複雑・ファジー小説
- 第一章 「世界の旅人さん」 ( No.7 )
- 日時: 2016/04/04 03:36
- 名前: 花月 (ID: WGarmeYs)
- 参照: http://http://http//www.kakiko.cc/howto/about/rule_net_01.html
本編
第一章「世界の旅人さん」
第1話
僕はただ、爽やかな田舎の風に吹かれ、海を眺めていた。
僕はシエル。シエル・クレール。 この田舎町に引っ越してきたばかりだ。
シエル「あ!お父さん!!」
父「おお、シエル。お前は本当にこの海が好きだな」
シエル「お父さん、この海の名前、なんていうの?」
父「この海か? あぁ、『記憶の海』っていう名前だ」
シエル「ヘーー!!そうなんだ!」
母「シエルー! 貴方ー! そろそろ昼ご飯の時間よーー!」
シエル「はーい!」
僕たちは、引っ越しの片付けが終わって、家族3人でこの海に来た。
とても幸せな時間だった。 このまま死んでもいいぐらいに。
その時だった。
「キャーーーーーーーーー!!!!!!」
「うわああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
海全体に、悲鳴が響いた。
僕たちは驚いて海を見ると、そこには…
炭のように真っ黒で、雲に届きそうな程大きな竜がいた。
目は血を塗ったように真っ赤で、禍々しいオーラを放っていた。
シエル「え……え…………?」
父「二人とも! ここは危ない!! 逃げるぞ!!!」
父の言葉で、ぼくはその竜に背を向けて、走り出した。
走っている間に、少し後ろを向いた。
そこには海水をバシャバシャと荒らし、大きな雄叫びを出す竜がいた。
それだけではない。 いつの間にか浜辺には、多くのマモノが
うようよしていた。
倒れてる人もいれば、力がある人がマモノと戦っている姿もみえた。
その時…
シエル「うわぁ!!」
僕は誰かにぶつかった。
ちょっとのつもりが、しばらく後ろを見ていたようで、全然前を見ていなかった。
僕はぶつかった反動で、尻もちをついてしまった。
シエル「いてててて… っ!?」
その瞬間、僕は金縛りにあったように、動けなくなった。
ぶつかったのは人じゃなくて、
マモノだった。
マモノ「ヴヴゥ?」
しまった。 マモノにぶつかってしまった。
どうしよう… 立とうとしても、怖くて動けないし。
マモノ「ヴヴヴヴああぁぁぁぁぁ!!!!!!」
もうだめだ。 殺される。 僕は確信した。
こんなに早く、自分の命が消えるなんて…
マモノが僕に襲ってきた。
マモノの爪で、僕は引き裂かれる。
そう思った瞬間…
マモノ「ヴヴヴあぁぁぁ!!!! ………」
え…?
何が起きたの…?
僕は頭の中がグチャグチャになってしまった。
前を見れば、そこにはさっきのマモノ… 死んでいる。
マモノの死骸がだんだん消えていく。 その奥に、もう一人…
女の子だ。
赤いワンピースにグレーのポンチョ。
フードを被ってて顔はよく見えなかったけど、赤い二つの点…
瞳がかすかに見えた。
何やら赤い動物の人形を持っている。
その子はづかづかと僕に近づき、動けなかった僕の腕を掴んで、
無理矢理上に上げた。
立てって事…?
シエル「あ…」
女の子「………」グイグイ
僕は慌てて立ち上がった。 助けてくれたんだ。
さっきより近くなった距離で、改めてその子の顔を見る。
シエル「………」
僕は息を飲んだ。
とても…綺麗な顔立ち。 赤くぱっちりとした瞳…。
僕の中で、何かが騒ぎ始めた。
シエル「あ… ありが…」
タタタッ…
女の子は手を離して、何も言わずに街の方へ走って行ってしまった。
シエル「と…う…」
僕はちゃんとお礼が言えなかった。
父「シエル! 何をしているんだ!! 早く!!!」
僕はその言葉で我に帰り、街の方へ走った。
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あの後、僕たちは緊急時用施設に逃げ、なんとか家族は無事だった。
あの子、結局誰だったんだろう。
なんか、すごく落ち着いていた。
元々冷静な子なのかな。
なんか、今でもすごくドキドキしている。
そんな事を考えていると、お母さんが配給食事を持ってきてくれた。
そして、
母「あのさっきの女の子、魔導学院のポンチョ着ていたわよね?
学院はここから遠い所にあるし、しかもあそこ寄宿制なのに、何でこんな所にいたのかしら…?」
お母さんは不思議そうに配給食事を配った。
魔導学院…?
そんな学校があるんだ。
何だか、もう一回あの子に会いたくなってきた。
そして、ちゃんとお礼を言いたい。
あの時あの子がいなかったら、僕はもうとっくにマモノに殺されていた。
命の恩人なんだ。
また、会えるかな…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー第1話 ENDーーーーーーーーーー
はい!というわけで、本格的に始まってきましたーーーーーー!!!
楽しみだな〜楽しみだな〜
急展開が多過ぎたなw
嗚呼…文才が欲しい……
あの女の子の正体! もう皆さんお察しですよね!?
答えは…
次回のお楽しみだよ!!!
なんとなく次回予告を作ってみました。なんとなく。
ーーーーーーーーーーーーーー次回予告!ーーーーーーーーーーーーーーーーー
あれから4年ぐらいの月日が過ぎた。
シエルは自衛隊組織、『少年自衛団』に所属した。
新しい仲間と共に、歩む日々。
ふとその中に、あの時の記憶がよみがえった…。
次回もお楽しみに!!!
感想まだ