複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.163 )
日時: 2016/08/29 18:34
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

地獄門達は話し合う。

「奴隷達と人間の構造は全く違うな。心臓が三つある奴もいるよ!面白いね!」

「俺はある仮説を立てたんだが」

「何?」

「……第四地区の王族って人間の構造と似すぎているんだ。つまり超能力者は人間と同じ……!」

「だとしてもどうでもいいや。別に得する事無くない?」

「未知の新型ウイルスの時も同じ事言ったぞ?良いのか?」

「良いの」

時計塔には皇がいた。隣にはスライム。

「ダイラタンシー。この世界はかつてとても広かったらしいぜ」

「……」

「でも、よく分からないけど何時の間にかこんなに小さくなっていた」

「……」

「この小さな世界に人間って必要か?」

「……」

すると、口裂け女が高速移動しながらやってくる。

「法堂についての情報は?」

「元人間は、疫病神。つまり本来、お前等が管理しないといけない奴だ。別にあいつは欲があるから他の地区が相応しいけどな」

「欲?疫病神なのに?」

「だから元人間だ。普通じゃないんだよ!おもしれーだろ。人としての道を歩むか、化け物としての道を歩むか」

一方、法堂は第十三地区に来ていた。

第十三地区。現在、第四地区(超能力者しか認めない地区)と第三地区(他の種族との共存を目指している地区)が戦争中。火種は第三地区が第四地区を侮辱する発言をした為。第十三地区は元々戦争地帯では無かったが、世界が狭い為、特別に用意された地区。この地区にいた先住民は第四地区に皆殺しにされると言う事件が有名。

「黒姫!裏切ったな!」

すると、ミディアムが現れる。

「黒姫が創った人形が自我を持ってしまった。想定外のアクシデントだと思ってくれれば良い」

「……誰だ!」

「此処のリーダー。ミディアムだ。差別をなくす為に私は全力で第三地区を応援している」

「黒姫もそんな事言ってたな……」

「力だけが全ての世界」

「俺には力が無い」

「力は裏切らない。今からでも力を付けてくればいい」

「……」

「誰にだって可能性がある。悪魔に生まれたからって何も差別を受ける必要は無いはずだ。勿論、人間もだ」

「確かに……」

「だからこの世界をやり直す。それがこの狭い世界の為でもある」

「……でも第九地区の人達が」

「彼等は甘すぎる。人間を、弱者を重度に保護しようとしすぎている。それは彼等が弱いからだ」

「……」

「別に決別しろとは言っていない。ただし……自分の地位は自分で守らないといけないんだ」

「そうか……」

一方、風柚竜は第十四地区に行く。

「此処に人間が入り込んだとすればまた人間がやってくるのも此処かもしれない。今の内に調査をして人間達との連絡をしないと……」

すると一人の幽霊が彷徨う。

「人間世界は何処ですか?」

「私にも分かりません」

「私は法堂。此処は何処ですか?天国ですか?」

「……貴方は?」

「私は人間。人間です」

「……法堂」

そして、一人の陰陽師が現れる。

「待て、そこの幽霊ー。はあ……めんど」

「私は人間!」

「一回、幽霊はお札を付けないと駄目なの。じゃないと憑依する恐れがあるからね。おばさん。こっち来て」

「私は幽霊?幽霊?ねえ?誰か教えて。私は人間?幽霊?誰か言って。貴方は人間だって。私の息子を殺した化け物なんかじゃないって。どうして?私は」

「お前は幽霊。幽霊になったばかりだからパニックを起こしているんですよ。落ち着いて」

「私は人間よ!」

法堂と名乗った女性は陰陽師に憑依する。

「身体の部位が違うが、憑依には成功」

風柚竜は警察に連絡しようとするがこの時に、人間達が禁断の世界に侵入する。

雲井が叫ぶ。

「化け物を殺せ!それが化け物の為にもなる!我々の為にもなる!無意味な殺戮を止めろ!」

陰陽師は話す。

「雲井さん!私です!法堂です!」

「何を言っている、この化け物!消え失せろ!」

雲井は刀を陰陽師に向ける。言語が違う為、話が通じない。陰陽師は憑依した幽霊に話す。

「人間共!お前等ごときのペット、家畜、食料が来る世界では無い!豚小屋へ消えろ!」

「例え、殺すと言う行為が間違っていても我々は人類の為に突き進むのだ!」

人間は大きな発展を遂げた。数日前まで旧石器時代の暮らしをしていた彼等は鎌倉を江戸を越え、明治時代の暮らしをしていた。食衣住は旧石器時代のままだが。

歪んだ発展は人間の脳を腐らせただ数値化された目的へと進み出す。そう、人間に与えられた目的。それは化け物をただひたすら無慈悲に殺す事。

陰陽師は全力で逃げる。

「私は……」