複雑・ファジー小説

Re: 夢の中にいられたら ( No.36 )
日時: 2016/05/08 09:38
名前: 四つ葉 (ID: II6slNHe)

はぁ、と溜め息をつきながら私は言う。
「矛盾してるか?」
「うん、矛盾しまくり」
私がそう言うと真里夏が空を見つめて言った。
「太陽が出てる………」
今まで此処で太陽を見たことはなかった。
空が空じゃないと言うか、空と言うよりも『天井』って感じだった。
そんな『天井』から太陽の光が差している。
「最後に言う。俺と一緒に来ないか?」
少年が私に手を伸ばす。
はぁ、と溜め息を漏らす。
「良いよ」
そう言って差し伸べてくれた手を握り、立ち上がる。
此れからは向日葵とは一緒にいれない。
居ちゃいけない。
でも───こいつとなら───彼となら───彼なら───

────私と一緒にいてくれる


───────────────────
今の私に迷いはなかった。
あの子が……まゆっちが私にしてくれた様に、私もまゆっちに恩返しが出来て、今はとても誇らしい。
でも、まゆっちは私がいなくなったら泣いちゃうんだろうな…………
嬉しいけど、少し悲しい、複雑な気分だ。
でも───だからこそ。

此処からずっと見守っていれば良い。
永遠に、まゆっちの命が尽きるまで。

────貴方だけを見つめています

【第三話 夏の花遠き夢の彼方より fin】