複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.203 )
日時: 2016/09/09 17:10
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

フロイデは友人のスネグーラチカと食事に出かけていた。

「今日は12月25日ね」

「そうなのよ.....!」

スネグーラチカはフロイデの社長の友人の娘。フロイデとはクリスマスでも会いに行く様な仲である。スネグーラチカは手に書物を持つ。題名は無題。フロイデはクールに振る舞う。

すると見漫間が部下を引き連れ現れる。

「おい、フロイデ。依頼料30万ってどう言う事だよ!しかも、雑誌にお前の悪事を暴露したのにお蔵入りになってるじゃねーか!」

スネグーラチカは電話をする。

「お母様?すぐに警備会社の人を呼んで来てくれない?」

「畜生、すぐ親に頼りやがって……。てめえでどうにかしようと思わねえのかよ!」

「.....私は全てを権力のみで征服する事が出来るわ。控えなさい。さもないと、社会的に抹殺します」

すると、バイクで来店しドアを壊す客が現れる。

「此処の店の店員は厄介事が見えていない様だな。おまけに自分自身の愚かさにも見えていないってか?」

フロイデは質問する。

「貴方は?」

「オレはトウ!自由に愛された男さ」

トウは店の壁を殴り穴を開ける。

「さあ顔を整形したい奴は顔面を突き出しからオレに喧嘩売りな」

見漫間は怯まない。

「部外者は黙れ!」

トウはスネグーラチカは連れてバイクで逃げる。

「ハッハハハハハハハハハ……この美女はオレが頂いていくぜ! 悔しかったら奪いに来な!」

「別にナンパしてる訳じゃないんだよ!話聞け!」

フロイデは尾崎に電話をする。そしてフロイデは笹木のカメラを用意する。

「見漫間。依頼料はいらないからこの人物を追いなさい」

「……分かった……!……ってこの人は」

一方、トウはスネグーラチカと二人乗りでバイクを走らせていた。

「ふ、二人乗りは法律で....!?お父様に....」

「お前、夢は無いのか?」

「夢?私はただ、お父様の跡を継ぐのですから夢なんて持つ理由なんかないわよ!」

「親父の命令聞くだけの人形の人生か。つまらないな」

「最高にハッピーですけど何か?」

「スネグーラチカ。お前は鳥かごの中にいるんだ。そこに自由はあるのか?自由はいいぞ、誰の命令も聞かなくていいし、自分の好きなように人生を決められるんだ。鳥かごの中が良いって言う奴は本当の世界を知らずに死んでいくんだ。一度きりの人生なのにな」

「黙りなさい。私は権力で貴方を潰します」

「権力? 最強の力? そんなのはクソ喰らえだ。オレは誰にも屈しねぇよ」

「人生は自由気ままに生きる! それがオレの見つけた人生に対する答えさ」

「人生の答え?考えた事も無かった....」

その後、トウとスネグーラチカはガス欠になるまでバイクを走らせた。

「サンタの相棒がトナカイならオレの相棒はバイク。ただ、オレは聖夜が嫌いだ」

「貴方が良い子では無いからね?サンタさんにプレゼントなんか貰った事無いでしょ」

「奇跡は努力を否定する。俺だって最初から自由だった訳じゃない。努力をしまくってバイクを買い夢を見た。それが聖夜では良い子にしていた奴はサンタからプレゼントが貰える。それを人々は奇跡と呼ぶ。
夢は努力しなきゃ本来は1ミリだって手に入らない。いい子にしたって誰もおもちゃを靴下に入れてはくれない。奇跡を待ってる人生はゴメンだ。だからこそ、クリスマスの夜に俺は相棒と共に甘やかしサンタに文句を言うのさ。子供は権力に溺れ、日常を当たり前って思うってな。この世界は奇跡の連続で成り立っているんじゃない。努力の連続で成り立っているんだよ」

スネグーラチカは書物をガソリンスタンドに置いていく。

「私は私の道を行く。私はフロイデをノヴァから助ける....!」

「ノヴァ?」

「実はこの世界.....」

「あ、ちょっと待ってろ。あそこでおやじ狩りが起こってるから自由を拳に叩きこんでくる」

時を戻してフロイデと尾崎はファストフードを食べていた。

「当たり前だった物は失う時に大切なモノと初めて気付くのよ」

「笹木さんのカメラですね」

尾崎はナイフを持っていた。

(この場で殺しておくか……。まさか、俺が家族を殺した事に気付くとは。全く、全ての人生をやり直し裕福になったと言うのに)

「食べないのかしら?折角下僕の貴方に合わせた食事をしているのに」

「……」

「私、今度結婚するのよ」

「はあ、そうですか。……ええ?!」

尾崎はナイフを落としそうになる。

(危ない……)

「相手は父親御用達の大富豪。晴れて私は一人前になれる訳」

「それは良かった……。やっと私は下僕生活から離れられる訳だ」

「そう言って笹木の二の舞にならないと良いけど....」

「……どう言う事だ?」

フロイデは尾崎の鼻を摘む。

「下僕が私にタメ口?私は、貴方の過去全て知ってるのよ。今度から、貴方は下僕以下の奴隷に変えてあげる。今の生活が幸せだと思えるくらいに調教してあげるわ」

尾崎はナイフをフロイデに向けようとするがフロイデは語る。

「余計な事をした場合、すぐに暴露するわ。貴方が自由の為に親を殺した事をね」

フロイデは去り車に乗る。尾崎はテーブルを蹴り飛ばす。

「……確実に殺しておこう。じゃないと俺はまた鳥かごの中だ」

フロイデは手帳を見る。

「順調、順調。それぞれで対策は取れてるわ。後は結婚式の予約を取らないと....此処は私が私である唯一の居場所なのよ。私こそがオリジナル....」

トウとスネグーラチカは話し合う。

「で?この世界は何だ?」

「この世界はフロイデが創りあげた幻想世界。フロイデが望めば必ず望んだ出来事が起こるのよ」

「……?」

スネグーラチカは書物を持つ。

「つまりこの世界はフロイデが自分の人生にシナリオを描いている世界なの」

「……この世界自体が現実世界から隔離された鳥かごって事か?」

「フロイデの暴走を止める為に私達はフロイデの思考回路に潜入し、フロイデを暗殺しに来たのよ」

「思考回路?と言う事はこの世界は具現化してなくて……妄想と言う事か?」

「ええ、この世界はフロイデの脳の中」

「何でそんな事に?」

「彼女は幻を見せる能力を持っているの。その能力で自分に幻を見せている....!尾崎と共に」

「尾崎って誰?」

「私達と同じ職場で働いていた、フロイデを兵器でも悪魔でも無く唯一人間として接したバイトの大学生。親が研究者だったから。バイト相手に選ばれたらしいけど....」

「フロイデ……何者だ?」

「悪魔、ノヴァのクローン。他の研究者達はノヴァは神と呼び自分自身を天使って呼んでるけど」

「そもそも悪魔がいる事に驚きだ……」

スネグーラチカは手に力を入れる。

「フロイデがクローンを認めて無くて幻想の中で普通に悪魔と言う事を隠す人間を演じている。その邪魔はしたくありません。それにもうそろそろ終わりですし」

「終わり……」

「この幻想はフロイデと尾崎が最終的に結ばれてハッピーエンドで終わる。まあ、フロイデ自体は暗殺出来ないから直接的な解決には何にもならないけど.....」

「とにかくノヴァを探すしかないんじゃないか?」

「..ノヴァ」

見漫間はある人物を追っていた。

「……あれってフロイデ?でも雰囲気が違う」

「ノヴァさん。フロイデはこの幻想世界を終わらせて幻想世界の記憶を維持させたままの尾崎を連れて逃亡する予定みたい」

「年上には敬語をしないと駄目じゃない......登岐目」

「香川教授と恋色羽で起こった奇跡を応用するって感じですね」

「ノヴァは私一人で十分。現実世界から来た天使達を配備させフロイデを殺し、終わらせるわよ。クローンごときが幸せになりたいとか笑えるわ」

「……あー……尾崎の洗脳を解くのは大変だ〜。あいつ今、殺人鬼だもんな〜。虫殺すのにもビビる奴なのに」