複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.195 )
- 日時: 2016/09/06 17:05
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
siyarudenさん、オリキャラ投稿ありがとうございます。
これからも応援宜しくお願いします。
此処からは本編となっております。
フロイデは考えながらメモに絵を描き始める。
「フロイデさん、似顔絵ですか?」
「そう、この事件の犯人のね」
「さっき逃げた人が犯人って分からないでしょ?しかも、さっきの爆弾だってどうして胃から爆発したって……」
フロイデは尾崎の口に指を当てる。
「私の犬なら黙って鎖に繋がれていなさい....」
「……はい」
「良い犬ね」
すると、尾崎の元に登岐目が現れる。
「あらら……偶然すね」
「……大学に戻ってたんじゃ?」
「へへっ……細かい事は良いじゃん。それより、まさか買い物の後に連続爆破事件の現場に行くかと思ったら、まさか買い物の最中に事件が起こるとは……俺以上にトラブルメーカーがいるんすね!」
フロイデは登岐目を不思議そうに見る。登岐目はフロイデの似顔絵を見る。
「あっ!これ、連続爆破犯の犯人すよ!俺が追う時に見たんだ!」
尾崎は考える。
「犯人は何を目的としているんだ……?」
連続爆破犯の服装には、あるバッジが付けられていた。
「こんなバッジまで繊細に覚えているんだ……フロイデさん」
「.....」
尾崎はバッジを見て思い出す。
「マザー教の紋章だ……」
「マザー教?なんすかそれ?」
「俺も昔、入団した事があるカルト教団だ」
「ええ〜、どういう状況で入団するんすか?」
フロイデは機嫌が悪そうに尾崎を見る。
「とりあえず、マザー教に突っ込むわ....」
フロイデは尾崎と登岐目を連れて車に乗る。登岐目は質問をする。
「マザー教の場所は分かるんすかー?」
「問題無いわ。尾崎が場所を知っているから....」
「そうっすか……」
「どうした?登岐目?」
「あっ!でも、マザー教に行く途中にまた連続爆破事件が起こったら!?」
「てか連続ってどれくらいの頻度で起こっているんだよ……」
「30分に一回。ショッピングモールで4回目です」
「無差別テロか……。それに警察がやけに早いと思ったら警戒していたからか……」
フロイデはマザー教に辿り着く。尾崎は驚く。
「おお……場所も建物も変わっている……」
「現在はどうやらパーティ中みたい。さっき買ったドレス、ヒールを着て潜入するわよ」
フロイデは尾崎を連れて、ビルとビルの狭間に向かう。
「何処へ!?」
「当然、服装を変えるのよ....トイレなんて並んでいて面倒だし見えない所なら構わないでしょ?」
「……」
フロイデはビルの狭間で服装を変える。尾崎は周りを監視する。
「登岐目、彼は怪しいわ....用心して」
「彼はあんな適当ですが根は良い人です」
「私の言う事が信じられないの?」
「……そう言う訳じゃ」
しかし、車の中に登岐目の姿は無かった。フロイデは尾崎にヒールを履かせる事を指示する。
「お願い....ね」
「サイズはちょうどですね」
「車に戻って登岐目を監視しないと....」
「……そんなに怪しいですか?」
フロイデと尾崎が車に戻ると登岐目はいなかった。ただ、尾崎のスマホに登岐目がメールを打っていた。
「いつもなら無料通話アプリだが……どうやら、私一人で近くのバーで相談があるみたいです。行って来て良いですか?」
「私との仕事を放棄して?それに彼は怪しい....」
「それじゃすぐに戻ってきて。3分以内」
「いやいやいや……最近会ってなかったんだから、もう少し……」
「貴方の仕事は何?」
「……フロイデさんの監視役です」
「それを放棄して他の人と娯楽を楽しむなんて私を侮辱してるのかしら?」
「してないですし……」
フロイデは何かを思いつく。
「なら....彼と話した事を録音させてもらうわ。同時に盗聴」
「……まあ良いですよ。もう」
尾崎は近くのバーに行く。
「……新しい執事を今度是非紹介させたい……。一人じゃこの仕事は無理だ……」
「聞こえてるわよ?僕。貴方に執事なんで呼ばせないわ」
「……」
フロイデはパーティの中に入る。マザー教の教祖、香具師 剣兎がマイクを使って話す。
「スポンサーの皆様、今日は是非ともこのパーティを楽しんで。我々のこれからの為に」
「おい、この食事に爆弾は無いんだろうな(笑)」
「……勿論、無いですよ」
「我々は超小型爆弾を使い、これまで6回の実験を行いいずれも成功した……。ただいま、7回目の爆破テロの準備中……」
パネルには今までの襲撃場所を提示していた。そして参加していた全ての人物に共通点があった。
「....襲撃場所、ショッピングモール等はいずれも私の会社の傘下や子会社ね。そして参加していた人物は全員、ライバル企業。となるとマザー教は....」
すると、フロイデの後ろに拳銃を持った女性が近づく。
「やはり、いました……」
「始末しろ。護衛のいないお嬢様は問題は無いはずだ」
「処理は……爆弾ですか?」
「……お前が知る必要は無い」
一方、尾崎はバーで椅子を持っていた。
「尾崎……!」
登岐目は尾崎を睨む。
「早く助けてくれ……」
「言われ無くてもそうするつもりだ……」
登岐目はバーで捕えられていた。捕えたのは見漫間悪人と言う男性。性格が悪人。漫画の子悪党。ビビり。容姿がリーゼントの黒コート。ガムを噛みながら尾崎を睨む。
「俺は見漫間悪人!ただの悪人じゃねえぜ?」
「何の目的かは知らないが、友人を離してくれないか?」
「俺はマザー教に雇われた、超ド級の悪人だ。命が惜しかったら、逆らうな。なに、俺はあのフロイデと護衛のお前を離すだけの役目だ。何も要求するつもりは無い」
「……登岐目。お前ならこの状況はどうする?」
「……カウンターからのフック、そして皿やビンを使うかな〜……」
「俺はこの椅子だ」
尾崎は椅子を見漫間に投げ飛ばす。見漫間は逃げ出す。
「何!?怖いッ!」
登岐目は捕まっている状態で飛び蹴り等やブレイクダンスで華麗に動く。尾崎は見漫間を捕え、事情を聞く。
「マザー教は現在どうなっている。応えない場合はフロイデさんの会社の権限によりお前を社会的に抹消する」
「……そ、そりゃ!マザー教はもう存在してないよ」
「マザー教はかつてこの地域にのみ栄えていた宗教団体。しかし教祖が自殺してから教団は分裂し、警察の監視対象にされていたはず」
「そう、このマザー教はお前の会社以外のライバル企業がお前の会社を潰す為に表向きには出せない兵器を開発する為のカモフラージュなんだよ!」
フロイデの会社は玩具会社では無く武器を制作、開発する会社。しかし、この会社の系列が全ての武器の売上を独占してしまっている。他の会社は赤字危機に陥る。実際に倒産した会社も存在しており、そう言う者達がただ復讐の為に立ちあげたのがマザー教。名前の由来は、本物のマザー教の金を吐きだしてくれる信者達が来てくれそうだったから。実際、マザー教を知る者はおらず意味は無かった。それに他の会社も乗っかり、フロイデの会社を潰す為に兵器を開発していた。
「爆弾の利用方法は?」
「そこは知らない。お、俺は、ただ臨時に雇われたバイトなんだよ!」
見漫間は逃げ出す。
「早く、フロイデさんの所へ行かないと……尾崎」
「あの人は問題ありません。盗聴してますから。それより、私が怒られる方が問題です……。絶対、仕事放棄の事を言われますよ……。後は……パーティの弁償かな?」
フロイデはパーティ内で赤黒いダブルセイバーを振り回す。
「随分な事をしてくれたわね?香具師」
香具師は笑う。
「君は奇跡を信じるか?」
「.....」
「私は君の会社によって、リストラされた。……妻も親権も消えた。……好きな事をやってきた人生だったのに。全て思い通りになったのに。だから、思い通りにならない物は爆発させた」
香具師は超小型爆弾を掌に乗せる。
「私は願ったよ。奇跡を」
「.....さあ、お喋りタイムは此処まで。早く、第七回目の爆弾を止めなさい」
「……そして奇跡は起きた。悪魔の君とはまるで違う、神が私に天使を……!ああっ!私の人生は選ばれた人生だったんだ!私だけが……救われた」
香具師は自爆する。会場の外には、尾崎が立っていた。
「フロイデさん!?」
すると、フロイデが爆破の中からクールに現れる。フロイデは尾崎の腕を掴む。
「ちゃんと私を守りなさい.....」
「……なら、もう少し行動を制限されては……」
「貴方は私とこんな事をするのが気に入らないの?折角、怪奇事件に溺れているのに?」
「もう少し命を大切に……」
「なら、私を死なせないでよ。それが私の僕の役目よ」
「……分かりました。それで、状況は?」
「恐らく、七回目の爆破現場は私の会社。其処に天使がいる」
「天使?」
「ええ、ちょっと想定外で驚いているわ....案内してくれない?」
「自分の会社なんだから自分で……」
「.....」
「分かりましたよ……」
尾崎とフロイデは車を走らせる。