複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.201 )
- 日時: 2016/09/08 17:03
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
モンブラン博士さん、オリキャラ投稿ありがとうございます。
未熟ながらも活躍させる事が出来ればなと考えております。これからも応援宜しくお願いします。
此処からは本編です。
笹木は学校で写真を撮る。
「新聞部にお願いされてさ。霊犀さん!まだ撮っても大丈夫ですか!」
「構わないよ!」
霊犀は笑顔で対応する。友人達が笹木に向かって笑顔で話す。
「やっぱり霊犀さんと笹木って似てるね!明るい所が!いや〜もう生まれた時から明るかったんだろうね!」
「....うん!」
笹木は写真を撮る。笹木は昔の自分の写真を思い出す。彼女は元々内気で大人しく中学の時には友達と呼べる人はいなかった。異常に空気は苦しく、居心地や居場所等は無かった。しかし、彼女はこのままではいけないと高校デビューを果たす。こうして、彼女が写る写真は明るくなっていった。
親は現在、性格が変わり安堵している。
「……良かった……」
「……ああ。彼女自身の決意のおかげだ。決して、生まれた場所や環境で決めつけちゃ駄目なんだよ……」
しかし、笹木は苦悩する。
「やっぱり私、あの人みたいに強くなれないよ.......」
友人は笹木の表情を見て驚く。
「どうしたの?麻衣らしくないよ?演劇部にでも入るの?それかわざと?」
「わざとやってる?違うよこれが私、ありのままの私なの」
笹木は聞こえない様に呟いた。笹木は現在、霊犀と一緒にフロイデの車の中で眠りに付く。尾崎とフロイデは話し合う。
「あの幽霊の名前は未那と今、名づけるわ」
「……名前付けるんですか。愛着湧いても知りませんよ」
「それより、未那はもう一度笹木を襲うわ。その時に私達で捕縛。事情聴取
をする...面白そうね」
「倒すんじゃ?」
「それじゃ事件は迷宮入りよ。私は事件を解決させたいのよ」
「……確かに、それに今まで消えた女子高生を取り戻さないと駄目ですしね」
フロイデは笹木を見る。
「それに少し気になってね。笹木と未那、顔立ちが似通っているのよ。私の権力で情報操作を駆使するわ」
「……顔、見たんですか?結構霧とか凄かったんですけど」
「良いから貴方は、笹木を見張って....」
尾崎と見漫間は車の周りで見張る。
「もうすぐ夜ですよ。てか、幽霊って夜に活動するんじゃないですね」
「尾崎、これってギャラあるの?」
「お前は依頼者だよ。報酬ちゃんとくれよ?」
「……へっ?」
「後、天獄の事件とか香具師の事件とかの共犯者として警察に突き出すからな」
「……いやいや、俺まだ高校生ですよ?」
「関係無い」
尾崎は登岐目に連絡する。
「アイスとマロンの調子はどうだ?」
「……あの、帰ってこれないんすか?」
「怪奇事件が起こって無理だ。全く……フロイデさんは、何処の名探偵だよ……。で?何か問題が?」
「……無いで〜す!」
登岐目はマロンとアイスを見る。二人はクマのぬいぐるみを持って身構える。
「・・・怪しい!」
「・・・怪しい!」
「……適当人間ってこんなに嫌われるのか?」
尾崎は笹木のカメラを持ちズームをする。
「人により見える景色は例え同じでも変わって行く。同じ景色でも辛い時に見る夕日があれば、恋人と見る夕日がある。そして写真はそれを切り取ってくれる。私から見える景色は、どんな風に見えているのだろうか」
「ポエム?」
「幽霊から見える景色ってどんなんですかね?」
「霧だと思うわ....何も見えない。何もレンズからは見せてくれない....」
「……ポエムですね」
「貴方からは私はどう見えているの?」
「支配者ですよ」
「理解してくれているのね」
「……それで情報は?」
「ええ、とんでもない事が分かったわよ。笹木は....」
すると未那が再び出現。
「その体.......頂戴.........」
フロイデは未那に呟く。
「貴方はもう死んでいるのよ。怨霊はすぐに天に昇るべき....!」
「私はただ生まれ変わって生きていきたい........」
笹木は車から出る。
「わ、私が、霊犀さんを守らないと.....」
しかし、笹木は足が竦む。未那は笹木に顔を見せる。
「....!」
「貴方ってくだらないわ。生きているだけで幸せなのに.....」
未那は笹木を取り込もうとするがフロイデが阻止。
「貴方はこの笹木と言う人物がどう言う人が分かっているのかしら?貴方にとってただ一人の....」
「関係無い....私は完全にこの世に生まれる為なら.....見知らぬ姉でも憑依出来るわ。私は百年の孤独に耐えたんだもの。許してくれるよね?」
笹木は驚く。
「私が姉?私に妹なんていません....」
「事情を知らないでぬくぬくと温室の中で育ったの?そうか!だから貴方は小さな悩みで考え込んでいるのね」
「....」
「まあ良いわ。なら貴方を死にたくさせるわ。そしたら生きる気が失せて、私を受け入れてくれるはず」
「ねぇ誰なの?君は.......」
尾崎はフロイデに話す。
「早く笹木さんや霊犀さん、見漫間を避難させないと……」
「大丈夫よ」
「……でも」
「私を信じなさい、尾崎」
「……」
未那は語り始める。
「まずは私の事から話すわ。私はまず、この世界の空気を吸った事は無い。最後に見た景色も無い。生まれる前から私は孤独だった」
「.....?」
「ある所に、水商売の女がいた。その水商売の女は金を払う客が恋人で客の為なら子供を産む事さえも許す後先を全く考えられなかった女だった。客もまさか、妊娠を予測出来た訳でも無く何度も客に逃げられた」
「お、おい……まさか、本当に妊娠するなんて……。ちゃんと、避妊薬飲んだんだろうな!」
「妊娠したよ?金頂戴よ?それとも、会社に言っちゃうかな〜。貴方って無責任ね?」
女は腹を擦る。
「……ふざけんなよ……」
「なら責任取ってよ。ちゃんと貴方と私が危険日にした事なんてカメラでこっそり撮ってるんだから。……一緒に住まなくていい。生活費だけ頂戴?」
女はカメラを男に向ける。
「私から見た貴方は金にしか見えないわ」
男はナイフを持ち、女を刺す。
「……道理でてめえとする時、腹に手術の跡があると思ったよ。金の為なら子供を使うか」
「……あ。……ぁ……」
「俺は殺人さえも隠蔽出来るんだよ。何故なら俺は……しゃちょ……」
男は笑いながら、周りの人物達に連れ去られる。女は腹の中の胎児を殴り続ける。
「お前のせいだ!お前のせいだ!……クソッ。……あ、んな、クズの餓鬼なんて……金にならねえ……」
女ともう一つの生命は途絶える。
「これが殴られた時の傷」
未那は霧を消し、全裸の姿を晒す。其処には傷が大量にあった。笹木は怯える。
「それで、私が貴方の妹って.....」
「貴方、赤ちゃんの時の写真無いでしょ?それか、出生の時の写真とか」
「.....そんな」
「あのクズ女は私と貴方の母親よ」
水商売の女は、カメラで子供を写す。
「……」
男は女を殴る。
「明日までに絶対に捨てろ。俺は家庭があるんだ。お前ごときで人生狂わせる訳にはいかないんだよ」
「警察に売るわよ……」
「売ったら、お前と子供を心中させれば良い。遺書はちゃんとお前の家に置いといてやるよ」
「……貴方、捕まるね」
「大丈夫だ。俺が直接、手を下す訳無いからな。クズが。俺はお前みたいな底辺に構っている暇は無い。今度餓鬼で脅すなら、出世間近のサラリーマンにしとけ」
男は去る。女はすぐに子供とカメラをゴミ捨て場に捨てる。
「あんな男の餓鬼なんているか!バーカ!」
笹木の身体は震える。
「私は....捨てられていた」
「生きるのが嫌になったら、私の元へ来て.....楽にしてあげるから」