複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.156 )
- 日時: 2016/08/27 17:39
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
法堂はモルドと風柚竜と第九地区を探索する。
「今なら、人間が1000円だよ。お買い得だよ!」
「人間の丸焼き、いかがですか〜。見た目は悪いが味はバッチリ!」
「この人間。物、運べます」
法堂は人間達を見る。
「……」
風柚竜は語る。
「酷いですよね。でも、これがこの世界の文化。生まれた時から人間は蟻と同じ存在ですから。ただ、蟻が大きくなっただけの存在」
「この現状を人間に伝えたい。人間の世界に行く事は出来るのか?」
モルドは時刻表を見せる。
「この時間の間だけです。人間世界の長期滞在は危険ですので人間世界に留まろうとはしないでください」
「……?」
「私達は、生きている人間の傍にいると何故か、具合が悪くなるの。ああ、揶揄的な汚れるとかじゃなくてそう言う体質」
「そうか……」
「勿論、人間を保護しようと言う考えを持つ人もいます。それが……」
モルドと風柚竜はある施設の中へ入る。法堂も続く。
「これは……」
「数少ない人間保護施設。大体、人間を実験体にしようとする者達から救った人間が多いです」
人間達は、窮屈な籠の中に入れられている。
「我々は人間の扱いに不慣れなの。それにガスマスクを付けないと気分が……」
「俺は……大丈夫」
人間達は叫ぶ。
「助けてくれ!助けて!此処は何処だ!俺をどうするつもりなんだ!俺には家族がいるんだぞ!」
ガスマスクを付けたエイリアンは話す。
「腹減ったのか?……人間って何話してるのか分からないぜ。見た目は超能力者と同じくせに」
法堂はどちらの言語も聞き取れる事が出来た。そして気付く。
「凄い……。此処の言語は高速言語を利用しているのか」
つまり人間よりも言語機能が発達していると言う事である。すると、一人の男性が法堂に向かう。
「どうも僕の名前はフレデリックです」
「あ、法堂です」
「彼は人間を管理している責任者。人間世界で人間の暮らしを研究しているよ」
「ガイアレンズさんに聞きました。貴方が元人間と言う事に。今から、転送装置で第四地区へ一緒に向かいましょう」
「第四地区って超能力者以外立ち入り禁止って……」
風柚竜は説明する。
「フレデリックは第四地区の王族と呼ばれる者達の一人です。彼に選ばれた者は誰でも第四地区へ行く事が出来ます」
「とはいえ、僕が所有している領域のみだけだ。さあ、人間を研究したい地獄門君が君を待ってる」
フレデリックはランプを持って、法堂とテレポートする。
「第四地区は一番人間世界に近いな。法堂が逃げなければ良いんだけどな」
「それより他の地区との構図を見ないといけません。他の地区では戦争中ですから」
「悪魔地区の奴等が厄介だな。最近、アンドロイドの開発を進めているから」
フレデリックと法堂は第四地区へ移動する。
「地獄門さん?」
地獄門と呼ばれた二人は騒ぐ。
「おい!兄貴!フレデリックは俺を呼んだんだ!引っこんでろ!」
「裁。君の行動に制限をかけようか?」
「兄の地獄門 士。妹の地獄門 裁。兄妹喧嘩かい?仲が良いんだね」
「良くないよ?」
「それよりこいつが元人間か?今は立派な疫病神だな!」
「疫病神?さっきから思ったんですけど何ですか?」
「君は妖怪、疫病神。人々に災いしかとどけない嫌われ者です」
「え〜……」
「まあそんな人達はいっぱいますのでそんなに気にする事ありませんよ。まあ貴方に不幸の連続が必ず訪れますが……」
地獄門達は人間を実験体として使っていた。
「人間は水を与え続けると死ぬ事が今回分かったよ。我々、超能力者と肉体構造は変わらないみたいだ」
実験台は口から大量の水を吐きだす。フレデリックは呆れる。
「水責めは拷問の一部です。よくありませんよ?」
「俺の能力で水を飲まない事を拒絶させたら人間は腹が破裂するまで水を飲み続けるんだ。それが面白くてな!」
フレデリックは実験体に触れる。すると実験体の体調が元に戻る。
「あまり使いたく無いんだけどな……」
すると研究室の中に誰かがやってくる。
「ああ、スネグーラチカ様。今日も此処へ?」
「城の中は退屈だわ?王族は第四地区から出られないなんて....」
スネグーラチカは法堂を見る。
「貴方が元人間の疫病神?折角人間ごときから脱却出来たのに疫病神なんてツイて無いわね」
「……人間ごとき?」
「当然よ。あんな蟻みたいにゴチャゴチャしている奴等なんて」
「……人間は蟻とは違う!」
「....私はジェド・マロースの娘よ 控えなさい。元人間の幽霊ごときが名家に意見して良いと?」
法堂は時刻表を見る。法堂はランプに触れる。
「フレデリックさん、移動するランプってどう使えばいいんですか?」
「それは念じた場所を思い浮かべれば……」
法堂はランプで移動する。しかし、フレデリック、地獄門兄妹、スネグーラチカも一緒に移動してしまう。移動先は人間世界。
「戻れた……」
法堂は全力で走る。スネグーラチカも追う。
「待ちなさい!この私を侮辱しているのですか....?」
地獄門達は人間に喜ぶ。
「捕まえて実験台にしようか!」
「それじゃ次は宇宙空間に人間を入れ込もうぜ……!」
「法堂がランプを持っていってしまった。王族がこんな所にいるなんて知れたら大問題だよ」
一方、人間達は武器の練習をしていた。
「化け物を殺せ!」
無名はプリンを食べる。
「……もっと強力な武器が不可欠だ……」
雲井はアアラーフと語り合う。
「雲井さん。人間と化け物って分かり合えないんですか?」
「化け物は悪だ。更生させたいのが本音だが更生出来ない奴がいる。そんな時は、この刀で……斬る」
「……そうですか」
アアラーフは隠れて写真を見る。其処には、父親と母親の写真があった。
「アアラーフ……」
マムルークがアアラーフに話す。
「……」
「やっぱり皆、あいつ等と闘うみたい」
「そうか……」
一方、法堂はスネグーラチカと共に探索をする。
「こんな汚い家畜部屋なんていたくもない....!そのランプで移動して!」
「アアラーフ!マムルーク!何処だ!」
「何言っているのか分からないわよ。人間の言語なんて使わないで。それより、私、キャビアが食べたいわ」
「もう、黙ってくれよ!」
「何、人間のくせに騒いでんのよ...私よりも弱者が」
スネグーラチカは付近の空間を凍結させる。
「寒い……!え?」
「私を侮辱したから処刑するわ。バッカね....!凍死なんて生易しい殺し方はしないわよ!」
「あああああああああ!!!」
その叫びはアアラーフや地獄門達に届く。傍に防寒服を着た無名がいた。
「……超能力」
「助けてくれ!助けて!」
「....!.....人間にも恐怖と言う感情があるのね。確かに地獄門やフレデリックが一目置くだけあるわ。でも私に逆らえばどんな奴でも死刑。...例え蟻でも」
「意味分からない事言わないで助けてッ!」
するとフレデリックと地獄門が現れる。
「駄目だよ。名家がこんな所にいるって分かったら……」
「....本気にしてた?私が蟻ごときで怒る訳無いでしょ」
フレデリックは解凍する。人間達が武器を持ちながら法堂達の所へ向かって行く。
「さてランプで帰ろう」
地獄門 士は人間達を見る。
「……マムルーク」
マムルークは隠れる。無名はマムルークを凝視する。
「……あれは人間じゃない」