複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.129 )
- 日時: 2016/08/18 18:03
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第七幕 無題
九里戸市と言う地域に、九里戸大学と言うかなり偏差値が高い大学があった。それにテレビ等に出演している有名な大学教授が勤務していた為、九里戸大学は定員割れも無く順風満帆であった。そんな有名な大学教授はタバコを大学内の屋上で吸いながら、一人の少女に英雄論を語る。
「英雄とはいかに他人を犠牲に出来るかが重要。さらに犠牲の仕方、犠牲にさせる訳にはいかない重要な人物をどのタイミングまで疑問視させないのかを考えるのが大切だと考える」
「その他人はどうなるの?」
「恋色羽。その他人の事は忘れる事が出来れば人生を無駄に生きる事は無い」
「香川教授?」
「ヒーローは世界を守るためならヴィラン(悪人)よりも卑劣な手を使わなければ得られるモノは少ない」
「つまり仲間を犠牲にしても敵をやっつけるって事?」
「大雑把だが大体合ってる。さて最後の講義の時間が終わる。これから有名人が見たいが為に取材やら何やら忙しくなる。手短に始めよう」
「だから、私以外に超能力者はいないの。まあ信じてもらう気は無いけど」
「全く、誰が輪廻転生を操作出来るって証明が出来るんだ」
「なら今からアンタを殺せばいい」
「な、止めろ!馬鹿!死んじゃうよ!」
香川は取り乱す。
「冗談。予測出来ない事には本当に弱いんだね。馬鹿みたい。頭が良くても性格がクズだとこんな風になるって分かるわ」
「か、簡単に死ぬとか言うな!それに私は天才だ!」
「裏返った声で騒がないで。クズ。貴方の鼻の中にどんぐりを入れて二度と鼻水を出さない様にしてやるわ」
「……超能力者のする事じゃないな」
香川は屋上に丸椅子と机を用意する。恋色羽は用意する最中に手帳を落とす。
「懐かしいな。その手帳。初めて会った時を思い出す」
「……思い出しちゃったわ。気色悪い」
数か月前。香川はテレビに出演しており大学の案内をしていた。
「超能力とか言う不可解な事はあり得ず、幽霊等もいません。まあ私も無宗教ではありますが、意識はしておりませんので大晦日に神社でおみくじは買いますよ。信じませんがね」
場は盛り上がる。
「本当に超能力とか想像力が豊かですよ。私にはそんな才能はありませんからね。光の反射で透明になれるとか。科学っぽい事を引用してはレーザー、レーザー。ハハハッ!まあアニメで楽しめる分良いんじゃないんですか。
私は、あ!どうしてこのような現象が起こるんだ!どうして身体の構造がこうも変わるんだ!何故こんなに都合が良いんだ!
とか考えてしまって。ああ、天才は苦悩するな〜」
場は盛り上がる。
「特に幽霊や輪廻転生とか信じてる人。馬鹿とは言いませんがあまりにも死後を期待しすぎて……。笑っちゃいます。霊能力者とか陰陽師とか。凄いですよね。あれで金稼いでいるんですから」
場は盛り上がる。舞台は屋上へ変わる。すると、近くにいた少女が手帳を落とす。香川は良い人ぶって手帳を拾い上げる。
「どうぞ。お嬢さん」
「……霊能力者はいる!」
「は?」
「私は霊能力者。輪廻転生を操作出来るの!」
「……はあ」
これが二人の出会い。その後4時間も渡って、輪廻転生について語り合う。