複雑・ファジー小説

Re: 夢の中にいられたら ( No.38 )
日時: 2016/05/08 19:13
名前: 四つ葉 (ID: hjs3.iQ/)

【第四話 秘密とは何時の時代も変わり無し】

秘密ってあるか?
人にバレても良い秘密でも、人にバレてはいけない秘密でも。
日常的な小規模な秘密から、世界的に関わるような大規模な秘密まで。
取り合えず、秘密があれば良い。
まぁ、此処で『秘密なんて無い』って言う奴は早々いないだろう。
人間、生きてりゃ秘密くらい誰にだってある。
なけりゃおかしいだろ。
人間は、自由に考え、自由に行動し、自由に物を言う。
其の三つが揃っている生き物なんて、大抵人間くらいだ。
だからこそなのか、そうじゃないのか。
人間には秘密が付き物だ。
其の秘密が『私の好きな人は〇〇なのっ!』とかいうちっぽけな秘密だったり、『私は主人を殺しました』とかいう大きな秘密だったりしても。
其でも、秘密と一括りにされる。
内容が大きかろうが、小さかろうが。
だったら俺は秘密を持った人間何ぞには為りたくない。
為ってしまったとしても、秘密の重大差の分からない輩にはなりたくない。
そんな、『そんなこと知ったこっちゃねぇ』みたいな態度をとる人間ほど、自分の秘密を知られると慌て蓋めくのだから。
だったら俺は、そんな惨めな野郎にはなりたくない。
───────────────────
「此処何処?」
「其の質問は二十八回目だ」

Re: 夢の中にいられたら ( No.39 )
日時: 2016/05/11 20:10
名前: 四つ葉 (ID: 6FfG2jNs)

彼は済ました顔でそう言う。
いや、よくこの状況でそんな顔出来るよね。
あ、私は松本真弓。
つい先日、夢の中で危機的状況にあった私だが、そんな私を助けてくれた謎の少年に小さなぼろアパートに連れられて、今に至る。
「このお菓子はうちのだもーんっ」
「ご飯前にお菓子はだーめ」
「眠い……」
「うっせーぞー。包丁で手、切っちまうだろうが」
にしても、自由だな。

Re: 夢の中にいられたら ( No.40 )
日時: 2016/05/13 19:33
名前: 四つ葉 (ID: mb1uU3CQ)

まだまだ四話の途中ですが……
気分転換にop用の替え歌歌詞をっ!


春擬き(替え歌)/やなぎなぎ(イメージボイス)

探しに行くんだ、そこへ

空欄を埋め、完成した定理
上部だけだから
直ぐにほら、壊れていく

未来は歪で、僅かな卑劣から
何処までも崩れて
簡単に消え去ってしまう

このままじゃずっと
“ダメだ”って、思ってた

言葉にするのなら
“今”なんだ。

こんなニセモノは要らない
“本物”と呼べるものが欲しい
探したとしても、それは
何時かはそう、覚めてしまう“夢”だったかもね

答えの消えた、空欄を見つめる
これで良い、なのに
もやもやと、してるんだ。

砂で作った城は、ちょっとしたことでも
ぐらぐらと揺れて、一瞬で崩れ落ちていくよ

このままじゃきっと
壊れてく、僕の夢が。

守るために動くのは
“今”しかない

見えないものはどうしても
記憶から消えてしまうから
探しに行く場所、冴えも
わからない、僕たちは
気付かず壊してく

夢の中だけで創った砦は壊れた
探しにいくのはきっと

探しにいくのは絶対

“今“なんだ

こんな夢なんていらない
本物の約束が欲しいよ
約束の場所で君は
「やっと来た、遅すぎね」
笑顔でそう言った

僕は笑顔になる

Re: 夢の中にいられたら ( No.41 )
日時: 2016/05/13 19:53
名前: 四つ葉 (ID: mb1uU3CQ)

此処はさっきもいった通り小さなぼろアパートで、その管理人室。
私は、戸惑う。
ここどこ?
まず、私を此処に連れてきた理由は?
そして私を此処に連れてきた少年、誰なのっ?
疑問がありすぎる。
そんな私に気付いたのか、少年が私の目を見て言う。
「此処は三根荘」
と、一言だけ。
続けて、先程までお菓子を食べたがっていた小さな少女が私のところに来て
「ねーちゃん、お名前は?」
と聞いてくる。
私はその子の身長に合わせて屈む。
「私は松本真弓。貴方は?」
そう言うと少女は困ったように顔を曇らせた。
「しい、名前無いよ」
そう一言言って。