複雑・ファジー小説

第3章 「手放すか」 ( No.38 )
日時: 2017/01/24 04:52
名前: 花月 (ID: HYBdaZWe)

第6話

クオーレ「…あんま思い出したくなかったけどよ…」
リベルタ「………」

でも教えてほしい。ここで全部ぶちまけて、大泣きしてくれたっていい。ボクに当たってもいい。
それでクオーレの重荷が少しでも減るなら。


〜1年前〜
俺たち剣警部団第4部隊は、またいつものように戦場を駆け回っていた。
しかし今回は緊急。敵の軍隊が襲撃に来たんだ。
戦場と言っても森の中。いつ、どこから銃殺されるかもわからない。
さっきまで近くにいた兵も何人も殺され、いつの間にか第4部隊は俺と隊長しかいなかった。
歩む道も先程戦死した兵の死体もあれば、古く腐ってハエがたかっている兵の死体もある。
もう見慣れた光景だが、「人の死に慣れてはならない」という剣警部団の心得がある。
俺たちはただの捨て駒の癖に。

隊長「このままではいずれ敵襲が来る…クオーレ、ここは別れよう」
クオーレ「はい」

二手に別れれば、敵の銃口から上手く撒けるかもしれない。
しかし、何か不自然だ。
さっきまでいろんな所から銃声が聞こえていたはずなのに、今はしんとしている。もしかすると敵は撤退したのか?
まぁとりあえず、敵を見つけたら隙を狙おう。今回の敵軍隊は銃しか使わない。間近に迫ればこっちのもんだ。


〜〜

…全く見当たらない。もう撤退したのだろうか。
通信機も電波が悪いのか、隊長とも通話ができない。
あまりにも静かすぎて、そんな事をぼんやり考えていた。





ダァン!!



クオーレ「!?」

幸い自分には向かれなかったが、確かに銃声が聞こえた。
しかし、



ダァン!ダァン!ダァンダァンダァンダァンダァンダァンダァンダァンダァンダァンダァン!!!!!!

その直後に何発も連続に銃声が聞こえた。
それはさっきまでの静けさとは真逆。洗脳されてしまう程うるさく、長かった。

クオーレ「うっ…んだよこれっ!!」

耳に付けてあるスピーカーを耳栓のように奥に押し込み、早く逃れようと走り出した。


しばらく走り続けていると、連続して鳴っていた銃声はパッと止んだ。
なんなんだよあれ…不自然にも程があると言うか…


クオーレ「…隊長?」

ずっと逃れる事だけを考えていたのか、木々を抜けて崖に着いていた。
そして、そこに隊長はいた。だが、何か様子が…

クオーレ「…隊長……っ!?」

隊長から異臭がする。物が腐ったような。
おまけに肌もボロボロで真っ青、しかし目と口だけがくっきりと開かれていた。

クオーレ「まさか…寄生型…!」

もう確信した。隊長は、既に死んでいたんだ。
元々生きていた隊長に寄生型のマモノが寄生し、隊長はこいつに操られている。
寄生型は無差別に見つけた生物に寄生し、殺し、操っている。

次は俺の番だ。

クオーレ「させるかよ…うぐっ!?」

俺は剣でぶった斬ろうとした…が、こいつは寄生型。刃は命中するも血しぶきと共に俺に向かって奴は飛び掛かってきた。
そいつも同じ様に真っ二つに。
だが…

クオーレ「うぅっ!! あぁぁ…………がはっ!!」

真っ二つにした片方が、俺の体内に浸入して来た。
この寄生型は物の外部からでも自分で傷口を作り、そこから入り込む。
例え真っ二つにされても体が小さくなるだけで、10秒足らずで自然修復される。
俺のやった事は地雷だったんだ。

クオーレ「ああああああああああ!!!!!」

右腕から浸入され、骨が砕かれる感覚がした。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い
そんな事しか考えられなかった。

誰か…

そこで俺の意識は途絶えた。


〜現在に戻る〜
クオーレ「でも…何故か命は助かったんだよ。寄生型が小さかったのか…?」
リベルタ「寄生型…!?クオーレ、ホントに大丈夫なの!?」
クオーレ「あれ以降は何もねぇよ!…けど、こいつがいつ他の奴に移るか…俺が寄生されている事を知って、ほとんどの連中は俺を相手にしなくなったし…だから、いつでもこいつを消滅できるように…常に剣を持ってたんだ」
リベルタ「…そう……」

リベルタは俯いて、まるで絶望したかのように小さな声で返した。

クオーレ「リベルタ、その…すまなかった。ずっと黙ってて」

とにかく謝ろう。頭を下げて、リベルタに謝罪した。
するとリベルタは少しだけ顔を上げて

リベルタ「…いいんだよ。ボクこそゴメンね。いつもクオーレに迷惑かけて、今回も嫌な事思い出させて…」

少しだけ微笑んだ。

〜第6話 END〜
はい。まずはですね…

約5ヶ月間ガン放置して申し訳ございませんでした(スライディング土下座)

この空白の約5ヶ月間何をしてたかと言うとですね、ちょっとした事故がありましてね…この小説の事すっかり忘れてたんですよ。なので実質3ヶ月間はサボりですね(ドヤッ
前までこの小説を読んでくださってたみなさん!
わたくし花月は無事復帰したのでご安心ください。花月は死んでませんよ!

ただしいつもの大遅刻更新は変わらない模様((殴