複雑・ファジー小説

第2章 「なくさないように」 ( No.19 )
日時: 2016/04/25 00:24
名前: 花月 (ID: WGarmeYs)

第2話

僕たちは、ヴォアのおかげで、なんとか出口探しを再開することができた。
ヴォアも、魔法を使い始めた時に、はぐれた事に気づいたんだって。

シエル「ねぇねぇ、もしこの森から出れたら、どんな景色だと思う?」
エトワール「うーん… 街並みですかね?」
シエル「いいね〜 ヴォアは?」
ヴォア「…町」
シエル「そっかぁ! 楽しみだね!」

こんな感じで、お喋りしながら森を進んで行くと、見たこともない景色に出会った。

シエル「うわぁ…綺麗!」
ヴォア「……!」
エトワール「なんか、幻想的ですね…!」

そこには、あの大きな木が小さく光っていた。

シエル「あれ? あの木、光ってる!」
エトワール「あ、本当ですね…!」
ヴォア「………」

僕たちはその木に近づいて触ったりしてみた。

シエル「うわぁ… 感覚は木なのに光ってるってすごい!」
エトワール「そうですね! それにこんなに大きな木、どのくらい生きてたんですかね…?」
ヴォア「………!?」(木の過去が見えた)
???「おぉ、また会ったな」
シエル「え!? 誰!?」
???「ここじゃよ。 ここ」
エトワール「え… 気が喋ってます!!」
???「そうじゃ。わしがこの森の神様、『樹神(もくがみ)』じゃ。 しかし、なぜ2回もわしの所に来たのじゃ?」
シエル「えっと、偶然! 偶然だよ!」
エトワール「あの、いつからこの場所にいるんですか?」
樹神「そうじゃな…じゃあ、お前たちにわしの昔話を聞かせよう」
シエル「え? 本当?」
エトワール「お願いします!」
ヴォア「………」
樹神「これはもう…何百年も前の話じゃ…」
シエル「何百年…?」
樹神「その頃は、まだこの森も狭く、木も少なかった… 道も作られていないし、唯一子供の遊び場になっていたのじゃ。 わしは子供が大好きでのぅ、喋れない昼は子供たちが遊び、光を放ち、喋れる夜は、森に住む狩人の青年と話して過ごしてきたのじゃ。 しかし、その青年も人間じゃからのぅ。だんだん歳をとって、会えない日が続いたのじゃ。 ある日、あの青年…いや、その時はもう、白髪のおじいさんじゃったのぅ。 そいつはわしに、『俺はもう、狩りができない。このままでは熊や狼が増え、子供たちもお前と遊べなくなる。 どうか、その獣から、森と子供たちを守ってくれ』と言ったのじゃ。 それっきり、そいつはわしに、二度と姿を現さなかった… わしはそいつの願いを叶える為、この森から獣を寄り付かせないよう、この森を守り続けてきた。 しかし、木も増え、道は作ったものの、道標がなく、迷子になる子供も増え、誰も寄り付かなくなったのじゃ」
シエル「うぅ…なんか悲しい話だね…」
エトワール「なぜ、道標は作られなかったのですか?」
樹神「人間は獣が住んでいると思い込んでてのぅ。 怖がって、作れなかったのじゃ」
エトワール「そうなんですか…」
ヴォア「……」
シエル「…ヴォア?」

ヴォアが樹神さんに近づいた。 どうしたんだろう。

ヴォア「…ずっと……」
樹神「ん?」
ヴォア「あれからずっと…独りだったんでしょ…?」
シエル「え…?」
樹神「なぜ、わかるのじゃ…?」
ヴォア「見えた…あなたの過去…」
シエル「えぇ!?」
エトワール「ヴォア…さん…?」
ヴォア「誰も来てくれない。ずっと独りぼっち」
樹神「…そうじゃな。お前の言う通り、あれから今まで、誰1人、わしに近寄らなかった。 動物や、虫まで。 独りぼっちじゃったよ」
シエル「寂しく…なかったの…?」
樹神「あぁ。あいつがいなくなった最初の頃は、寂しくってたまらなかった。 でも、慣れって怖いもんじゃのぅ。 はっはっは」
エトワール「あ! 先輩! この方なら…」
シエル「…うん! そうだね!」

この森の神様なら、出口もわかるはずだよね。

シエル「ねぇ、樹神さん!」
樹神「? なんじゃ?」
シエル「僕たち、実は異世界から来たんだけど、子の森の出口を探しているんだ! 出口はどこ?」
樹神「おぉそうか。異世界から来たのか。 じゃあ、会ってくれたお礼と言ったらあれだけど、出口まで連れてってやろう」
シエル「うわぁ! ありがとう!」
エトワール「ありがとうございます!」
ヴォア「………」(嬉しそう)

そして、急にあたりが眩しくなった。
目を覚ますと、そこは綺麗な街並みで、後ろには、木が生い茂った森があった。さっきまでいた森だ。空はもうすぐ夜明けで、向こうの山から太陽が見える。

シエル「ちょっと…寝ちゃったかな? あはは!」
エトワール「先輩、これからどうします?」
ヴォア「……」
シエル「んー そうだなぁ…」

でも、とりあえず、

シエル「この町面白そうだから入ってみよう!」

僕らしい行動だなって自分で思った。

エトワール「はい!!」
ヴォア「……」(少し楽しそう)

どんな感じの町か、楽しみ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー第2話 ENDーーーーーーーーー
第2話終わった!
もう12時か!小腹空いたなぁ←おいコラ
指が疲れるので、タッチペンを買いました。
うわぁ!ペン先がグニグニ曲がる!すごーい!
うるさいですね←いつものことだろ
次回よk…(噛んだ)
ーーーーーーーーーーーーーーー次回予告!ーーーーーーーーーーーーーーーー
森から出られた3人。
その先の町で、3人は倒れてしまった!
そして、その町で出会ったある1人の少女。
次回はヴォア視点!
次回もお楽しみに!


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