複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.197 )
日時: 2016/09/07 17:15
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

すると、隣の家ではキャベツ蟹と呼ばれる人間が電話をする。

「ええ、完成しました。素晴らしい兵器です。マザー教が何かしてましたが、我々の方が一枚上手だった訳ですね」

もう一人の男性は偶像に手を合わせる。

「神は俺を天使と呼んだ」

「使徒では無いのか?」

「使徒はただの神になりたかった人間だ。いや、神を名乗ろうとした愚かな人間だよ」

「……天獄?」

天獄と呼ばれた人物は書物を読む。題名は無題。

「神は正義。ならばその啓示に従うだけだ。キャベツ蟹。いや、雷電・V」

雷電・Vは兵器の調子を見る。

「……この兵器が量産出来れば、戦争で役に立つ……」

天獄は雷電・Vを見る。

「まだまだだな。問題がいくつかある。まずは、自我。兵器にも意思がある。一番いい方法は自分がアンドロイドだと思い込ませる事だ」

「何でそんな事知ってるんだ?」

「さあ?俺はとにかく敵を倒す為に運命を変えなければならない。特に……」

すると、二階からブーメランを持ったリーゼントの男が下りてくる。

「見漫間。隣の家の様子は?」

「カーテン閉まってて分からない……ブーメランで窓ガラス割りますか?それかヨーヨーで……」

「お前は駄菓子屋に売ってそうな小道具を武器にしてるのか?」

「バットは振る勇気無いし鉄パイプは壊す勇気無いし……これなら手頃かな〜って」

見漫間はヨーヨーを巧みに使う。

「ほら、エレベーター!」

部下は拍手をする。すると、兵器が起き上がる。

「兵器、クロエが……」

「わ 私はキ、キャロライン・ブランで、です.........」

キャロラインは見漫間を吹き飛ばす。

「……ぐわっ!俺の出番がっ!」

キャロラインは発狂する。天獄は分析する。

「恐らく人間の時の記憶があるのだ。問題は無い。時間経過と共に消える」

「それは良い事ですか?」

「彼女は人間時代、イジメと虐待を受けていた。誰も彼女を望んでいないし、本人も人間を辞めたいと思っているだろう。たがが兵器。取り抑えるぞ」

天獄は呟く。

「キャロラインの能力は封じた。後は徐々にコントロールをすれば……」

キャロラインは歯止めが効かなくなり壁を破壊。超能力は使えないが、戦闘
能力が上昇。天獄はあえて能力封じを解除する。

「フロイデの事は彼女の頭の記憶にトラウマのように植え付けてある。しかし、神は素晴らしい。フロイデの行く場所を先回り出来るなんて!」

キャロラインの目の前には、フロイデと尾崎、一条マロン、アイスがいた。

「・・・・・妹行くよ!」

尾崎は二人を抑える。

「……駄目だ!?クソッ休みの日なのに怪奇事件かよ……」

フロイデは考える。

「...今日は一条家で具現化を実証するはず」

「フロイデさん!?」

「尾崎、控えてなさい」

フロイデはダブルセイバーを所持する。

「いや、そこは話し合いを……」

「私の理想を邪魔する者は駆除するのみよ.....それに少し殺し合いがしたかったから」

「流石に殺人は駄目ですって!隠蔽とか道徳的に……」

尾崎はフロイデを抑えようとするが、一条達も抑えないといけないのでどうする事も出来ない。

「フロイデさん!」

「....殺意は誰にでもあるのよ。貴方なんて特に...」

一条達は熊のぬいぐるみで騒ぐ。

「妹に手ェ出したら殺す!」

キャロラインはフロイデに殺意を向ける。

「あ、貴方は、なぶり殺しに..しないと....!うあああああああ!!!」

フロイデはキャロラインを冷静に見る。

「尾崎、彼女は兵器なの。つまり人間じゃない。だから殺して何にも罪にはならないのよ」

「……」

フロイデは残忍な顔をする。天獄と雷電・Vは遠くからフロイデを見る。

「悪魔を殺せ……!」

「悪魔って、普通の美女じゃないですか!早くあれを止めないと!クロエは、宇宙人対策に開発した兵器じゃないんですか?」

「宇宙人なんていないと思うぞ?」

天獄は雷電・Vを撃ち殺す。

「お前は実に便利だった。宇宙開発の馬鹿みたいな話に乗ったんだからな」

「私は有名人ですよ?こんな事したら……」

「俺は正義だ。お前が金儲けに目がくらんだ悪ならば処分するのは普通だ」

「……折角、あの兵器を量産して宇宙人対策……いや、戦争に使えるはずだったのに」

「お前に神の御加護は無い」

フロイデはダブルセイバーを中心で二つに分ける事で二刀流にする。尾崎は一条と家の中に入る。

「何処であんな剣術習うんだよ……父親かっ……?」

一条はクマのぬいぐるみを前に突き出す。キャロラインは叫ぶ。すると、フロイデは吹き飛び家の中に入る。

「うわっ!?フロイデさんを守らないと!」

フロイデは立ち上がり尾崎を殴り気絶させる。

「....頼むわよ。さすがに殺害シーンは見せられないから」

一条達は頷きながら尾崎を何処かへ運ぶ。フロイデはダブルセイバーを蛇腹剣にして鞭のように振るう。

キャロラインはサイコキネシスを使い、フロイデを静止させ殴り続ける。

「わ、私は貴方を許しません....私の母を貴方がおかしくさせたんでしょ?」

「偽りの記憶を埋め込まれたのね。記憶なんて消せば良いのに。そしたら、私もこんなに悩まずに済んだのに」

「わ、わた、私は!母が好きでした。だけど、日に日に母はおかしくなり、私を殴った。私は願いました。何度も何度も。腕が無くなるっくらいに願ったですよ!」

すると、天獄がヨーヨーを持ちながら現れる。

「....どうして此処に」

「……神は何でも出来るんだ。お前の思考回路に潜入する事等簡単。だからお前の位置が特定出来る」

一条達はクマのぬいぐるみに念を与える。

「世界は私達の思い通り……」

天獄は突如右腕の調子がおかしくなる。キャロラインは鼻血を出して倒れる。キャロラインは呟く。

「私の家族、何処?」

天獄はキャロラインを睨む。

「兵器に家族なんて無い。お前もだ。IBAH。悪は普通、もしくは普通以上の生活なんてしちゃ駄目なんだよ。悪は捨てられたぬいぐるみの様に黙っていればいい。……悪に奇跡は訪れない。俺に神の御加護が有らんことを」

天獄は消える。残ったのはキャロラインのみ。フロイデは過去の記憶を思い出す。

「....私こそが真の」

すると、尾崎が現れる。

「……フロイデさん」

「何をのんびり寝ていたのかしら。私一人守れない下僕が」

「すみません……」

「それじゃこれからの休みは私についていきなさい。一条達は私の会社の誰かが配置してあげるから」

「……いやでも、一条の父親が……」

「家族」

「……フロイデさんは普通に家族いますからね。あの社長さんとか……」

「家族だから信用出来るなんて笑えるわ」

「……?」

「クマのぬいぐるみ」

その後、一条の父親は逮捕される。クマのぬいぐるみの中から覚せい剤が混入されたからだ。

「どうして子供のおもちゃに?」

「バレにくいからだよ。……良いじゃねえか。俺は妻に逃げられ二人の子供を子育てしねーといけないんだよ!無駄に消える学費、子供はずっとインターネットしやがるから電気代馬鹿にならねえんだよ!バイトじゃ俺の飯すらろくに食えねえ!」

マロンとアイスは尾崎の事務所に引き取られる。

「……少しくらい話してくれた良かったのに」

尾崎は親を思い出す。

「……殺意か。そう言えばキャロラインってどうなったんだ?」