複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.158 )
日時: 2016/08/28 17:33
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

法堂は町の様子を見る。歓喜の曲が流れている以外は特に普通。

「……人間」

法堂は人間が家畜のように扱われているのを見る。

「俺の父親と母親を殺した化け物がこんなに近くにいるのに、俺はどうしてこんな冷静に……」

すると、異空間から皇京樹が現れる。

「人間の匂いがするな。腐っていて気色悪い匂いだ。この匂いさえなければ俺はこの地区を好きになれるのに」

「……?」

皇はナイフを投げ、人間を刺す。人間は血を流す。

「助けて……!うあああああああ!!!」

「騒ぐなよ、トンボ。胴体取ってシーチキンにしてやろうか?」

「止めろ!ぐあああああああああああああああああ!!!!」

皇は人間を解体する。

「な、何やってんだ!」

「人間解体。てか驚くなよ。血はちゃんと拭くって」

「何で人間にそんな事が出来るんだ」

「お前は人か化け物か?」

「……え」

「人なら解体」

「……俺は」

皇は笑う。

「お前だろ?元人間。第十三地区の奴等が騒いでいたぜ?人間ごときがこの世界に権利を持って立ち入ったってな?」

「……そんな情報」

「俺は普段、刑務所で拷問受けてんだ。すると隣で拷問させられている奴とか看守と話してんだよ。確か、ゼロって言う悪魔がお前の事話していたよ」

「何処から漏れたんだよ……」

「俺は人間が大嫌いなんだよ。気持ち悪い」

「お前と何が違う……!」

「全てさ」

皇はナイフを法堂に投げ、空間を移動する能力でナイフを頭から落とす。

「俺は次元を司れるんだ」

しかしナイフの場所がずれてしまい、かすり傷程度しかダメージを与えられない。

「もう一度聞く。お前は人か化け物か?」

「俺は人間だ!」

「ならば死ね」

すると皇の元にエイリアンが現れる。

「……!」

「通報するぞ」

「マムルーク。人間世界に自ら堕ちたクズじゃないか」

「消えろ」

「エイリアンは攻撃したら厄介だ。優しい優しいお仲間が助けに来るからな。一人じゃ生きていけないゴミが」

皇は消えさる。

「マムルーク?……お前」

エイリアンはその場を去る。

「待ってくれ!」

マムルークは呟く。

「……何で法堂がいるんだよ……」

法堂がマムルークの元へ行く。

「何だその姿は……」

「……誰だよ、お、お前」

「お前、化け物なのか?」

「化け物って言うなよ!これでも頑張ってんだから!」

マムルークは法堂の首を掴む。

「法堂……。俺の事は話すなよ」

「……」

「俺だって好きでこんな所にいる訳じゃない。俺は……第十二地区(刑務所だらけの場所)出身で、第十二地区は他の地区よりも身分が下にされてさ」

「お前、エイリアンじゃないのか?」

「俺はエイリアンだが、生まれた時はこの世界だよ。だから本当はエイリアンなんて呼ばれたくない。俺だってこの世界の住民だ」

「……人間もだけどな」

「ああ。だから俺は人間の言葉を学んで、人間世界に行って生活をしている」

「人間の言葉を学べるのか?」

「この世界の方が高度な言語なんだから簡単だ。だが、しようとしていないだけ。誰も蟻の言葉を聞こうとも思わないからな」

「……成程」

「それで俺は一回お前を偶然にも助けた。お前は俺の指示に従うべきではないか?」

「……そうやって上から人間を見て来たんだな。差別する人間になりたいが為に。アアラーフ達を利用した」

マムルークは法堂を投げ飛ばす。

「なら、人間共殺すぞ?俺は今までイジメられてきてばっか。だから、俺以下の蟻共を見下ろすくらい良いだろ?」

「お前、人間を何だと思ってんだよ」

「安心しろ。皇程人間が嫌いじゃない。あいつは、元第四地区の権力者でね。人間に対する憎悪が大きいんだ」

「……」

法堂は人間のマムルークを思い出す。

「そんな……」

「しかし、お前。元人間と言う事で早速注目集めてんじゃん。此処のリーダーなんて滅多に出てこないんだぞ。大体、時計塔で本読んでいるくらいだし」

「黙れ!」

「まあ、俺の正体知った奴なんて殺すか……。お前は信用出来ないからな。何かさっきからうざい事しか言わないし」

エイリアンは法堂をボコボコにする。

「さすが元人間。弱いなー。皇に殺された方がマシだったな。まあ、あいつは一生刑務所暮らしだから中々此処には来れないんだけど」

「……」

「さてさて、口封じに殺すか。大丈夫、アアラーフはちゃんと化け物に襲われない様にするから」

「信用出来るか!」

「だろうね」

すると、法堂はエイリアンを殴り飛ばす。エイリアンは倒れる。法堂はエイリアンが気絶するまで殴り続ける。

「俺は人間……」

法堂も倒れる。

一方、人間世界では新たな武器が流れていた。

「金属器の量産、稲作は成功した!我々は命の全てを賭けて化け物を討伐するのだ!」

アアラーフはマムルークが来ない事に気付く。

「この時間はいつも来てるはずなのに……」

雲井や無名は化け物の世界に入る道標を探す。

「……プリン」

「プリン20個だよ」

「……」

「これは……!」

人間世界と別の世界の境目は何もない。人間が何処かを普通に歩けば、目に広がるのは化け物だらけの世界。化け物達は人間を脅威とは思っていない。

雲井と無名の傍には一人の男性がいた。男性は手袋をしながら聖書を読む。

「……我々には自由になる権利があるんだ。雲井、無名」

「僕はただ、悪を駆逐するだけだ。僕の弟を殺した悪を」

「……プリンだ。プリンが全てだ」

この三人が起こす事件により人間や化け物達の考えが変わる。

そして第十三地区で、一人の少女が立ち上がる。

「やはり私達は選民するべきよ。あの力の世界のように」

「はい、黒姫様」