複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.160 )
- 日時: 2016/08/28 20:39
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
法堂はラーメン屋で起き上がる。モルドが看病をしていた。
「……俺は」
「マムルークと共に気絶してました。何が有ったんですか?」
「俺は人間世界へ行き、お前等の脅威から守る」
「……?」
「ああ、貴方達は良い化け物ですよ。居候はさせてもらいます。ただ極力、人間世界にいたいんです」
「そう言う気分なんですね」
「マムルークは縛って下さいね?」
「……友に対しての言葉には聞こえませんが」
モルドは法堂の頭を触る。
「私は記憶を読み取る力があります。修正等は可能ですが改ざんは出来ませんので安心して下さい」
「え?え?」
「成程、成程」
モルドは金属棒で法堂を殴る。
「……!あああ……」
「駄目ですよ。友にそんな事をしては」
「やっぱり……貴方も」
「何ですか?金属棒で殴ったのは私がアンドロイドだからですか?」
「……」
「差別をしているのは貴方ですよ」
「父親と母親、殺された事あるの……?」
「……」
一方、第四地区では王族が人間の反抗について語り合う。
「ジェド・マロース。人間と我々、超能力者は違うと言う事は分かっているかな?」
「当然だ。人間は害虫。我々は選ばれし者。ただ、姿が似ているだけだ。すぐに特殊部隊を組んで第14地区に配置をする。それより人間世界を完全に破壊しないのか?あんな汚点を」
「汚点?人間と我々は別の種族。君だって氷を扱う超能力者の為、体温が高いんだろ?人間とは違う。だから我々は人間ごときに危惧する必要は無い!」
「……そうだと良いのだが」
「そう言えば、スネグーラチカの様子は?」
「自分の権力に溺れているよ。彼女はわがままでね……。最近は人間の書物に興味を持ち始めている。クリスマスとか、バレンタインデーとか……理解出来ないがね。まあどうせすぐに飽きるんだろうが」
「親バカだな」
第四地区は選民意識が凄く、領地も王族にのみ与えられる。平民は普通以下の暮らしを強いられる。それ以下の奴隷は食べる物は全て人間と言う人間以下ともいえる生活をしている。風柚竜は平民。しかしこの差別に耐えられず、違法に第九地区へ向かう。スネグーラチカは差別を知らないと言うか興味が無い。
「クリスマスって何?」
「クリスマスは大切な人にプレゼントをあげる行事の事よ。これで、デパート、スーパー、コンビニ等の売上が大幅に上がるの。皆が幸せになれる行事」
「....そうなんだ!」
一方、法堂は人間世界に行く。すると男性の写真が天高く飾られる。
「この英雄に祝福を!バンザーイ!」
「神様……。相変わらずだな」
法堂は一部凍結している地面を見る。
「まだ凍ってんのか……」
すると無名が法堂の元へ行く。
「誰だ?」
「……お前、人間か?」
「人間だ」
「……」
無名はプリンを頬張る。
「……次会った時、人間辞めてたら殺すんで」
無名は立ち去る。
「……俺は人間だよ」
雲井は叫ぶ。
「僕達、自警団は最小限の食事以外は全て訓練、武器制作、発展に全力を注ぐんだ!」
「雲井さん!無理です!」
「無理だと思うから限界が来る。限界だと思うから何も出来なくなる。悪を倒す為なら何だってするんだ!」
「はい……!」
無理やりな発展の末、人間世界は驚くべき速度で変わって行く。しかし全て、化け物の世界から与えられた発明は自分たちの思考を奪って行く。それは善きことか悪き事か。今の彼等には分からない。人間世界での死亡率は過労死が大半になりかなり高くなる。化け物は人間の発展に興味は無く対策は取らなかった。
「未だに人間狩りを続ける愚かな化け物を、我々は捕縛する」
法堂はプリンを食べながら、アアラーフを探す。
「何で異常にプリンだけ上手いんだ?」
すると一人の少女がプリンを食べながら法堂を呼ぶ。
「またか……え〜と、誰ですか?」
「第13地区、幹部。黒姫」
「……第十三地区って……」
「死にたくないなら私と話そう」
法堂は黒姫の前に行く。
「私は貴方に非常に興味がある。元人間の疫病神」
「……」
「だから取引を行いたいの。貴方を実験体にしたい。貴方を観察したい」
「……断ったら?」
黒姫は持っている人形を潰す。
「人間をこの世から消します」
「……」
「人間は私達の慈悲のお陰で生きているの。さあ、どうする?答えは第十三地区に来て。リーダーが出迎えてくれるわ」
「分かった……」
「私達は生まれた時からある地区での身分を破壊し、力がある者だけが権力を持つ世界にしたい。実際に行っている地区もあるから問題無いわ」
「……身分か」
「人間も化け物も関係無い世界」
「人間は人間。化け物は化け物だ」
「……まあ考えなさい」
法堂は時計塔を見る。
「……時間か」
「化け物を殺せ!化け物を殺せ!」
法堂は自分の身体を見る。
「俺は……」