複雑・ファジー小説
- Re: 世界の狭間に-the eternal world- ( No.26 )
- 日時: 2016/07/02 11:27
- 名前: まあじゅ ◆QLlWWt5w1A (ID: aR6TWlBF)
>>25
もちろん大丈夫です!
参考にしていただけるなんて...とても嬉しいです( ´ ▽ ` )ノ
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story1 明るい世界
9
「あぁ」
赤黒い液体が宙を舞う。
ガナーニャの口元は少しずつ緩んでいく。
小さめな体が崩れ落ちる。
「あぁぁああ」
静まり返った部屋に、一人の女性の呻いたような声が響く。
「…お前に…なにが…わかる……」
ガナーニャは握りしめていた手を緩め、銃を落とした。
「あぁ…。あなたの目は素敵だったわ…。あの日の青空と…私たちの闇を映したような目…」
ノアの胸からは液体が流れ続ける。
「…」
ガナーニャは顔を顰め、ノアをじっと見た。
「………まだ、生きてるのね」
ガナーニャはポケットから小さくて古びた時計を出し、時計の出っ張りを親指で押した。
時計の横からは銀色に光る刃が勢いよく飛び出した。
「ほっといても死ぬんだろうけど......ちゃんと、私の手で逝かせてあげるわ...」
ガナーニャは、刃をノアの首元に当て、勢いよく振り上げた。
「...さようなら.......死神」
「ちょーっと待ったー、お嬢さん!」
「っ?!誰っ?!」
ばぁん!と扉が勢いよく開く音と同時に、ガナーニャが声を上げて振り返る。
「あ、やっぱりそのまま振り下ろしちゃってもいいよ。真っ二つにしないならね!」
そこには、ライクが立っていた。片手には、朝の時点よりボロっボロになったうさぎのぬいぐるみを持っている。
「...僕の弱点を言わないでくれる?」
ノアはゆっくりと体を起こした。胸からはもう液体は流れていない。
ガナーニャは目を見開いた。
「...しかも遅い」
「あ、あなた...っ」
ノアは目をゆっくりと開けた。
「...おかげで死んじゃったじゃないか」
ノアの真っ暗闇の右目の瞳には、まるで金色の満月のように光った『六芒星』が浮き出ていた。
—continue—