複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.126 )
- 日時: 2016/08/17 16:43
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
深く帽子を被った男性は一人のシェフを追っていた。シェフは一人の女性の遺体を運びながら森の中へ入る。夜中の森は動物の声や月明かりが孤独を忘れさせ、シェフから漂う腐った匂いを頼りに男性はシェフを追いかける。深く帽子を被った男性の名前は津田。国に所属しているエージェント。するとシェフは森の中にぽつんと建てられていた古い料理店ヘ入る。
「こんな所に料理店が?」
津田は笑いながら料理店を見る。
「注文が多く無ければ良いのだが」
津田はある物語を思い出しながら料理店の中へ入る。料理店の中は木を基調とした落ち着いたモダンな雰囲気だった。店員の女性が津田を席へ案内する。津田は女性を見て笑う。
「彼女の価値は月、12万円と行った所か」
津田は全ての価値を金で判断していた。そして女性はキャンドルとフォークとナイフを津田の元へ持っていく。津田は質問をする。
「このキャンドルとフォーク、ナイフは何で出来ているんだ?」
「何故そんな事を?」
「フォークやナイフと言えば、木材、金属が主流だ。しかしこれはそれにも属さない。だから聞いているんだ。理解してくれ」
「さあ?分かりません」
答えてくれるのが当然のように津田は嫌味な顔をする。店員の女性は無表情でその場を立ち去る。津田はフォークを見る。しかしいつまで立っても料理は来ない。津田はシェフの元へ行く。すると、シェフは巨大な肉切り包丁を津田に向ける。
「お客様は席に戻るんだな....」
津田は呟く。
「どんな手法で僕を殺しにくるのかを待っていたが結構待ち時間が長くてね……。どう言うつもりだい?連続殺人鬼ビリー・ブルータル」
「日本語は難しいんだな....」
津田は銃をビリーに向けようとするが女性店員が水を津田にかける。
「お客様、当店、山猫でクレームはご遠慮させて頂きます」
「……身体が」
「私の能力は、水操。水という物質のみを自在に操る事が出来るのよ。例えば、水の量、水の色、水を動かす、水に状態変化を付ける、水の味を変える」
「念能力……」
「私は本気になればこの世の水を全て海水に変えられる。また、肉体の水分の物質を変化させ、身体に異変を起こす事も出来る。さらに水を操れるため人間そのモノを操る事も可能なのよ!」
「……この水は麻痺と言う状態変化を付けたのか?」
「私は人間の肉が大好きなのよ。特に若い男はね」
「私は国の関係者だ。君達をマフィア組織や超能力組織から守りにきた……」
ビリーは津田を見る。
「....守りに来たんだな?」
「君達は超能力者のせいでマフィアから安い金で雇われ、または脅されか?……不完全なまとまりの無い超能力組織から無償でミジンコ共を殺すと言う面倒なボランティアを請け負われ。……そう考えると国が保護する方が安全だ」
「....本当なんだな?」
「人間の肉も保障する。もう誘拐する必要も無い」
「嬉しいんだな!」
「そうか。なら俺を今すぐ元に……」
ビリーはニヤリと笑う。
「でも今はお腹がペコペコなんだな。後の食事よりも今の食事の方が良いんだな。それに国が出す人間は全部クローンだな。人間は養殖より天然の方がおいしいんだな」
「……ビリー!」
津田は目覚めるとまな板の上にいた。女性店員は笑いながら話す。
「え〜、動画を見ている皆さん。毎度こんばんわ!今回の食材は日本人の津田君です!」
「何だこれは!」
「会員の...え〜と皆さまは後日お届けするので待って欲しいんだな」
「こんな動画、警察が見れば……」
「動画を見ているのは大体、フィクサー。つまり警察を黙らせる事が出来る権力者。だから警察は無意味」
「……」
ビリーは巨大な肉切り包丁を出す。
「今回の料理は人間のフルコースなんだな」
女性店員は笑いながらハサミを取り出す。
「此処で人間の調理する前の事項を話します。まずは今回は男性ですが女性の場合、大体化粧をしています。その場合はきっちりと化粧を拭きとって下さい。また、飲酒後の人間を食べるのは健康に良くありません。不純物が身体の中へ入ってしまいます。ただ好きな方はいますが。また、髪の毛等の毛がありますのでちゃんと隅々まで剃って下さい。本来は業者がいますが我々は自給自足をモットーですので。ちゃんと耳の中の耳毛まで取り除いて下さい。また眼球、歯等食べられない部分は取り除いて下さい」
ビリーは調理を開始する。恐ろしい程の悲鳴が鳴り響く。
「血抜きは忘れちゃ駄目なんだな」
「今回は脂を減らしましょう。ダイエットしないと」
「嫌なんだな。人間は脳みそとわき腹が美味なんだな。それにしても太った人間が食べたいんだな」
「駄目ですよ。これ以上に肉を食べたらただでさえこんなに臭いのにもっと臭くなりますよ?」
「それにしても唾液が汚いんだな。折角の美味しい舌が台無しなんだな」
「……ァァァ」
「大丈夫だよ君を立派なメインディッシュにしてあげるんだな」
そして料理は完成する。
「会員の皆様。このフルコース8万円です。是非召し上がりたい方は、こちらのお電話まで!」
ビリーは人間の部位をつまみ食いをする。
「美味しいんだな。口の中いっぱいに肉汁が広がっているけど脂っこくなくこのお肉はとても油がさっぱりしているんだな。 だからしつこくなくそれでこの甘みなんだな。口の中が溶けているようでクセも無く、お口の中で味が爆発して見事に僕の口と頭と心に良い起爆剤になったんだな!何度でも食べたいんだな」
「しかし津田さんは世界で一人。そう超天然なんです。養殖では物足りない貴方!是非ご来店お待ちしております!アメリカまで来れない方は配送も可能ですよ!店の美味しさそのままですのでご心配もありません!」
画面には津田のフルコースが表示される。そしてその様子を雷電・Vは電波をジャックして見ていた。
「狂気的ですね」
「しかも全然超能力じゃない……!」
「まあもうアメリカにいるのだからしょうがないではないか。ビリーを改心させるために行こうではないか」
雷電・V達をミディアム達が見ていた。
「……」