複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.225 )
日時: 2016/09/14 16:38
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

茨田は忍賀と会いに行く。

「よう俺だけのハニー」

「100回以上も着信したのに何で電話に出ないの?」

「……仕事が忙しくて……」

「仕事は必要だけど私が一番なんだよね?そうだよね?」

「……ああ、そうだよ。君は世界一さ」

そう言って茨田は金をむしり取る。

「俺、今月も借金取りに追われてさ。頼むよ」

「うん!」

茨田は笑う。

(こいつは、自分が一番になりたいが為に必要な存在になろうとして金を提供してくれる。大体、依存するタイプは親からの愛を与えられなかった奴なんだろう。大丈夫さ。金に見合ったサービスはするつもりだよ。この時間だけ君と金が一番だ)

忍賀は茨田と約束させる。

「今まで私は手作り弁当、春君の家の掃除とか、いっぱいやったよ。私って一番だよね?」

「ああ、一番だよ。愛してるよ」

「うん、私、もっと頑張る!」

(嘘でも良いから適当に愛を囁けば、彼女は何でも本気にしてくれる。さて、次に会う時は、この着信が200以上越したらにしよう!フハハハ!)

茨田と忍賀は朝まで愛を囁く。茨田は出勤する。

「おはようございまーす」

「茨田。今日も頼むぞ」

「はい!」

茨田は上に優しく、下に厳しい典型的な上司。しかし、下の者を集めては金で遊んでいたり、奢っていたりする為嫌われ者では無い。クズだが。

「モスカ大使。今日も元気かー?」

茨田は部下のモスカ大使を殴る。

「……はい、ありがとうございますっ!へへっ!」

「お前は良い奴だよ。ほれ、医療費の34万円」

茨田は34万円をばら撒く。上の者は賄賂を贈っている為、注意すらしない。すると、後輩の一人が現れる。

「駄目ですよ....先輩。先輩は良い人なんですからそんなに強がっちゃ駄目です」

「……すまないな。君のお陰で目が覚めたよ」

(……確か、こいつは浜梨 美穂(はまなし みほ)。恋人だ。と言うか、職場の女子、全員と俺は関係を持っている。それぞれは股掛けなんて知る由も無い。ちなみに、美人だけだ!はッはッは!)

浜梨は大人しそうに去る。

(あいつは、優しく大人しそうだったから行動は起こさないタイプだな。ある程度の失言も謝れば許してくれそうだ)

「それで....昨日はどうして会いに来なかったんですか?」

「え?連絡した?」

浜梨は耳元で囁く。

「連絡しなくても私達は恋人なんですから。私だって職場だけの恋愛は嫌なんです。私は貴方と普通の恋愛がしたいんです。今日、仕事が終わったら会いに来てくれますよね?」

「……あ、ああ」

「先輩は私と運命の赤い糸で結ばれているんです........ですからずっと一緒ですよ........」

「ああ……」

(今日は彼女から金を取り上げるか。……出来れば堂宮たみやからむしり取りたかったが……。しかし、彼女は良い勘違いをしてくれた。俺は浜梨にしばらく連絡していなかったが……)

浜梨は茨田を見つめる。

(どうやら、彼女にとってこれが恋愛と言う認識らしい。彼女の頭の中には何か私にテレパシーでも送っているのだろうか。愛で超能力や奇跡なんか起こらないというのに)

浜梨は呟く。

「先輩。会えない時間が愛を育むんですよ?私の愛は身体を突き抜けてしまいそう......」

昼休み中、茨田は着信履歴を見る。

「おいおい、400回って……忍賀……依存してんなー。あいつ。ハハハっ!」

茨田は別の女性達のメールを見る。その中に堂宮のメールもあった。

「……ん?」

「どうも、堂宮です。貴方の事が好きだと言うバカを排除しました。これで私との恋路を邪魔するバカはいなくなりましたね。貴方の様な天才は私にこそ相応しいのです」

「……こいつはもう、切り捨てるか。こんな嫌味なメールを送りつけるなんて。そんなにたまにしか会えないのが嫌なのかよ」

茨田は堂宮を着信拒否にする。そして茨田は会社の外で食事ついでにナンパする。

「ねえ、君。今の時間って分かる?」

「……すみません。分からないです」

「あ、ちょっと待って!」

茨田は転び、尋ねられた人の足を掴み尋ねられた人まで転ばせる。

「キャっ……」

「うう……」

「あ、大丈夫ですか?」

「……」

「あのー……」

「すみません!私、責任取ります!とりあえず、私が奢りますのであのレストランに行きましょう!」

「えっと……」

「私とした事が、相手を転ばせるなんて……」

「いや、結構です……それじゃ」

すると、茨田は女性の元へ行こうとするが大量の金とキャッシュカードを落とす。

「ああっ!」

「……あっ」

「……すみません。貴方に奢るはずだったお金が……」

「……」

「少しだけで良いんです。おわびをさせてほしいんです」

「でも、急いでるので」

「それじゃ連絡先を交換しましょう。今度予定が出来たら……。私、普段はあそこの会社で働いてますから」

「あそこって一流企業の……」

「ははは……。そう言えば名前言ってませんでしたね。私、亜雲 桐斗(あぐも きりと)って言います」

「私は夕張 亜紀(ゆうばり あき)です」

「はい、それでは……」

(これで連絡が来なかったら、彼氏持ちか)

茨田は会社に戻る。浜梨は茨田を見つめる。

(意識すると結構見てるんだな。言葉は交わさないけど心は繋がってますってか。少女漫画の見過ぎだろ)

そして茨田は少し残業をして仕事を終わらせる。

「さて、少し、部下共と酒を飲んでから会いに行こうか」

すると、一人の女性が現れる。

「……浜梨」

「先輩。ずっと待ってましたよ。私が会社で待ってたら不自然になるかなって思ったんで外で待ってました」

「……」

「それと、私の事は美穂って呼んで下さい。一番最初に会った時から言ってたんだけどな。まだ一度も呼んでませんよ?」

「美穂。俺も君が来る事を待っていたよ」

「やっぱり!私と先輩は運命の赤い糸で繋がっているんですね!」

「……あ、ああ!」

すると、もう一人の女性が優しい笑顔で茨田の元へ行く。

「堂宮……」

「少し良いですか?」

「先輩?」

「すまない。直ぐに戻る」

茨田は堂宮と浜梨から遠くの方で話す。

「……何だ?」

「どうして着信拒否をしたんですか?」

「当たり前だ。あんな気色悪いメールを送られたら誰だって拒否をする。そんなにたまにしか会えないのが嫌なのか」

「私はただ……」

堂宮は浜梨を指差す。

「他の女なんかに優しくしないでよ。他の女達勘違いしちゃうじゃん」

「……ん」

「私ね。貴方が好きだって言ってた人を友人に頼んで、強姦させたのよ」

「……冗談だろ?」

「他の奴等なんてどうでもいい。私は貴方の傍にいればそれでいい」

「……」

(こいつ、重っ!しかし犯罪レベルまで行ってるし。これじゃ俺のキャリアに傷が付く。一刻も早く、こいつとは切らないと駄目だ)

「ごめんな。俺はもう、犯罪者とは付き合えない。けどこれからは友達でいような。俺は君の行動を友達として見るよ」

(強引だが、こんなに優しい別れ方は無いぞ。これで満足しろ!馬鹿!)

堂宮は無言で去る。

「……誰が彼を変えたのかしら。彼は私にそんな事を言う人間では無い。私以上に大切な人間がいる。なら……」

堂宮は茨田を大切に思っている恋人を消す事を決意する。

「先輩........その女の人、誰です......?」

「ああ、取引相手だよ」

「先輩、私から離れないで下さい。先輩は私だけの先輩なんですから」

「……勿論」

(おっ。夕張から連絡来てる……)