複雑・ファジー小説
- Re: 世界の狭間に-the eternal world- ( No.32 )
- 日時: 2016/07/02 10:59
- 名前: まあじゅ (ID: aR6TWlBF)
おはようございます、まあじゅです
誕生16周年おめでとう僕
次の小説は、短めのstoryになると思います。
>>31
いつもありがとうございます
亞兎さんの小説、たまに読ませてもらってますよ( ´ ▽ ` )ノ
亞兎さんも頑張ってください!
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story2 命の世界
1
「本当に素晴らしい眺めだね」
「うん。本当」
2人の人間が歩いていた。
1人は背が高く、20前後の人間。
痩せてるように見える体にだぼっとした服を羽織り、今にも弾け飛びそうなリュックサックを背負っている。派手なハットの下の天パは中途半端に伸び、黒いピンが数箇所光っている。一言で言うと『チャラい』。
片手にはりんご3個分ほどの大きさの、『レイラ』と名付けられているうさぎのぬいぐるみを持っているが、おかしいのはそれだけではない。そのぬいぐるみが今にもどこか取れそうなほどの、ボロボロの縫い目だらけなのだ。
もう1人は、背が低く小柄な、パッと見10代前半の人間。
サラッとした白い髪から覗く、じとっとした2つの眼は色が違い、左眼は青く、右眼は今の闇の夜のように真っ黒だ。青い目の下には黒子が2つついている。
首元の、ボタンの2つ空いた真っ白なカッターシャツからはいかにも『面倒臭い』雰囲気が漂っている。その上にもう1枚少し色褪せた服を来ているが、やっぱりボタンは止まっていない。
肩には小さめの袋をかけ、右脚には黒く光る銃がベルトで固定されている。
辺りは1面の花でぎっしりと埋まっていた。
右を見ても、左を見ても、前も後ろも、もちろん下も、花、花、花。上を向かない限りどこを見ても色とりどりな美しい花畑が広がっている。
「凄いねノア、まる3日歩き続けてもずっとこれだよ。どこまで続いてるんだろうね...」
「うん。本当」
ノアと呼ばれた少年は、真っ直ぐ前を向いて、歩きながらそう言った。
「あ、この花綺麗だね、レイラ。レイラにぴったりだよ...」
「うん。本当」
「...ノア、疲れてる?」
「...あぁ、本当...。ライクもいつもの元気はどこへ行ったんだい...?」
3日間全く同じ景色を見続けている2人の精神は、悲鳴を上げていた。
—continue—