複雑・ファジー小説

第一章「世界の旅人さん」 ( No.9 )
日時: 2016/04/06 19:07
名前: 花月 (ID: WGarmeYs)

第3話

あれから4年経った。
私は今、魔導学院の生徒。
私は両親の事を全く知らない。 知ろうともしなかった。
別に興味ないし。
だから私は、赤ちゃんの時からずっと、この学院に寄宿している。
私にとっては家みたいなものなんだけど。

この学院は、女子しか入れないから、女学院とも言える。
でも私は、いつも1人。
周りがうるさい。 あんな連中に入りたくない 絶対。

生徒達「だよねー」 「自衛団の……っていう子、かっこいいんだー」
「そりゃそうだよー だって、………」

ヴォア「…………」

今は休憩時間。この時間になれば、大抵全員きゃいきゃい騒ぎ出す。
最近は、「少年自衛団」っていう組織の団員とかの話でみんな盛り上がっている。 何が面白いんだか。
そんな事考えてる時、

生徒A「ちょっと、聞いてるの!!?」
ヴォア「?」

なんだ、話しかけに来ただけか。

ヴォア「…何?」
生徒A「あのさ、何なのその態度。 ムカつくんだけど」
ヴォア「…それ言いに来ただけ?」
生徒A「…!! だから、その態度がみんな気に入らないって言ってるのよ! 直しなさいよ!!」
ヴォア「…嫌だ。 あなたにそんなこと言う筋合いないでしょ」
生徒A「嫌だ? フン。 じゃあこうしてあげるわよ!!」
ヴォア「!?」

いきなり喧嘩売ってきて、いきなり髪の毛引っ張られた。
別にこんなの痛くないし、そもそも何なの? 子供騙し?

ヴォア「…はぁ……」(ため息)
生徒A「何よ?言いたい事あるなら言いなさいよ。 いつものあんたみたいにさ」

髪の毛引っ張りながら、その子はバカにしたように言う。

ヴォア「何がしたいの? いじめてるつもり?」
生徒A「いじめてないわよ〜 お仕置きよ」
ヴォア「何だ。ただの子供騙しか」
生徒A「ほら、やめてほしいなら謝りなさいよ。 土下座して」
ヴォア「土下座? あなたから喧嘩売って、私がそれを買ったつもり?」
生徒A「何でそんな堂々としてられるのよ。 いつも優等生だからって感じで、いつも偉そうにして…」
ヴォア「優等生? 偉そう? 私は優等生でもないし、偉そうにもしてない。 ただ昔から魔法は習ってるし、思った事を口に出して何が悪いの?」
生徒A「…!!!今日はこのぐらいにしてあげるわ。 今度はこんなんじゃないわよ!」

と言って、その子はどっか行った。

ヴォア「…何なの」

私はクシャクシャになった髪を手ぐしで直して次の授業の準備をした。

その日から、その子のいじめは始まった。
机ひっくり返されたり、周りから変な目で見られたり、とにかくいろんな嫌がらせを受けた。
でも私は怖くなかった。 思ったこと言えば、大抵誰でも怯むから。
でもある日…

朝起きたら、 部屋に魔導人形がなかった。
探したけど見つからないし、きっとまたあの子が盗んだんだろうなと思って、そのまま教室に行った。
すると…

ヴォア「…!?」

私は息を飲んだ。
私の机の上に、人形があった。
ボロボロにされて。
ハサミとかでやられたんだ。

魔導人形は、自分の魔力で動けるけど、人間の力には勝てない。
あの子がやったんだ。

そう思った瞬間、目から水が出てきた。
苦しい。胸が締め付けられる。
初めての感覚だ。
私は、人形達を抱き締め、しゃがみ込んだ。
苦しい。苦しい。助けて…

生徒B「だ…大丈夫……?」
ヴォア「?」
生徒B「あの…えっと……大丈夫…?」
ヴォア「…誰……?」
生徒B「え…お、同じクラスメイトだよ」
ヴォア「……」

クラスメイトなんだ。知らなかった。

生徒B「あの…ごめんなさい。今まで引き止められなくって」
ヴォア「別に…あの子が勝手にやってるだけでしょ」
生徒B「でも…今、すごく悲しそうだったよ」
ヴォア「悲しい…? 何それ」
生徒B「えぇ!?」

悲しいって何? 今私が思った事?

生徒B「えっと、悲しいっていうのは、苦しくて、泣いちゃうほどの感情」
ヴォア「泣く感情…?」

泣くって、今私の目から水が溢れている事?

生徒B「もしかして…自分の感情がわからないの…?」
ヴォア「……」

感情。生き物には誰でも自分の中に存在するもの。
でも私にはそんなものない。 私はきっと、生き物じゃないんだ。
人形なんだ。
そう思っていた。
私にも本当はあったんだ。感情が。 何なのかわからないけど。

その夜、私はなんとなく窓から月を見ていた。
今日は偶然、満月だった。

あの時の事を思い出した。
あの男の子の顔。 完全にマモノに怯えていた。
今はどうしているだろうか。
4年経った今でも、マモノはこの町に増え続けている。
他の町や村にも増えているらしい。
マモノに殺されなければいいんだけど。
月を見上げながら、ぼんやり考えていた。

翌朝、
魔導学院の生徒に、マモノ討伐の通知が届いた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー第3話 ENDーーーーーーーーーーーー
はい!というわけで、ヴォア視点の回、どうでしたか?
やっぱりいじめはよくないよね!
生徒Bちゃんええ子!!
で、あの第1話から言ってた女の子の正体は…
ヴォアちゃんでしたーーー!!!
テッテレー!\(^o^)/

ってもうみんなお察しでしたか…

今回ちょっと更新遅れちゃった
すいませんm(_ _)m

あと、目次が3DSでやってみたら、まさかの成功!!
3DS恐るべし!(`・ω・´)
※いつもはiPad

参照回数100超えましたー!
いつも見てくれているみなさん、ありがとうございます!!!
花月、これからもこの調子で、頑張ります!!!
あぁ、足つった…

次回予告!↓

ーーーーーーーーーーーーーーー次回予告!ーーーーーーーーーーーーーーーー
初のマモノ討伐の依頼が来た少年自衛団と魔導学院。
混合で行われる仕事、の、はずでしたが!!!
魔導学院の女子軍が怯えすぎて仕事にならない!?
次回はちょっとドタバタ気味かも。
次回もお楽しみに!


感想まだ