複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.175 )
日時: 2016/09/01 16:41
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

亞兎さん、オリキャラ投稿ありがとうございます。

これからも応援宜しくお願いします!

此処からは本編です!

佐久間は看守部屋へ行く。看守は全員で三人。川崎と磯野 佐波美(いその さばみ)。植野と言う看守が二人の男性を審査していた。

「何やってんですか?」

磯野は答える。

「私達って看守すんの面倒な訳。だから社長に内緒でフリー暗殺者を雇っているのよ」

「勝手にやって良いんですか?」

「良いのよ。副社長が許可してるから」

「はあ……」

一人目の男性は書類を見せる。

「どうも、トルベルアです!あの前年、卒業試験に合格したネームレスの看守です!」

二人目の男性は書類を破る。

「犬山だよ!カツサンド大好き!トルベルア大嫌い!」

「……」

犬山は佐久間に向かって話す。

「カ、カ、カ、カツサンド!」

「……あ、ああ、カツサンドは俺も好きだよ」

磯野は笑いながら、佐久間を追いだす。

「と言う訳で忙しいのでまた後で」

「あ、何をしたらいいのか分からないんですけど!」

「武器制作でもしてなさい。それか子会社の様子を見るとか」

佐久間は部屋を周り、ようやく作業部屋を見つける。武器制作もミゴ・ロークフの子会社。ただ質が玩具。武器の制作の種類は主に拳銃。刀等の刃物は社長の趣味じゃないらしく制作していない。

作業部屋には貝田と二人の男性がいた。

「もう結構働いた……」

「駄目ですよ。まだ40円分しかもらえませんよ」

「……どうも」

「あ、どうも。私は草野 啓作(くさの けいさく)。こちらは……」

「ワンスモア・・・・・I」

「……」

「今、私達は、この会社でも特に落ちこぼれ。暗殺者になる価値すらない者達の集まりです」

「え?」

「あ、作業しながら聞いて下さいね。どうせ、拳銃なんて他の企業から買った方が得ですから」

貝田は呟く。

「俺は拳銃に興味があったから来たんだ。ただ……質が悪すぎる。機械を使わないんですか?」

「・・・・・・」

ワンスモア・Iは何も話さない。草野が代わりに応える。

「そんな金はこの会社にはありません。私も暗殺で稼ぎたいんですが、能力が無くて……。ええ、卒業試験に合格できたのは大抵、ワンマンチームだったからですよ。一人の有力選手以外は皆、数合わせの残りカス。私には、息子がいるんですけどね」

「子持ち?」

「ええ、まあこの寮に勝手に住ませているんですが。食費やら学費やらが本当に大変で。バイトもしたいんですが、まともなバイトは暗殺者には出来なくて……」

貝田は呟く。

「暗殺者を止めれば……」

「無理ですよ……」

「どうして?」

「……」

ワンスモア・I達はずっと武器制作をし続ける。施設で鍛えられた体力で、佐久間達は何も辛くは無かった。

「……これ、普通の人間だったら、訴えてるよ……」

「労働13時間通過だ。現在、1:00……もやしが愛おしい……」

草野は呟く。

「これで1300円ですよ。時給100円。……小林財閥の方がマシ」

ワンスモア・Iは淡々と拳銃を創り上げる。

「試し撃ち……」

ワンスモア・Iは今まで造った拳銃を撃ち始める。

「金が足りない……。今日、上の飲食店で奢って下さいね?」

「後輩にですか?」

「ワンスモア・Iさんは付き合い悪いし、大須賀さんはもやししか食べないし、ミスターHさんは変態だし、一之瀬さんは24時間働いてますし、しょうがない。唯一の金持ち。エデルさんに奢ってもらおう」

「エデルさん?」

「動物が好き過ぎで部屋に大量のペット飼ってる人です。ただ普段社長命令ですらペット優先にする人ですから……」

貝田は話す。

「もやしよりはマシ……」

犬山は鐘を鳴らしまくる。

「ジリリリリ!3:00!3:00!……おはようございます。めざまし……」

トルベルアは鐘を止める。

「今日は、小林財閥の情報を何でもいいから見つけてこい!」

佐久間と貝田は話す。

「ざっくりしすぎだろ……」

「……何だ、このやる気の無い感じは!もっと気合を入れろ!」

大須賀は話す。

「気合があるなら他の会社行けよ」

「……」

ミスターHはスマホでネットショッピングしながら、栄養ドリンクを飲む。

「何日間寝て無いんだっけ?まあいっか」

草野はエデルの元へ行く。

「朝食はお願い出来ますか?エデルさん」

「全然問題ないよ!ペットのサソリや蛇も連れて行くね!」

「……ええ、ええ。それに新人達も息子も来ますから」

「はいはい!……え?」

当然、作戦はグダグダ。佐久間と貝田以外ほとんど何もせずに終了。

「あー。暗殺の仕事が一番の休息だ」

「まあ仮眠のみしか取れないが」

磯野は指示を出す。

「午前6:00に朝食。それまで各自、会社の為に貢献をしろ!貢献出来ない奴は給料カットだ!」

すると、一人の女性がアイドルの格好で騒ぐ。

「すみませーん!ライブがあるんで抜けます!」

「うむ、会社の為に働いてこい!」

佐久間は女性に話す。

「ラ、ライブって?仕事しなくて良いの?」

「この格好と私の顔を見て言ってるの?私は、ミゴ・ロークフの子会社であるアイドル事務所の現在売り込み中の新ジャンル、暗殺系アイドル。忍賀ヒカル(にんが ひかる)よ!」

「……暗殺系アイドルって何だよ。絶対売れねえだろ」

ミスターHは興奮する。貝田は怪獣系のフィギュアを眺める。

「頑張るんだぞ!」

「応援ありがとう!」

貝田は呟く。

「俺は萌えが嫌いだ。全くあんな輩がいるからオタクは勘違いされるんだ」

「何!?」

すると、磯野が現れ、貝田のフィギュアを取り上げる。

「これは暗殺には不要だ。お前等はただちに持ち場へ戻れ」

「……フィギュアの価値が分からない奴に触れて欲しく無いもんね〜!」

「軽蔑するぞ?」

「……」

一方、佐久間は大須賀に呼ばれる。

「お前、結構やる気あるじゃないか。それでな、興味を持った奴が現れたんだよ」

「興味?」

「ああ、秘書だ」

「秘書?」

「社長秘書。本来なら秘書を雇う金も無いんだが社長がうるさいらしくてね」

大須賀と佐久間は外に出る。

「しかし、雑だよな。この地下施設。社長が少し株で儲かったからって造ったらしいんだけどさ。馬鹿だな〜」

「……しかしこの町って凄いですね。周りに大きなビルが建って……」

「全て、小林財閥の子会社、もしくは傘下に入っている会社が所有しているビルだ。いずれにしても、暗殺者の賃金は大分下がっている……」

「へぇ……」

大須賀と佐久間は、飲食店へ入る。

「此処はもやしの上の子会社だ」

店員が駆け寄る。

「秘書は?」

「あちらでお待ちになっています」

大須賀と佐久間は秘書の元へ行く。

「彼女はマシロ。あの馬鹿社長の秘書とは思えないほどの有能な秘書だ」

「私は、マシロと申します……」

「……マシロ?どっかで聞いた事が……」

「話、しても良いですか?」

すると、一人の客が騒ぐ。

「おー!おー!暗殺者諸君!元気か!」

店長と思われる女性が客を止める。

「酒飲み過ぎですよ。ロビンソンさん」

「ひひっ。人、殺して金稼ぐ!最高だね!」

「ほら……」

「俺の親も弟も、お前等に殺されちゃったんだよ!」

佐久間は客を見る。

「彼もどっかで……」

大須賀は酒を飲む。

「佐久間。お前、馬鹿だろ」

マシロは話す。

「佐久間さん、貴方にしか頼めない仕事があるんですよ」

「何ですか?」

「会社の再建です」

大須賀は笑う。

「無理無理。今の状態じゃ倒産を待つだけだ。あんたも別の企業に就職すれば良い」

「私は此処が好きなんです」

「このゴミ袋が?前まで嘆いていたじゃないか」

「……」

佐久間は気合を入れる。

「勿論です!俺がこの会社を救う!」

「そうです。その為には、ライバルである玩具会社、ミミーズの不祥事を見つけるしかありません」

「……ほほう」

「とはいえ、ミミーズも暗殺者を雇っています。最近では水掛と言う優秀な暗殺者が入社したみたいですし」

「……それで?」

「後1年半でミミーズを潰して下さい。そうすれば私達の商品は売れます」

大須賀は話す。

「戦力もあっちの方が高い。それにバックには小林財閥が付いてやがる」

「それでも……この会社に働いている社員の為に何かをしたいんです。失敗しても私が全ての責任を取ります。とにかく、周りの暗殺者のやる気を上げて下さい」

「……俺は乗らねえぜ」

大須賀はその場を去る。佐久間はやる気を出す。

「ミミーズを潰すぜ!」

「……お願いしますね」

そして佐久間は地下施設へ戻り、ダンベルしかないトレーニングルームで鍛練を始める。すると、ワンスモア・Iが電話を始める。

「全ては人類の為だ・・・・・。一刻も早く暗殺者が蔓延る裏世界を殺さないと・・・・・少しずつ世界を変える必要がある」

「……?」

ワンスモア・Iはその場を去る。そして6:00。佐久間はエデルにごちそうになる為に飲食店へ向かう。エデルは大量の動物を所持しながら、店に入る。店長は話す。

「駄目じゃない。そんなに……」

「君島 桃恵(きみしま ももえ)さん。そんな事言わないでさ!」

「しょうがないわね……」

貝田は腹を空かせる。

「あー……腹減った!」

「ほら、元旦わたる。ご飯だぞ」

「うん、僕、久々の朝食だ!わーい!わーい!」

佐久間は草野に話す。

「息子さんですか」

「ええ、今は小学一年生です」

「僕、将来、アサシンになるんだ!」

「おお!お父さんと同じだ!」

貝田は話す。

「……良いのかよ」

エデルはペットにエサを与えながら、佐久間達にも与える。

「何でそんなにペット飼ってるんですか?」

「好きだからかな!ふえええええええええ!?ペットはあげませんからね!私にとっての家族ですから!」

「犬を飼う金もエサもありませんよ……。それで三人に相談があるんですよ」

「何?」

「ミミーズって言う会社をぶっ潰そうって考えているんですよ」

「……え?」