複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.165 )
日時: 2016/08/30 15:45
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

一方、法堂は地獄門達の所へ行く。

「すみません……。他に居候させてもらう所が無くて」

「別に構わないよ。世話になってるガイアレンズや風柚竜の為ならね」

法堂は解体される人間を見る。

「……人間と化け物って何でしょうね?」

「さあ?……人間は現在第十四地区を制圧。第十一地区の奴等がくい止めているよ」

「人間が?」

「化け物の行為に怒ったんだろうな!まあどうせすぐに鎮圧されるんだろうが」

「そんな……俺、人間を守らないと……」

「無駄。お前はもう化け物だよ」

「何言ってんだ……」

「人間は弱い。お前、強くなりたいんだろ?なら、人間を止めなきゃ」

「……無理だ。俺の父親と母親を殺した化け物なんかになりたくない」

地獄門 裁は質問する。

「両親ってどんな人だったんだ?俺達、色々事情があって一度も会ってないんだ……。親って何だ?」

「俺の両親は……」

法堂は人間時代の頃を思い出す。涙が出てくる程の想い出だったが、法堂は涙を流さなかった。いや、流せなかった。

「涙が出ない……」

「幽霊は涙を流さないぞ?」

「……やっぱり俺は化け物か」

一方、人間達は第十一地区と全力で戦っていた。

シーザーとオベルムントを中心とした警備隊は人間達を成敗している。

「シーザー!殺しちゃ駄目なの?」

「人間も生命体!第四地区の言う事等無視しろ!……人間もまた命ある者。我々はそれを根絶やしにしてはならない!」

「……巨大なアンドロイドだからそんな事言えると思うけど。まあ従うわ」

人間達は手作りの爆弾を大量に投げだす。知識も技術も無い人間でも扱える武器を次々と開発し、第十一地区を制圧しようとする。

「殺せ!本当に殺せ。てめえら本当に死ね。消えろクズ。目が汚れるんだよ!」

すると、憑依された陰陽師が現れる。

「ちょっと、子供置いていく気?」

「うるせー。あいつはちゃんと保護施設に預けてる」

「それでも親を……」

「……あいつは俺といちゃ駄目だ。俺と同じ人生を歩んじゃ駄目なんだよ」

「……」

「どうしようもないクズといたって……」

「綺麗事ね」

「あ?」

陰陽師は第十一地区を見る。

「……まさか、害虫共。此処まで来てるとは……。折角の俺の夢、警察官が……」

地獄門達と法堂も第十一地区に現れていた。

「ランプって便利だね」

「でも何でここへ?」

「お前を立派で最強な警察官にする為だよ!」

「……警察官である理由は?他の地区で……」

「何かと犯罪をした時にお前が相手だと見逃してくれるからとかじゃなくて、此処なら安全で確実に君を強くする事が出来るからだよ」

「……」

陰陽師は法堂達に気付く。

「あれって……」

「ただの疫病神……!?除霊すれば警察へのアピールになるかも!」

「あれは私の息子よ!」

「何言ってんだよ。お前記憶無いんだろ?」

「今、思い出したわ……」

オベルムントは陰陽師を見る。

「……エイリアンにも色んな種族がいるんだね。一人でブツブツ話してるんだから……うんうん」

陰陽師は法堂の元へ行く。

「……まさか此処で会えるなんて」

「おい!除霊するぞ!」

「何言ってんのよ!」

「早くしないと、俺の夢が水の泡に……」

地獄門達は笑う。

「エイリアン?君達、宇宙旅行しすぎて頭の空気が空っぽになったのかい?ハハハー!」

「人間もどき超能力者は消えろ!俺はあの疫病神を除霊しに来たんだ」

「だから止めて!あれは私の息子なの」

法堂は話す。

「俺の母親は死にましたよ?馬鹿にしてるんですか?」

「今、私は幽霊でこの人に憑依しているの。でも、抜け方が分からないのよ!」

「蓬莱延命呪詛呪像が取り除かなかったんだよ。頭が固いね〜あの像。思念体のくせに」

「……元人間だからって……これは酷いですよ」

「違うの!私は貴方の息子よ!」

シーザーは叫ぶ。

「人間が進行する!退却だ!」

「ええ?シーザーさん!だから殺しましょうって言ったじゃないですか!」

「……話し合いでも駄目だった。まず言語が分からない!」

雲井は時計塔に刀を向ける。

「化け物の世界を刻む時を破壊するんだ」

アアラーフは止めようとする。

「化け物だって生命体!きっと共存出来る道があるはず!」

無名は法堂を見る。

「お前は人か化け物か?」

人間は陰陽師を撃つ。地獄門達は逃げ出す。

「法堂!」

陰陽師から幽霊が浮き出る。

「……」

その姿は法堂の母親だった。

「どんな姿でも良い。私は貴方を守る」

しかし法堂の母親からは涙は出なかった。法堂は無表情で母親を抱きしめる。だが感触は無い。法堂は人間を見る。

「これが俺が守りたかった人間か?」

目の前には銃を持った人間が法堂に銃口を向ける。

「死ね!化け物!」

「黙れ、人間」

法堂は人間の口を殴り、全ての歯を折る。

「……!?」

「人間の時だった俺の居場所はもうないんだな」

「ちょっと何してんの!?」

人間達は法堂に向けて発砲する。

「俺は化け物か?」

すると、母親が庇う。しかし幽霊なので透き通る。

「……うあああああああああああ!!!!」

アアラーフは法堂を見る。

「法堂?」

法堂は人間とは思えない姿へ変わる。すると、マムルークとモルドが現れる。

「法堂。お前は人間だ。人間が人間を殺すのは道徳的に良くない」

「……」

マムルークは人間を殺し始める。モルドは法堂を運び逃げる。

「モルド……」

「第四地区が動きだすから早めに対策を取らないとね」

「第四地区が?」