複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.169 )
日時: 2016/08/31 16:23
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

すっかり説明をし忘れていました。申し訳ございません。ゲストキャラと言うのは、前作の名も無き世界と言う小説のオリキャラがゲストキャラと言う事で再登場します。

前作の小説が終わったからと言ってオリキャラを捨てるのでは無く、もう一度、折角考えてくれたオリキャラを出演させたいと言う考えからゲストキャラと言う名目で採用させて頂きました。

これからも応援宜しくお願いします!

此処から本編です。

ケリュネリアは手を広げる。

「素晴らしいですよ!この世界は!いくつもの差別、種族、権力が混じり合っている!まさしく混沌です!」

「……疲れてるの?」

「私はもっと知りたいですよ!この世界の全てを!まあ世界の範囲は小さいので、頑張れば大丈夫そうですね!一緒に行きましょうよ!」

「私も知りたいわよ。だけど私は第四地区からは出られない。それこそ、差別と言う理由でね。私達と人間って何が違うのかな?」

「どうでも良いですよ。私はただ、この世界を楽しみたいんです。少しだけ、戦争地帯を変えますか」

「え……?」

ケリュネリアはトナカイのツノを生やし、化け物に変わり第十四地区を破壊し始める。口裂け女は人間にまぎれてリーダーに連絡をする。

「口裂け女は第三地区にいるんじゃ?」

「あそこは気分が悪いね。それより、モンスターが暴れているんだけど?」

「それじゃ適当に混ざって人間殺して。第十一地区も制圧されているから殺害についての問題は無いと思う」

スネグーラチカはケリュネリアを見る。ケリュネリアは人間を捕食し始める。

「うめええええええええええええ!!!!!やっぱ人間最高!」

「人間と私達は共存出来ない……」

「そう、食うか食われるか。本来この世界は弱肉強食だよ。それが一人人間が死んだくらいでギャーギャーウジ虫共が喚きやがって。てめえらなんて生きている価値ないんだよ」

スネグーラチカは超能力を使う。

「正しいのか間違っているのかは分からないけど、私がやらないといけないんだ」

無名はスネグーラチカを見る。

「……」

スネグーラチカは吹雪や雪崩を起こす。蓄積された雪により、人間達は身動きがとれない。ケリュネリアは呟く。

「何の真似かな?」

「成程、だから失敗作なのね」

ケリュネリアは身体中から毛を出す。

「氷剣【コールドソード】」

ケリュネリアはツノを折って剣にする。

「ねえ?自分は寒くないの?」

「……」

「寒くないよね?だって、君は化け物だからさ」

ケリュネリアとスネグーラチカは交戦する。

「何よ……少し身体の機能が違うだけじゃない」

「その少しの違いで人は差別を覚える」

口裂け女は人間達を切り刻む。

「雪に埋まってるからラッキーね」

真っ白な雪は真紅の血に染まる。一方、ケリュネリアは凍え死にそうになる。

「……権力だけじゃないんだな」

「……降伏をしなさい」

「抵抗の間違いじゃ?必殺技、サイクロンシューサー!」

ケリュネリアはツノを生やし突っ込む。

「フリージングワールド」

ケリュネリアは凍結する。

「絶対零度に閉ざされた貴方はもう永遠に冷凍保存されたわ!せめて、安らかに眠りなさい!そして貴方の罪を一つ一つ思い出して懺悔しなさい!」

無名はスネグーラチカに話す。

「やっぱり化け物か?」

「……!?」

「随分と長台詞を吐き捨て……気分はどう?」

「人間?」

「共存なんて甘ったるいな。プリンの様に……」

スネグーラチカはその場を立ち去る。

「……アアラーフ、崎峰」

アアラーフと崎峰が無名の元へ行く。

「……この雪は……スネグーラチカが……」

「綺麗だね〜……!」

スネグーラチカは呟く。

「私は別に人間を助ける為に戦った訳じゃないけどあんな風に言われると少しショックだわ……。って別に蟻なんかにどう思われても関係無いはず……!」

一方、法堂は風柚竜、フレデリック、モルド、地獄門、マムルーク達の元へ修行をしていた。

「あの幽霊って本当に母じゃないんですか?」

「人間が幽霊になる事は珍しい。それに親子で幽霊なんてもっと珍しい。きっと、罠だったんだよ。悪魔地区とかの……」

「……」

法堂は人間について考える。人間達の反応で完全に自分は化け物だと自覚した。精神が不安定なので地獄門に精神安定剤を打たせている。

「人間世界に行ってきます」

「ああ……」

法堂はアアラーフの元へ行こうとするが大雪に驚愕する。

「……何だこれ?」

「炎でも全然溶けません!どうしましょう!」

法堂は雪かきをするアアラーフの元へ行く。

「……久しぶり」

「法堂……」

法堂は自分の事情を話す。

「しかし、君がマムルークの事を知っていたとは……」

「そうだね。懐かしいな……。あの頃は皆、無欲だったのに。今はもう欲塗れ」

無名は法堂達に銃を向けながら隠れて見る。

「化け物ごときが人間と対等に話すなよ」

法堂とアアラーフは想い出に浸る。

「でも、俺は人間だった頃を忘れてしまいそうなんだ。とてもとても辛いけど、その辛いと言う感情さえ消えてしまうんだ。怖いよ……」

「……私は忘れないよ。絶対に」

するとアアラーフは撃たれる。

「……え」

突然の事で法堂は動揺する。

「アアラーフ!?アアラーフ?」

法堂は周りを見ると、無名が逃げ出すのを確認する。

「……」

法堂は無表情になり、完全に化け物に変わる。

「人間共が」

法堂は無名を追う。無名は法堂に銃を向ける。

「……寄るな化け物!」

「……」

「差別主義者!大量殺戮者!悪魔!ゴミクズ!化け物見てると目が腐るんだよ!」

「……」

法堂は立ち止り悲しむ。無名は叫ぶ。

「……化け物を殺せ!こんな世界にした化け物を殺せ!」

「……!」

無名は法堂に微笑む。

「無口が言葉を発すると必ず、振り向いてくれる。お前等のようなオオカミ少年じゃないんだよ。化け物に協力する人間も消さないと……」

「……」

しかしランプを持った何者かが法堂を移動させる。

「分かっただろ?いかに人間がどういう生き物かって」

「ミディアム……」

「俺達の所へ来い。そして強くなり差別をなくすんだ。俺はお前の全てを叶えてやる。俺だけがお前の全てを理解してやる」

「……」

「お前が人間を殺さないと、誰が自分自身を守るんだ?」

法堂は感情を失っていた。

「お前の居場所は人間世界には無い」

「……」

「人間は何だ?」

「蟻」

交わらない時計塔 続