複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.167 )
日時: 2016/08/30 20:22
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「でも全然、トナカイ感は無いわね」

「私はクローンの失敗作です」

「....失敗と言う一言では片付けられないと思うけど」

ケリュネリアは人間の言語を話す。地獄門は説明する。

「ほら?失敗作だろ?人間とこの世界の言語が話せてしまうんだから」

「....失敗作なら私が貰っても良い訳ね?」

「構わないよ。僕は今、空飛ぶトナカイを制作しているんだ」

「.....」

スネグーラチカはケリュネリアを連れて人間世界へ行く。人間世界は大きく発展しており、有害物質を吐きまくる工場や誰も管理する気の無い発電所。ガスマスクを付けていないと生きていられなくなっていた。そんな中、神は叫ぶ。

「化け物を殺せ!殺せ!殺せ!」

無名は崎峰とアアラーフとプリンを食べる。

「30個だ。プリン30個で取引成立だ」

「それは隠語かな?」

「……?」

「そのままの意味ですよ。賄賂じゃないです」

「あ、そうなんだ!」

アアラーフ達は化け物達との共存を目指すが、協力者が集まらなかった。ケリュネリアは呟く。

「実は私、ある野望があるんです」

「何?別に聞きたくないけど一応聞くわ」

「私、人間になりたいんです」

「変わっているのね」

「私の身体は人間にそっくりですが、人間ではありません。トナカイのクローンの失敗作です。だから人間と言う生命体に憧れと興味があるんですよ」

「アンタバッカじゃないの?」

「生まれたてなのでご勘弁を」

ケリュネリアは、アアラーフの元へ行く。

「化け物との共存?」

「あ、興味あります?」

「ええ、とても」

崎峰と無名は話す。

「……あんな人間見た事無いぞ」

「知らないねー。ほらプリン追加」

「……旨い」

ケリュネリアとスネグーラチカは、アアラーフ達と話す。スネグーラチカは人間の言語を離せない為、無口と言う事で話が通っている。

「思うんですよ。これは誰かが仕組んだ計画だって」

「どう言う事ですか?」

無名は血まみれの聖書を出す。

「かつてこの本を持ちながら自爆した人間がいた。しかし彼は明らかに、化け物の言語を知っているそぶりで話していた」

「……?」

「つまりこの聖書の人間は化け物の言語を理解していた人間。つまり、あの化け物の世界に行った事があると言う事」

「う〜ん……」

スネグーラチカはケリュネリアに話す。

「興味がある訳じゃないけど....人間の生活、行事について聞いて」

「興味は無いんですか」

「あ、ある訳無いでしょ....私に逆らわないで早く聞きなさいよ!」

「人間の生活、行事について教えて下さい」

「何で?」

「私は別の地方から来たので此処の文化が知りたいんです」

「……?まあ良いわ。此処は24時間労働で頑張ってますね。補給部隊、特殊部隊、遊撃部隊等、様々な部隊が日々化け物駆逐の為に頑張ってます。我々は魔法や超能力なんて持っていませんので自らのセンスが問われます」

崎峰は呟く。

「魔法や超能力なんてあったら皆、化け物だね。人間じゃないよ。ウケルー!」

無名は黙ってプリンを食べる。

「……お前、共存目指してんだよな……?」

「私は楽しければ良いのー!フォー!こんな退屈で有害物質まみれの世界にさよならをー!」

「行事ですが一切ありません。そんな余裕はありません」

「行事は無いらしいですよ」

「....クリスマスも?」

「クリスマスも?」

「何ですかそれ?」

すると無名は本を取り出す。

「……お父様?」

スネグーラチカは本を読む。本の内容はサンタクロースの本。

「サンタクロース。かつて一年に一度、人間達に無償でプレゼントを配ったお人好しだ。ボランティアの鑑だよ」

「サンタクロース……」

ケリュネリアは歓喜の表情になる。

「素晴らしいですね。こう、人間にもそれなりの考えがあるんですか」

「……人間?」

ケリュネリアはスネグーラチカと共に外に出る。

「急にどうしたの?」

「観光をしましょう。此処は気分が悪いです」

「空気は悪いけど....」

無名は後を追う。

「彼女達は怪しい。プリン50個で尾行する」

「分かったわよ……いちいち言わんでよろしい」

ケリュネリアとスネグーラチカはある建造物を見る。

「これって……」

「プレデタークロックタワーそのモノですね」

其処には時計塔が建てられていた。

「この二つの時計塔は、人間と化け物、それぞれの時間を示しているんでしょうね」

ケリュネリアは不気味に笑う。