複雑・ファジー小説
- プロローグ【人喰らいの牙】 ( No.1 )
- 日時: 2016/08/19 22:45
- 名前: マグロ煮つけ ◆AXS9VRCTCU (ID: wSTnsyhj)
黄昏時、人目に付かないような所をいつもと変わらぬ沈んだ気持ちで歩いて行く。
今日も何も変わらない冴えない自分、クラスメートに『能力』の事を笑われ馬鹿にされる、適応する『魔道具』も何も無く人間の屑と現代では言われる。2020年まではこれが当たり前だったのに何て一人考えながら歩いていた時。
石に躓く。イライラしながら足元の石を見る。透き通った綺麗な角張った魔道具に似た石だ。一瞬石を拾い上げてみる。綺麗でその気になればいつ迄も見て入られそうな魅力に取り込まれかける。やっぱり石でも自分とは釣り合わない。
そう思いもう一度足元に置き自宅を目指し、歩き出したその時だった。
目の前に一つの影が現れたと思ったその時その影は俺に向け何かを撃ち込んだ___
辺りに赤い花が咲き乱れる。撃ち込まれた周辺が真っ赤に染まっていく光景を見ると同時に徐々に意識が薄れ出す。必死で、逃げる。
「アハハ、逃がさないよ…僕のえものちゃん!」
無邪気にその影は笑いながら此方を狙ってくる。何十発も乱射してくる。身体がフラフラしているためか、全て運良く当たらない。
何故いきなり命を付け狙われるか全く分からないが逃げなくちゃという本能のみが体を動かす。自分の能力は戦闘向きじゃない。戦っても勝てる見込みがない。こんな時の能力が違うものだったらと自分の不運を呪う。
あと少しで大通りで出るという所で足に一発当たり胴体にもう一発当たる鋭い痛みが体を襲うと同時に意識が完全に消えてしまった__
「うーん、まだ生きてるね。よし良かった良かった。ボスへの献上品が出来たぞ〜」
彼を半殺しにした、影__少女は笑顔で自分よりも大きい彼を背負い何処かへ行こうとした時もう一つの人影が少女の行く手を遮った。
「おっと、私のマスター連れて行くのは止めて貰おうか?」
「『召喚者』だよね。あんな雑魚からは想像も付かない強さだね〜」
どさりと彼を放り投げ拳を前に突き出し左足を少し引き少女は臨戦態勢をとる。
「じゃ、少しだけ自己紹介〜私は『人喰らいの牙』幹部〜chord name『アルミナ』でーす」
「自己紹介恐縮の至り、私は『オールマイティ』」
「ちぇー、釣れねぇのぉー『クラス』名じゃ無くて真名言えよ〜」
「貴女もchord nameだったじゃ無いですか?」
圧倒的威圧感を振りまきながら、二人は会話をしている。そんな中オールマイティがアルミナに向かい飛びかかっていく。
「『神装・天叢雲剣』」
「おっと『大地創造』」
オールマイティが天叢雲剣と言うとオールマイティの手に美しい日本刀が出て来た。それを持ちアルミナへ思いっきり切り掛かると同時にアルミナの前に土壁が競り上がる。
一瞬で土壁は真っ二つになり、危機を察したアルミナは後ろに飛び退くが、少し遅かったようで、服が切れる。
「あっちゃー、お気に入りが〜、これ以上すると命の危機を感じるねぇ〜まさかの武装系の能力だったなんて相性悪いね〜、命の方がこんな雑魚より大事だし返すわ〜」
乱暴に彼をオールマイティに放り投げる。そして、アルミナは近くの建物の屋根に登り、どんどん屋根を飛び移りながら姿を消した。
「マスターの自宅まで取り敢えず行くしかないか……」
後書き
構想から大分ずれてしまった、書いているとやはりずれることがあるんですね。
次の更新の前に世界観と用語紹介をさせていただきます。
熱中症で頭が少しぼんやりする中書いたのでおかしい所あるかもです。
指摘、応援等々よろしくお願いいたします。