複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.164 )
- 日時: 2016/08/29 19:38
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
陰陽師はひたすら前を走る。
「私は誰!私は何!」
「ふざけるな!俺の身体、返せ!」
「うあああああああああああ!!!」
「……騒ぐな!」
人間は化け物でいなければならない事に気付き、苦痛する。
「だったら抜け出せよ」
「……抜け出し方が分からない」
「元人間が」
「でもこの体を支配する方法は分かるけど」
「……」
陰陽師は第一地区へ行く。
第一地区。他の地区とは違い、完全に孤立している。リーダーもいなければ何もない。いるのは魔術師、陰陽師と愉快な化け物達。巨人と小人、伝説上の生き物が大量にやってくる。
「第四地区?そんなの知らないよ。私はただ、幽霊を狩るだけ」
第一地区のみ、他の地区へワープする事が不可能。その為、第四地区は第一地区の存在すら知らない。第一地区も知らない。
「我々は超能力者ではありません。魔法使いなんです。ただし、この魔法石と言う石の範囲内でしか魔法は使えません。だからステージ上でしか魔法を使えない手品師と同じです」
「誰も知らない世界が誰もが知っている世界を創り出す。此処は始まりの地、第一地区です」
陰陽師は初めて見る世界に驚愕する。
「私って誰?」
「あー記憶飛んだか。俺に憑依なんてするからだよ。それに、そろそろ食事の時間だ。俺は体質的にクソ不味い人間しか食えないんだ。あそこの店に寄ってくれ」
「そう」
陰陽師は店の中へ入る。
「席、取ってくれたか?」
「ああ、嫌われ者のお前と違って良い子の息子さんが待ってるよ」
陰陽師は息子の元へ行く。
「よう!」
「父ちゃん!」
「……今日も面倒な仕事を終えたぞ。俺はいずれ、こんな地区を抜け出してギャンブルをしまくるぜ!」
「……そうか」
陰陽師の前に、人間が出てくる。
「いつもの。人間ハンバーガーです」
「おうおう!人間の種類は!前みたいに汚い雌はごめんだぜ!俺は美人を食べたいんだよ!」
「何が違うんですか?」
「気分だよ。カス」
「酷いわね。貴方」
「黙れ、ババア!」
「父ちゃん?」
「俺の身体がババアに憑依されてよ。まあ、すぐに神社に行って追いだしてもらうけどな」
「……」
陰陽師は人間を食べる。
「良し。どうやって、この地区から出るのか探さないと……」
「父ちゃん?」
「勝手に喋るな!ボケ!」
陰陽師は神社に行く。
「どうも、蓬莱延命呪詛呪像!神社の管理者の漆奈さんは?」
「お前は哀れな悪だ。殺しても良いが家族が悲しむ。だからお前に慈悲を与える。そして更生するが良い」
「いや、幽霊憑依されたんで取ってもらえ」
「消えろ。そして息子の元へ行け」
「……話にならないな。やっぱ、この地区、馬鹿ばっか」