複雑・ファジー小説

第3章 「手放すか」 ( No.33 )
日時: 2016/07/10 02:47
名前: 花月 (ID: ixlh4Enr)

第3章 「手放すか」

第1話

あれから僕たちは、始めの森に戻ってなんとか木神さんを見つけて、その日はそこで野宿をし、また別の世界に行った。

やっぱり行き途中の事は覚えてないけど、今回はある広場に着いたようだ。

シエル「うーん…あ!」
エトワール「あ、やっと目が覚めましたか」
マイカ「1番最後はシエルはんやったな〜」
ヴォア「………」

シエル「へ? あー、そうなんだ!」

広場は草原が広がっている。
その他には、何もなかった。

僕たちは、またいつもの様に歩き出す。

広場を出て、住宅街の様な所に来た。
とても静かな場所だった。人がいない。
いや、最初はいたが、僕たちを見た瞬間みんな家へ帰ってしまった。
それに嫌な視線を感じる。
僕たちを警戒しているのだろうか。

エトワール「あの…ここって…」
マイカ「なんか…えらい怖い目で見てはるなぁ…」
ヴォア「…よそ者だからでしょ」
シエル「どうなってんだろ…?」

不安な気持ちになりながら進んで行く。
すると、向こう側から鎧フル装備のお兄さんがやって来た。
いなくなる気配もないから、とりあえず話しかけてみる。

シエル「あ、あの…」

「動くなっ!!」

シエル「はわわわわわわわ!?!?!!?」

まだほとんど何も言ってないのに、いきなり剣を向けられた。
しかもすごく大きい。こんな物で斬られたら肋骨も真っ二つだ。

エトワール「えっと…えっと…!(怯え)」
マイカ「わぁ〜! えらいこっちゃ!」
ヴォア「……!!」
シエル「え、えぇぇ!?」

「お前たち、何しに来た?」

シエル「い、いやぁ、そそそんな事言われても…」

どうしよう、なんかすごい展開になっちゃった…!
本当にどうしたらいいのかわからなくなっていたその時、

???「おい、何やんてんだよ」

シエル(え? もう1人?)

聞こえたのは、もう1人の男の人の声。
あああああどうしよう!?あの人もでっかい剣持ってる〜!!

「あ、クオーレ様、…異世界の者がやって来て」
???「ふー…ん?」

その「クオーレ」という人は、僕たちを見て何か「見覚えのある顔だ」と言いたげな顔をした。
もちろん僕はこの人を全く知らない。

クオーレ「こいつら…確か、明神村を救った奴らじゃないか?」
「えぇ!?あの、今朝から噂になってた…?」

シエル「?」

昨日起こった事なのに、もう異世界で噂になってたの?
…噂の力ってすごい……

エトワール「あ、あの! その…なぜその事を…?」
クオーレ「ああ、今朝貿易の奴から聞いたんだよ。『明神村で、ガキ共が村全体を救った』って。…本当に、お前らなのか?」

シエル「あ、まぁね!いやー、噂ってあっという間に広がるもんなんだね!」
エトワール「先輩!疑いを知らないからそんな事言えるんですよ…! もう…」

また後輩に注意されちゃった。
すると、ヴォアが口を開いた。

ヴォア「…嘘、ついてない」
マイカ「えぇ?ほんまかいな!?」

きっと、能力を使ったんだろう。ヴォアが断言した。
それに目を丸くする2人。

クオーレ「…? お前、占い師か?」
「いや、エスパーかと」
シエル「ううん、この子はね、魔導師さんだよ!」

意外だと言いたげな顔でまた目を丸くする2人。

クオーレ「…とりあえず、立ちっぱなしもキツいだろ。署で話しでも聞くか」
シエル「えぇぇ!!? 逮捕されちゃうの!?」
エトワール「いや、逮捕ではないかと…」
クオーレ「…なんで逮捕になるんだよ。こいつ根もガキなんだな…」

逮捕ではないけど、この2人がいる、「剣警部団」という所に連れて行ってもらう事になった。
幸いにも、場所は近かったからすぐに着いた。

そして2人にあった事全てを話した。
最初は館のお手伝いでいた事。
館に侵入したマモノを駆除した事。
偶然外にいたでっかいマモノも倒した事。
そこでみんなケガをした事。

2人はそれを信じてくれて、しばらく泊めてくれる事になった。
署長さんが結構優しい人らしい。

そして僕たちとその2人は、仲良くなった。

ある日

エトワール「えぇぇぇ!!?じゅ、12歳なんですか!?」
「まぁな… でも、ここにはそんな奴ばっかだぞ?」
エトワール「何をどうしたら…そんなに大きくなれるんですか…?」
「うーん…何をって言われても…」
エトワール「戦争…してたらそうなるんですか…? だったら、ちょっと心配です…」
「いや、そういう事ではないと思うけど…でも、いくら鍛えてても、ケガをした時のショックが強いらしいんだ」
エトワール「え…?」
「クオーレ様も、実は1年前、敵からの襲撃で、腕を骨折してしまって、しかも利き腕の方を… 今まで大きなケガをした事がなかったあの方にとっては、とても大きなショックだったと思う…」
エトワール「そんな事が…あったんですか…」
「今はもう完治してるんだが、あれ以降、戦場に立たなくなったんだ」
エトワール「え、でも、いつも剣を持ち歩いてるじゃないですか」
「あれは本人曰く、『持っていると守りになる』らしい」
エトワール「そうなんですか…」

〜第1話 END〜
はい、1週間と1日遅刻しやがったバカ作者ですwww
すいませんいっつもwww
この話の最後の会話が、この章のカギ(?)を握ってると思います。
すいません国語苦手でw
〜次回予告〜
クオーレの過去のトラウマ
それを直そうとシエルたちは頑張るが、うまくいかない…
それに戦争も続いていく。
しかしその雰囲気をぶち壊すかの様にある風来坊が現れた。
次回もお楽しみに!

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