複雑・ファジー小説
- 第2章 「なくさないように」 ( No.25 )
- 日時: 2016/05/23 01:41
- 名前: 花月 (ID: gb7KZDbf)
第4話
ヴォア「…」
あの人がどっか行ってから、私は部屋を見回した。それは何もかもが違って、面倒くさそうだった。
ヴォア「ベッドはないの…?」
さっきから違和感しか感じない布団から出て、ため息をつく。
床も薄黄色い凸凹した床で、踏み心地が悪い。
家具もほとんど茶色で統一している。
ヴォア「…?」
焦げ茶色のチェスト。引き出しを開けてみたら、全て同じような服がぎっしり詰まっていた。
他の引き出しを開けても、全て同じような布、全て同じような靴下、化粧品まで入っていた。
ヴォア「なんでチェストに化粧品なんか入ってんの…」
本当に頭がおかしい人なんだ、あの人は。
その化粧品も、ずいぶん変わってて、印鑑を押すのに使う朱肉みたいな物が沢山あった。地味に色が違う。 他にも、化粧水のはずなのにやたら大きいビン、とてもかけることができなさそうな香水もあった。
ヴォア「なんなの…」
私は次に、置き物だらけの場所を探った。
その置き物も「大きさが圧倒的に違うカエルの親子」やら、「変な帽子を被った目が気持ち悪い程に開いたタヌキ」、「黒髪でぱっつんだらけの動きにくそうな服を着た顔色の悪い女の子のような人形」があった。
ヴォア「きもちわる…」
変な趣味だ。なんなんだこれ。
次は机…と言っても、低過ぎるし、いろんな物がごちゃごちゃしている。
脱ぎ捨てたさっきと同じような服、布、靴下。更には蓋が開けっ放しの化粧品まで散らかってる。蓋ぐらいちゃんと閉めるでしょ普通…
それらを適当に除けて、茶色いスープが入った鍋がどっかり置いてある。その横に、少し底が深い皿3枚、6本の木の棒がある。ここで3人で食べろって言うの…?
シエル「ん…う〜」
エトワール「うぅ…」
ヴォア「…?」
そうこうしている内に、2人が起きた。2人共驚いて、さっきまで静かだったこの部屋は、2人のせいでいっきに騒がしくなった。
シエル「…うわぁ! え!? ここどこ!? ってゆうかヴォア何してんの!!?」
エトワール「…あれ!? 前がぼやけて見えない!? メガネ! メガネは!?」
ヴォア「うるさい!」
私は怒鳴った。2人共混乱し過ぎ…
シエル「あ…ごめん…」
エドワード「すいません…取り乱してしまって…」
すぐに静かになった。探索はここら辺にしようか…
シエル「あ! なにこれ!美味しそう!!」
エトワール「スープ…? 色が変わってますね…大丈夫でしょうか…」
ヴォア「…さっき女の子が、『これ3人で分けて食べて』って言ってた…」
シエル「女の子? まぁいいや。 後でお礼言おっか!」
3人で机の上を片付けて、床に座る。
エトワール「えっと…これ、何ですか?」
シエル「ん?木の棒だね。 何に使うんだろ?」
エトワール「あ! きっと、これを使って食べるんですよ!」
シエル「でも、どうやって?」
エトワール「う〜ん…」
スプーンはなかったの? この世界どうなってるの?なんで6本なの?
私は棒をいじりながら、どう使うのか考えていた。
ヴォア「…こう…?」
棒を2本使って、1本は親指と人差し指の間、もう1本は人差し指と中指の間に入れた。
シエル「それだ!ありがとう! さすがヴォア! 頭いいね!!」
エトワール「ありがとうございます!」
ヴォア「………」
単純過ぎる… 精神年齢を調べたい程だ…
でも一応わかったとはいっても、さすがに慣れていないからすごく食べ辛い。
シエル「んー… ダメだ! 食べにくい!」
エトワール「う〜ん…別の方法を探さないと…」
ヴォア「そりゃそうでしょ…」
シエル「ねぇねぇ、もうそのまま飲んで、食べちゃう?」
エトワール「そうですね…ここでもたもたしていても、食べれないのは目に見えてますし…」
ヴォア「…ごちそうさま」
シエル&エトワール「「えぇ!?」」
そのまま飲むなんて、私がとっくにやってるでしょ。見えないの?
私は食べ終わっても、そのままでいた。何もする事がないからだ。
シエル「早いよヴォア! ちゃんと噛んだの!?」
エトワール「そうですよ! 早食いは体に悪いって、よく言うじゃないですか!」
ヴォア「…噛んだ」
子供扱いしないでよ、今更。
されるべき時期に、2人共死んだんだから…
少女「あ、みんな起きたん?」
出入り口から声がした。 さっきの子だ。
シエル「ん? あ、君なんだね! スープ作ってくれたの! ありがとう!」
エトワール「あ、ありがとうございます」
少女「なぁ、みんなええ子たちや〜ん、べっぴんさん」
ヴォア「…別に。 あと、なんなのその呼び方」
少女「あ、かんにん! あんさんがあんまり可愛い顔をしとるからなぁ〜」
シエル「でしょ? ヴォア可愛いでしょ?ね?エトワール!」
エトワール「え!? あっ…そっ、そうですね…///」
ヴォア「……(イラっ)」
シエル「ねぇ、君、なんていうの?」
少女「あ、うち? うちな、『小瀬野 舞香』ってゆうねんで! 『マイカ』って呼んでなぁ〜」
シエル「マイカね! よろしくね!」
ヴォア「………(過去を見てる)」
……
悪い人じゃ、ないかも。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー第4話 ENDーーーーーーー
はい!久しぶりに書かせていただきました!
お久しぶりです!
テストは…まぁまぁですね;
新キャラマイカちゃん登場!
これから賑やかになりますね〜
では次回予告!
ーーーーーーーーーーーーーーー次回予告!ーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界で出会った女将の少女、「マイカ」。
人数が少ないらしく、仕事を1日手伝う事になった3人。
しかしその職場は、いかにも苦労の修羅場だった!!
次回は謎の疾走感!?
次回もお楽しみに!
感想OK
日曜日も更新します!(もう日曜日だけど)