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亞狗兎さん、ご指摘ありがとうございます。訂正部分は確認しました。これからも応援宜しくお願いします。

此処から本編です。

モスカ大使と捕虜は、駄菓子屋でアイスを食べていた。

「うまいな、このアイス」

「……そう言えばこのアイスのりんご味が新発売だってよ」

すると、一人の女性の客がバットを持ちながら駄菓子屋を突き破る。

「うああああああああああああああ！！！」

「何だ？野球の練習か？」

「……どっから見てそんな発言が出来る」

女性は呟く。

「……持ってこーい」

「は？」

「炭酸のお茶を持ってこーい！持って来ないと、尻の穴に手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたろか！」

「……お茶に炭酸とかクソまずいだろ……」

「私は……それが大好きなのよ！後はチョコレートのわさび味とか！」

「チョコに何を求めてんの？」

「うるさいわね！私はもう、死にたいのよ！」

「……そうなのか？んで何で炭酸のお茶を飲みたいの？」

「当然、最後の晩餐よ」

モスカ大使は悩む。

「最後の晩餐が炭酸のお茶かい？馬鹿なのか？ずれてるよー！って言うレベルでは無いぞ？」

「黙れ！炭酸のお茶持ってこないと、私死ぬよ？」

「え？持ってきても死ぬんなら関係無くない？」

「黙れ！ゴミ！」

「ゴミって言った方がゴミだよ！ゴミ！」

女性は駄菓子屋からテレビを持ち運び、DVDをセットする。

「何をしてるんだ？」

「このDVDはホラー映画。これを見れば私は恐怖に戦いてショック死するわ！」

「……」

「この映画のキャッチコピーが死ぬほど怖いって書いているのよ。だから私、この映画で死ぬわ！」

「ずれてるってレベルじゃないんだが」

モスカ大使は犬を呼ぶ。

「ワン！(またお前かよ。てか、ここまでのあらすじとか書かないの？地球の外までの大冒険は？)」

「ほーら、あの女をバルスするんだよー」

「何同じボケやってんだよ！マンネリか！？(ワン！)」

「……此処は犬が喋ったー！って驚いた方が良いのか？」

「……」

「犬が喋ってる！？」

女性は犬を見てショック死する。

「……成仏しろよ」

するとモスカ大使の目の前にボクサーが現れる。

「お前……俺と一緒にボクサーを目指していたんじゃなかったのか」

「誰？全然分からないぞ！何だ？三分間待ってくれ！思い出すから！」

「俺とお前は昔、一緒にボクシングをやってきた仲じゃないか！思い出せ！」

「ボクシングなんて今さっき初めて聞いた言葉だぞ？どうなってんだ？」

「おい……モニカ大使」

「モニカ？私はモスカ大使だ」

「……ふう」

ボクサーは何事も無かったかのように逃げようとする。モスカ大使は追う。

「え？え？絶対、あれだよね。人違いだったんだよね？何で、逃げたの？」

「……しゃあ！頑張るぜ！」

「いやいやいや！馬鹿だろ！てか、さっきから倒れている女性チラ見してるけど何？」

「あれ……俺のタイプ」

「いや、死んでんだよ。そうだ、早くスマホで救急に連絡を」

犬がスマホを持ちながら電話をする。

「うんうん、だから俺、犬なの！ね？だからさ、文字読めないんだって。お前、犬が文字読める程の知能あると思ってんの？お前、人間だろ？分かれよ！……え？お前、猿なの？なら、ごめん。俺、猿NG。うん、生理的に無理。犬猿の中って言うだろ？」

モスカ大使は犬を蹴飛ばす。犬は駄菓子屋に突っ込む。すると、トランペットを持った少年がモスカ大使に向かってやってくる。

「……おっ。主人公だ」

「いやいや、モスカさん。捕虜の調子はどうっすか」

「う〜ん、ほぼ忘れてたね」

「そんな事より、今、向こうでヤンキーの抗争してんすよ。ちょっと行きましょうや」

「しかし、素手では駄目だ。ちゃんとした武器が欲しい」

「だから持ってきましたよ。ピコピコハンマー」

「ちゃうやんけー！これじゃモグラすら叩けまへんで〜」

「それじゃ、ヘルメット銃」

「……あ、それ駄目。首折れる。うん、俺、首折れてさ。捕虜は当然ぶち殺したんだけどね」

「……とにかく行こう！」

スタタタッ！

「よし、かかってこい！鬼！」

「いや鬼ヶ島に来ちゃったよ！」

「行け、犬、猿、人間！」

「よっしゃ！行くぞオラ！(ワン!)」

「救急車で鬼を撥ねて、ミンチにしてやるよ〜」

「きじはいないのか？」

鬼は棍棒を持つ。爪楊枝程の大きさの。

「小さい！どう言うつもりでそれを凶器だと思うの？」

「グハッはっは！これは量産型の簡易的な棍棒だ！これなら、重さも気にならないし、便利だ！日常生活にも役立つぜ！今なら、お値段、3000円だ！今なら通常の棍棒も付いていくぞ！」

少年はトランペットを見せる。

「これと交換で」

「毎度」

「少年。良いのか？え？良いの？」

少年は棍棒と爪楊枝を持つ。

「攻撃力が上がったぜ！」

「そんな事より、ヤンキーの抗争はどうなったんだよ」

「よし！行くぜ！」

スタタタッ！

「よし、あそこが現場だ。俺達は仲裁をしに行くんだ！」

「それで棍棒とピコピコハンマーで制圧するんだな！でも相手はバットだぞ？」

少年は棍棒を持ちながらヤンキー達の所へ行く。

「んだお前！コラ！」

「ハッピーバースデイトゥーミー♪」

少年は歌を歌う。

「今日は俺の誕生日。そんな日に喧嘩は良くないよ？」

「……」

「俺の誕生日のプレゼント3000円の爪楊枝。しかも自分で買った、寂しいよ」

「……」

ヤンキーは無言で少年のかかとを殴る。

「今、映画の撮影してんだよ！邪魔だから失せろ！」

モスカ大使は怒る。

「馬鹿野郎！そんなヤンキー映画誰が見るんだよ！」

「あ？」

「戦争映画をやりなさい。そして大赤字の末にお前等が爆死しろ！ボケェ！」

「演者じゃなくて監督に言えよ！」

監督はモスカ大使を睨む。

「おおっ？でもよ、俺なら……戦争映画、黒字に出来るぞ？」

「急に媚びた！」

「俺なら、金稼げるぞ？だから主演お願いします」

「君はヤンキー映画のエキストラに抜擢する。そこで演技をして見せろ。良かったら、戦争映画主演だ」

「……ういっす」

少年は倒れた状態でカメラが回る。

「この野郎、浅井石油高校なめんなよ？」

「あ？田中自動車学校なめんなよ？」

「……イイ感じに、スポンサーの名前を出す。俺って頭良いな〜」

モスカ大使は緊張する。

「私のシーンはパントマイムで隣のヤンキーと笑い合う。……何て高度なシーンなんだ……」

隣のヤンキーは眉なしの犯罪者顔をしていた。

「ありゃ、人間じゃないよ。宇宙人だよ……怖いな……」

そして数カ月後、モスカ大使は出演していたヤンキー映画を映画館で見る事に。

「……どうなってるかな。タイトルは、底辺の城がっこう タピュラ。

タイトルがゴミの様だ……」

そして上演する。









呪いはたった一つの仮説にすぎない。そう言って男は一つのウイルスを世界に流し込む。

「不老不死を完成させるには、無駄な機能を一切無くし、ただ長く生きる為だけの進化をし続けなければならない。つまり今の人間の状態では不老不死になる事等は到底不可能。欲を捨て、五感を捨て、全ての機能を生きる事に注ぎ込む。不老不死は、それくらいの覚悟が無いとなってはいけない。全く、世界は軽すぎる」

そして浮遊する兎。

「軽い世界にもイジメはある。軽い世界にも差別がある。軽い世界にも戦争はある。だから僕等は逃げ出していく。夢と言う名の月へ」

人は真実を見た時、どう思うだろうか。決して真実は裏切らない。だから君は悲しむ。あの頃の楽しかった偽りの世界は戻らない。今はただ、目が乾くだけだ。そして乾いた方程式の答えを出す。errorと。

「死神はただ、楽しいが為に世界を壊した。しかし壊した先の世界までは創造出来なかった。

だとしても君を信じたく無かった
らか　　　　　　　　　　　くす
く　ら　　　　　　　　　し　け
し　　死　　　　　　　た　　て
た　　　神　　　　　世　　　く
天　　　　は　　　界　　　　れ
使　　　　　人　の　　　　　ま
は　　　　　　間　　　　　　し
人　　　　　は　を　　　　　た
間　　　　輝　　　壊　　　　た
の　　　き　　　　　す
あ　　の　　　　　　　事　　け　
く　一　　　　　　　　　に　てく
ま秒　　　　　　　　　　　しれま
だいても、なにも変わらなかった」

モスカ大使はあくびをする。

「あるよな、文字を使ってカッコつける奴って」

無題。奇跡を信じぬ二人の男女が奇跡に出会い、奇跡を呼ぶ。それは運命か宿命か。

昔、出会ったヒーローはヒロインをもう一度救う。

例え、それが幻想でも。

交わらない時計塔は化け物の時を刻むか人間の時を刻む。逆らう蟻は人間を殺す。

「君は出て来た食事が反抗するとは思わないだろ？ただ人間は反抗をした。人間が一番の雑食のくせにね」

映画の上映は終了する。

「ええっ！？何これ？宣伝？」

そしておまけが流れる。

心臓バクバク！捕虜パニック！襲いかかるパロディ。多分、失笑くらいしかしてくれない内容。勢いだけのストーリー。

「この作者に、オチを書く才能なんてないんだー！」

「このキャラとあのキャラでお送りするくだらないラジオー！」

「え〜と、このキャラは実はきゅうりが好物って言う裏設定があるんですけどー」

「はい、CM行ってみよう！」

「あれはエクストリームフライングジャガーだ！」

「とりゃ！カリバーウールジャポン！」

「クソ、俺のファイナルトリガーアタックッ！が効かないだとゥ！」

モスカ大使は無表情で見る。

「作者と読者のツボやノリ、テンションが同じじゃないと、あんまりコメディって面白くないよな……。そう考えると、コメディって本当に難しい……。いや、コメディに限らずか……」

モスカ大使は映画館の外に出る。すると、歪んだ世界が目の前に広がる。

「……この作者に、オチを書く才能なんてないんだー！」

モスカ大使は世界の中心で愚痴を叫ぶ。そして捕虜がモスカ大使を見る。

「あ……親方！後ろからモスカ大使が！」

「ループって便利だな……まあ面倒だから終わらせますよ。はいはい、バルス、バルス(笑)。私が、言うべき台詞じゃないんだけ」

心臓バクバク！捕虜パニック！　完