーーー
ハイーーー!!!!
第一章「世界の旅人さん」
無事、完結しましたーーーー!!!!
イエーーーーーイ!!!!!!!!!
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
いやー小説書くのってこんなに楽しいんだね!
これからも、よろしくお願いします!!!
最終話(2)が1番長くなっちゃった!
今もう3200文字越しちゃってるよ!
あと、お知らせです!
更新日決めました!
毎週月曜日と土曜日、たまに日曜日です!
覚えといてね!
次章予告いくよー!
ーーーーーーーーーーーーーーーー次章予告!ーーーーーーーーーーーーーーー
こうして、旅が始まった3人。
しかしこの森は、普通の森とはかけ離れていた!?
しかもいきなりマモノまで襲いかかって来やがった!
次回もドタバタ気味かも。
次回(次章)もお楽しみに!
感想ばっちこーい!
次の更新日までOK!
質問もいいよ!(ないと思うけど)